日本家政学会誌
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45 巻, 7 号
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  • 石橋 源次, 石松 茂子, 沖田 卓雄, 堀 康二
    1994 年 45 巻 7 号 p. 579-584
    発行日: 1994/07/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    藍藻類に属し淡水藻であり, 食用として消費されている水前寺ノリと, 食することができるが未利用のイシクラゲおよびそれらより抽出したペクチン様成分を高コレステロール (chol) 食に添加し, 血清cholおよび肝臓chol上昇抑制作用について検討した.
    1) イシクラゲおよび水前寺ノリをそれぞれ5%含む飼料をラットに投与し, 21日間飼育したが発育状況に対して影響を及ぼさなかった.
    2) イシクラゲそのものおよび2種の藻類から抽出したペクチン様成分のいずれにも, 血清および肝臓のT-cholの上昇を抑制する作用があった.イシクラゲから抽出したペクチン様成分で, その効果が大きかった.
    3) 糞中への排泄胆汁酸および中性ステロール量が各試験群で増加した.
    4) 高chol食に対する, 血清のT-chol上昇抑制作用は難消化性多糖類部分であろうと推察された.
  • 木村 友子, 菅原 龍幸, 福谷 洋子, 加賀谷 みえ子
    1994 年 45 巻 7 号 p. 585-593
    発行日: 1994/07/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    干し椎茸の合理的な戻し方を見出す目的で, 超音波照射を取り入れた方法を用い, 椎茸の物性及び嗜好性などに及ぼす影響を検討し, 次の結果を得た.
    1) 水戻しに超音波処理を用いると, 超音波処理しない椎茸に比し吸水量が増加し, 戻し汁は黄味度が増し褐変が進行した.
    2) 蒸し調理した椎茸のテクスチャー特性では超音波照射したものの方が硬さ・ガム性の値が小さく軟化した.
    3) 水温5℃と25℃の水戻しの条件では超音波照射時間は20分が望ましく, 全浸漬時間は上冬薙が2時間, 上香信が1時間で最大吸水量の90%に達し, 官能評価では椎茸は柔らかく歯ざわりが適当で, 戻し汁の色の濃度が濃く感じ, 味は旨味があり良好と評価された.
    4) 蒸し調理した椎茸中のRNA含量や5'-GMP, 5'-AMP, 5'-UMP, 5'-CMP, 遊離アミノ酸含量に及ぼす超音波照射の影響はわずかにすぎなかった.
    以上の結果から, 干し椎茸の水戻しに超音波照射を取り入れることは有効であると考えられる.
  • 冨岡 和子, 遠藤 金次
    1994 年 45 巻 7 号 p. 595-601
    発行日: 1994/07/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    代表的な獣鳥肉および魚肉類を急速または緩慢に加熱調理した際の, 遊離アミノ酸, ATP関連物質およびその他のエキス成分の変化と, それらの変化が味の強さに及ぼす影響を検討した.その結果は次のように要約できる.
    1) 加熱過程で, Glu, Ala, Val, Leu, Phe, Lysなどの遊離アミノ酸, HxR, Hxの量は増加したが, IMPの量は減少した.多くの場合, その傾向は急速加熱に比べ, 緩慢加熱において顕著であった.ペプチドは魚肉類では少なく, 獣鳥肉類では魚肉よりかなり高い値を示したが, いずれも加熱中の変化はほとんどなかった.クレアチンは肉の種類や昇温速度にかかわらず加熱中の変化は少なかった.総エキス窒素量はとくに赤身魚類に多く, 加熱中に生成する遊離アミノ酸にほぼ相当する量だけ増加する傾向がみられた.
    2) IMPとGluの分析値を用い, 計算上の「うま味」の強さをYamaguchiの式によって算出した結果, マダイ, キハダおよびサケなどの場合は増加したが, イサキやウシの場合は減少した.これらの結果は, イサキ, ブタ, マダイなどの肉から調製した抽出液の官能検査によって判断した食味の変化とよく一致した.
  • 堤 ちはる, 三好 恵子, 谷 武子, 仙北谷 至乃, 殿塚 婦美子, 永弘 悦子, 河野 聡子, 吉中 哲子
    1994 年 45 巻 7 号 p. 603-607
    発行日: 1994/07/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    1) キウイ果汁は, これに肉を浸漬することにより肉の軟化効果をあらわすことが認められた.
    2) 肉の軟化効果はテクスチュロメーターで測定の結果, キウイ果汁20%添加で浸漬120分後から, 50%添加で浸漬10分後から有意にあらわれた.また, 官能検査の結果では20%添加で浸漬20分後から, 50%添加で10分後から有意にあらわれた.この軟化効果は添加量添加時間の増加に伴って進行した.
    3) 肉組織の光学顕微鏡による観察の結果, キウイ果汁浸漬により肉の表面近くの筋原線維蛋白質が顆粒化することが明らかになった.
    4) SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果, キウイ果汁浸漬により肉の表面近くの筋原線維蛋白質中のミオシンが分解され, 150,000 dalton fragmentになっていることが認められた.
    5) 日常の調理に応用する場合, 今回の実験条件の中ではキウイ果汁添加50%, 浸漬時間20分の浸漬条件が総合的に最も好ましいと考えられた.
  • 中西 洋子, 成瀬 明子, 梶田 武俊
    1994 年 45 巻 7 号 p. 609-614
    発行日: 1994/07/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    1) キウイフルーツよりプロテアーゼを電気泳動的に単一に精製した.収率42%であった.
    2) 本精製酵素のカゼイン分解活性は時間とともに進行し, 30℃では反応時間20分まで直線的に進行した.
    3) 本精製酵素は30~50℃では30分までほぼ100%の活性を維持し安定であったが, 70℃では20分, 100℃では3分以内に完全にカゼイン分解活性を失った.
    4) 本精製酵素は30℃, 24時間後も94%のカゼイン分解活性を維持し, 自己ペプチド分解もほとんど認められなかったが, 50℃, 24時間では自己ペプチドの分解はほとんど認められなかったにもかかわらず, 活性は8%まで低下していた.
  • 石井 克枝, 西村 敏英, 小野 太恵子, 畑江 敬子, 島田 淳子
    1994 年 45 巻 7 号 p. 615-620
    発行日: 1994/07/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    小麦グルテンにペプシン, ラピダーゼ, アクチナーゼ, プロメライン, ビオプラーゼ, パパインで処理して得られるペプチドの呈味性を検討した.ペプシン, ラピダーゼ, プロメライン, ビオプラーゼ, パパイン水解物から得られるMW500~10,000のペプチドは苦味を有し, MSG様の味は非常に弱かった.一方, アクチナ~ゼ水解物から得られたペプチドは苦味が非常に少なく, 弱いMSG様の味が認められた.このペプチドを脱アミド化することによりさらに苦味が減少し, MSG様の味は増加することが明らかとなった.その閾値はMW1,000~10,000画分で0.025%, MW500~1,000画分で0.05%であった.さらに, 煮干だし汁にペプチドを添加するとMW500~1,000画分はうま味を増強することが判明した.
  • 海藻の食習慣に関する研究 (第2報) とする
    今田 節子
    1994 年 45 巻 7 号 p. 621-632
    発行日: 1994/07/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    The eating habits of sea vegetables (edible seaweeds) in the Sanin coastal area were investigated by informal interview of the residents. The results were as follows : (1) 27 kinds of sea vegetables were eaten, and many kinds of brown algae were eaten in the eastern part of the Sanin coastal area. On the other hand, in the western part, many kinds of red algae were eaten. (2) The sea vegetables were harvested for the income and self-sufficient food. For instance, wakame, mozuku and iwanori were the efficient sources of income. (3) The properties of sea vegetables that the residents learned from their experiences were utilized in the traditional method of drying, storing, and processing the sea vegetables. (4) The sea vegetables were used as the daily food, the substitutes for the vegetables in the winter and the emergency food in a famine. (5) Many kinds of sea vegetables have been used as the foods for events concerning both Buddhist and Shintoist rituals.
    Concerning these characteristics of eating habits of sea vegetables, the regional differences of the kinds of sea vegetables and the foods for events were seen in the eastern and western parts of Sanin coastal area, and these were greatly influenced by the ecological features of sea vegetables, the natural and human living environment in the Sanin coastal area, and the long history of using sea vegetables.
  • 界面活性剤添加濃度の影響
    渡辺 紀子
    1994 年 45 巻 7 号 p. 633-638
    発行日: 1994/07/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    非水洗浄系における固体粒子の繊維基質への付着性におよぼす溶剤の種類および界面活性剤 (AOT) の添加濃度の影響について検討した.
    系を単純化するために, 球形のFe2O3・H2O粒子および円形断面の単繊維を用い, 可溶化水未添加の溶剤を用いた粒子分散液から繊維への粒子付着を20℃, 48時間の弱い機械的振盪力による平衡付着量から比較検討した.
    非極性の石油系溶剤 (n-ヘキサン, n-ヘプタン, n-ウンデカン) および塩素系溶剤 (テトラクロロエチレン) では, 添加界面活性剤濃度変化に伴う粒子付着量変化において, 付着量を最少にするために要する界面活性剤濃度の存在が確認された.粒子の分散安定化に必要な限界AOT濃度と粒子量との間には, よい相関性が認められた.
    非極性溶剤中におけるFe2O3・H2O粒子1gの分散安定化に必要なAOTの最少値は, 石油系では約3.3×10-4mol, 塩素系では約2.0×10-4molであつた.
    極性溶剤のエチルアルコールでは, 非極性溶剤と比較して溶剤自体の粒子分散安定性が良好なため, 界面活性剤の添加効果が認められなかった.
  • 橋本 令子, 加藤 雪枝
    1994 年 45 巻 7 号 p. 639-648
    発行日: 1994/07/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    The purpose of this study is to examine the role of clothing and personal character in the expression of wearing image by comparing clothing and personal image. The results are as follows :
    1) A factor analysis of 37 clothings selected from fashion magazines generated factors for coolness, femininity and modernity. Based on the factor scores, the clothings could be classified into five types : feminine, casual, sporty, elegant and modern.
    2) Image of 66 persons was composed of six factors : fineness, elegance, ordinary, familiarity, smallishness and vigor. The persons could be classified into seven groups : general, elegant, activity, cuteness, coolness, healthy and individuality.
    3) Wearing image of representative persons was shown by four factors : evaluation, femininity, adultness and modernity. The relation between personal character and clothing design on the wearing image was analyzed by quantification theory III. The evaluation, femininity, or modernity factors were mainly influenced by personal character and clothing design. The adultness factor was chiefly affected by clothing design.
  • 森泉 豊榮
    1994 年 45 巻 7 号 p. 649-654
    発行日: 1994/07/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 尚 弘子
    1994 年 45 巻 7 号 p. 655-657
    発行日: 1994/07/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 国際家族年情報
    日本家政学会国際交流委員会
    1994 年 45 巻 7 号 p. 659-660
    発行日: 1994/07/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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