日本家政学会誌
Online ISSN : 1882-0352
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73 巻, 10 号
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ノート
  • ―性別および保育者養成課程の学生と他専攻学生の比較―
    扇原 貴志
    2022 年 73 巻 10 号 p. 597-603
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/09
    ジャーナル フリー

     従来, 「母性愛」信奉傾向は育児中の父母を対象に研究されることが多く, 大学生における「母性愛」信奉傾向は十分に検討されてこなかった. 「母性愛」信奉傾向尺度は, 1因子モデルと2因子モデルの2つが提唱されているが, 大学生において, どちらのモデルが妥当であるかは未検討であった. そこで本研究では, 大学生を対象に「母性愛」信奉傾向尺度への回答を求め, 1因子モデルと2因子モデルのどちらが妥当であるか検討し, その男女差と専攻差を明らかにすることを目的とした. 大学生661名を対象に調査を実施した. 確認的因子分析の結果, 2因子モデルの方が適合度指標は良好であり, 大学生においても2因子モデルで「母性愛」信奉傾向を測定することが妥当であることが示された. 2要因分散分析の結果, 「女性による子育ての正当化」において, 保育を専攻する学生よりもその他の学問を専攻する学生の方が得点は高かった. 「母親の愛情の神聖視」では, 男性よりも女性の方が得点は高かった. 以上より, 大学生における「母性愛」信奉傾向の基礎的資料を得られたといえる.

資料
  • 松田 康子
    2022 年 73 巻 10 号 p. 604-612
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/09
    ジャーナル フリー

     高甘味料の「パルスイートカロリーゼロ」の顆粒タイプ・液体タイプについて, 官能評価を分析型評価と嗜好型評価を行い, 調理適応性を検討した結果, 以下のことがわかった.

     惣菜料理 (12品目) : 高甘味料の料理で甘味が弱い, 風味が低くなる料理も見られたが, 総合評価ではほとんどの料理で有意差がなかった. 有意差があったのは, なすとピーマンのなべしぎの顆粒タイプといなり寿司の液体タイプとが有意に低い評価であった.

     デザート (4品目) : 総合評価で上白糖との間に有意差がみられたのは, オレンジゼリーの液体タイプで, 液体タイプが低い評価であった.

     有意差がみられたのは, みそを使用した炒め煮といなり寿司で, 使用量等の検討が必要であった. また, オレンジゼリーのように酸味が強いデザートでも, 使用量の検討が必要のようであった. しかし, 他の料理に有意差がみられないことから, 通常の料理に甘味を付与する甘味料として有用であると考えられた.

  • 笠松 千夏, 坂井 信之
    2022 年 73 巻 10 号 p. 613-620
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/09
    ジャーナル フリー

     ヘルスケアフーズに関する情報がおいしさや期待する効能感に与える影響について, BCAA添加濃度の異なるインスタントスープを試作し, 持ち帰りテスト, 苦味の識別試験を行った. 持ち帰りテストは2週間実施し, 第2週目には広告形態の商品説明を配布した. また, 実験参加者にはTEG®3性格診断を行った.

     持ち帰りテストでは商品説明の有無にかかわらず, BCAA添加量が多くなるにつれておいしさ評定が下がる傾向が見られた. 期待する効能感については, BCAAの濃度が高いほど高く, BCAAの効能に対する商品説明を受け取った第2週の評定の方が高い傾向にあった. スープの摂取量については第1週目にはBCAA添加量が多いものほど摂取量が少なかったが, 第2週目にはいずれのスープの摂取量もほぼ同じになった.

     また, 仮説レベルではあるが, サンプルのおいしさ評定や広告形態の商品説明のわかりやすさ評定において, それら評定値と参加者の性格との関連性が見られる傾向であった.

シリーズ 新しい生活様式と家政学 2
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