日本家政学会誌
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44 巻, 2 号
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  • 黒田 正治郎, 真砂 佳美, 大鹿 淳子
    1993 年44 巻2 号 p. 97-101
    発行日: 1993/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    浸漬により膨潤していく豆の体積と重量を測定することにより, 僅かではあるが豆類の膨潤過程が明らかになった. しかし, 豆類の膨潤過程は豆の乾燥状態や種皮の構造などに影響されると思えるため, 今後の研究課題としたい.
    今回得られた結果は, 実際に行われている豆類の調理法に見られる常識を数量的に裏付けたことになる. 例えば, 黒大豆や青えんどうなどの豆の調理では, 加熱する場合もあるが, 一般には一晩の浸漬後に調理を開始する方法をとる. これは, 一晩 (約8時間) の浸漬を行うだけでほぼ飽和値まで膨潤が起こるためであると考えられる. 一方大納書などの小豆類の調理は, 通常浸漬を行わず, 煮るや蒸す等の処理を行う. これは約8時間の水での浸漬だけでは十分に膨潤しないため, 加熱処理を必要とするためであると考えられる.
    このように体積を直接測定することにより, 実際に行われている豆類の調理法の理由を裏付けることができ, 重量の測定だけからでは予測できなかった豆類の膨潤過程が明瞭になった. 今後は浸透した水が, 豆組織のどの部分を膨潤させるかを調べる必要がある.
  • 藤村 知子, 志垣 満理, 長谷川 喜代三, 高村 仁知, 的場 輝佳
    1993 年44 巻2 号 p. 103-108
    発行日: 1993/02/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    水溶液系において卵白リゾチームとリノール酸メチルの混合物に紫外線を照射した後, 40℃で反応させたところ, リゾチームが重合した. この重合物の分子サイズは, 還元剤ジチオスレイトールで処理しても変化しなかった. スクシニル化によりアミノ基を保護すると, 重合化は起こらなかった.また, SH基のカルボキシメチル化によりS-S結合を切断すると立体構造が変化し,
    重合化が促進された.以上の結果から, この重合化反応にはS-S結合は関与せず, リジン残基のアミノ基が寄与していることが明らかとなった. また, 立体構造の変化もこの重合化反応に関与していることが示唆された.
  • 辻 啓介, 中川 靖枝, 市川 富夫
    1993 年44 巻2 号 p. 109-114
    発行日: 1993/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    高血圧自然発症ラット (SHR) において2種の紅麹菌 [Monascus pilosus (MP), M. ankar (MA)] の麹抽出物とMAの産生色素 (MAP) が血圧, 各種陽イオンの出納, 血漿コレステロールレベルにどのような変化を及ばすかを比較検討した.
    1) 対照群のラットの血圧は急激に上昇したが, 紅麹抽出物は検討した2菌種では紅麹換算で0.03%相当の添加により, いずれもSHRの血圧上昇を飼育10日目あるいは15日目で有意に抑調した. MAPはそのような効果は示さなかった.
    2) 血漿のNa/K比はMPとMA両群で低下した. 血圧とNa/K比との相関が得られた. しかし, ミネラルバランスには有意差がなかった.
    3) 1%MAP群ではミネラル (Na, K, Ca, Mg, Cu, Fe) の糞中排泄量が増えたが, 0.1%ではそのような現象は認められなかった.
    4) 血漿総コレステロール値は紅麹2種と色素添加により低下した.
    以上, 紅麹抽出物はSHRの血圧, 血漿コレステロールレベルを改善し, そのメカニズムの一端は, 尿中Na量の排泄増加に伴う血中Na/K比の改善によるものと推定された.
  • 田口 田鶴子, 岡本 洋子
    1993 年44 巻2 号 p. 115-121
    発行日: 1993/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    年齢3~6歳の幼児208名 (男児120名, 女児88名) とその両親416名を被検者として, 甘・酸・塩・苦味食品に対する嗜好調査を行い, 幼児とその両親の嗜好パターンの相異ならびに両者の嗜好の相関関係を林の数量化理論により分析した. またショ糖 (甘味), クエン酸 (酸味), 塩化ナトリウム (塩味) の等差濃度水溶液を検査試料として, 幼児 (76名) の味覚閾値を20歳女子学生 (98名) と比較検討し, さらに幼児の各味溶液に対する表情についても観察した.
    結果は次のようであった.
    (1) 幼児の食味嗜好傾向はその両親とは異なり, 性別による嗜好の違いは両親と比較すると大きかった. 男児, 女児に共通する嗜好食品はアイスクリーム, チョコレート, ショートケーキなどの甘味食品であったが, 特に女児の嗜好食品は夏みかん, グレープフルーツなどの酸味食品であった.
    (2) 幼児とその両親の間に高い相関がみられた嗜好食品は, 塩から, つけ物, セロリー, パセリ, グレープフルーツのような塩・苦・酸味食品であった.
    (3) 幼児では, 甘・酸・塩味に対する味覚閾値は20歳女子学生に比べていずれもやや低く, ショ糖水溶液濃度0.2~0.8%, クエン酸水溶液濃度0.02~0.06%, 塩化ナトリウム水溶液濃度0.04~0.16%の範囲で大部分の者が感受した.
    (4) 幼児は, 甘味では快い表情, 塩味ではやや快い表情, 酸味では不愉快な表情を示すことが観察され, それぞれの味質の違いによってその反応が異なった.
  • 永井 房子, 田中 百子, 三石 幸夫
    1993 年44 巻2 号 p. 123-130
    発行日: 1993/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    In order to understand quantitatively the loss phenomena in the width of sewn fabrics, the relations between the loss in the width of sewn fabrics and each of the thickness of threads, the thickness of fabrics and the seam finishes were investigated by using various man-made leathers and polyester threads of different thickness.
    (1) In the relation between the thickness of the thread and the loss in the width of the sewn fabric, the thicker the thread, the larger the loss.
    (2) The loss in the width of the sewn fabric of welt seam is larger than that of open seam.
    (3) The thicker the fabric, the larger the loss in the width of the sewn fabric. Furthermore, there are high correlations between the thickness of fabrics and the loss in the width of sewn fabrics.
    (4) In the schematic models of the loss in the width of sewn fabrics, the theoretical loss in the width of the sewn fabric D can be approximately expressed as,
    D=(π-2)t+πα or Dt+πα
    where t is the thickness of fabric, α is the swelling in the area of the seam and is associated with the thickness of thread and the stitch density. As above mentioned, from the experimental and theoretical view points, it is made clear that the loss phenomena in the width of sewn fabrics is related to the fabric thickness, the thickness of the thread, the stitch density and the method of seam finishes.
  • イメージによる類型化とそのデザインの特徴
    渡辺 澄子, 川本 栄子, 黒田 喜久枝, 中川 早苗
    1993 年44 巻2 号 p. 131-139
    発行日: 1993/02/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    前報において, 若い女性向けの服装雑誌より選んだ服装サンプルをもとに服装イメージを構成している因子の抽出を行った. 本報では前報で得られた主要な因子の因子得点をもとにクラスター分析を行い, イメージによる服装の類型化を行った. さらに類型化された服装タイプのデザインの特徴を把握するために, クロス集計および数量化II類による分析を行い検討した. その結果, 次のような知見を得た.
    1) 服装タイプは, (1) キャリアエレガンス, (2) エレガンスフェミニン, (3) ベーシックカジュアル, (4) トレンディカジュアルの四つに類型化された.
    2) 服装タイプとデザイン要素の関連性をクロス集計で分析した結果, 43項目中27項目において有意な関連がみられた.
    3) 四つの服装タイプを判別するのにより有効な意味は, エレガンスかカジュアルかの違いであり, そのデザイン要素は服種の違いによるものが大きいことが分かった.
    4) 服装タイプを一組ずつ対比させ, その違いをより有効に判別するデザイン要素を検討するとつぎのようになった. キャリアエレガンスとトレンディカジュアルは服種, ディティール, 色柄の順に三つのデザイン要素のみで容易に判別できる. 次いで, キャリアエレガンスとベーシックカジュアルもそれらのデザイン要素に襟・袖の形まで含めると明確に判別できる. また, キャリアエレガンスとエレガンスフェミニンのどちらもエレガンスタイプのものどうし, および, ベーシックカジュアルとトレンディカジュアルのカジュアルタイプのものどうしの判別はやや困難であるが, それらは服種やディティールよりも色柄によつてかなり判別できることが明らかになった
  • 富山市における高齢者のいる家族の住生活の安定性とその課題
    永原 朗子, 遠藤 聡, 地井 昭夫
    1993 年44 巻2 号 p. 141-150
    発行日: 1993/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    以上の結果から, 高齢者の住生活の安定性と課題についてみると, 次のことが指摘できる.
    1) 高齢者と家族の居住関係は, 子供の結婚, 就職, 転勤, 転居, 配偶者の死亡, 夫婦の高齢化, 子供の離婚, 家族関係の不和, 子供なし等を契機とする居住地選択によって変化し, 安定型, 準安定型, 準不安定型, 不安定型などの多様な住生活タイプを形成してきた. なかでも, 子供の結婚, 就職による他出は大きな転機となっている.
    2) 高齢者の住生活において, 将来も同居を継続もしくはその可能性のある安定型の居住関係をとる家族は67家族 (60.4%) であったが, 残りの44家族 (39.6%) は近居又は別居などの子供と離れて暮らす不安定型等 (準安定型, 準不安定型, 不安定型) の居住関係を形成している.
    3) 借家・公営・社宅などに住む家族は, 安定型=1家族 (1.7%), 準安定型=1家族 (8.3%), 準不安定型=5家族 (17.2%), 不安定型=2家族 (18.2%) であり, 安定型が1.7%に対し, 安定型以外は15.4%となり, 住生活の安定性と住宅事情はかなりの相関性を持っと思われる.
    4) 高齢者の就業は, 有職から無職に変化した63人 (56.8%) を含めて現在, 86人 (77.5%) が無職となっている.
    しかし, 86人のうち1人は子供のいない高齢者であるため, 85人が子供から何らかの援助をうけていると思われる. また将来同居を継続もしくは同居に変化する可能性のある67人は, 子供からの援助がより緊密になると思われる.
    5) 今後, 安定型はもちろんのこと, 不安定型等の多様な居住関係をとる高齢者を含む43家族の住生活や医療・福祉への対策課題は多様化しており, 今後, 本人や該当家族のみならず地域や行政が早急に着手すべき課題は山積みしている.
    なお, 本テーマについては, すでに金沢市においても調査を完了している. さらに今後は農村部なども調査し比較研究を積み重ねて, さらに実証的考察を続けたい.
  • 中村 泰彦, 田島 真理子
    1993 年44 巻2 号 p. 151-153
    発行日: 1993/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    塩化鉄 (II) 溶液に浸漬してから食塩溶液に浸漬するという二段階浸漬をした後, 水煮した大豆および金時豆の官能検査を行い, 以下の結果を得た.
    (1) 二段階浸漬した大豆, 金時豆は食塩溶液に単独浸漬したものより軟らかく, また金時豆では塩化鉄 (II) 溶液に単独浸漬したものより軟らかかった.
    (2) 二段階浸漬による大豆の味, あと味, 総合的好ましさは, 水浸漬, 食塩溶液浸漬のものと差がないかむしろ良かった. しかし, 金時豆では, 味, あと味が食塩溶液浸漬のものより劣っていた.
    (3) 二段階浸漬による金時豆の色は, L値, a値, b値とも低下し, 暗色になった. その色は, 水浸漬, 食塩溶液浸漬のものと嗜好の面では差は認められなかった.
  • 石永 正隆, 田川 陽子
    1993 年44 巻2 号 p. 155-159
    発行日: 1993/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    全国規模で展開している外食産業9社のそれぞれ人気メニューの脂肪酸とコレステロールの分析を行った. その結果, 全てのメニューにおいてモノ不飽和脂肪酸が30%以上を占めていた.また, 寿司類を除いて, P/S比が1以下で, n-6/n-3比が5以上のメニューがほとんどであった. コレステロール含量については, ファミリーレストランの数種のメニユーで200mg以上あった. 外食を時々利用する人の場合は問題ないが, 頻繁に利用する人は十分に食事中の脂肪の質も考えて利用すべきであろう.
  • 富田 守
    1993 年44 巻2 号 p. 161-165
    発行日: 1993/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 1993 年44 巻2 号 p. 171
    発行日: 1993年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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