日本家政学会誌
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48 巻, 4 号
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  • 大学生調査を通して
    高橋 久美子
    1997 年48 巻4 号 p. 267-277
    発行日: 1997/04/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    Recently, the sexual awareness and sexual behavior among young people have been changing. Sex education is considered necessary at home as well as at school. The author carried out a survey in 1991 on those students studying at a teacher training college about what they regarded the roles of parents. It was revealed in the previous study that many of the students under survey considered sex education was necessary at home. The present study aims to clarify the present state and problems of sex education at home, in relation to school education. The survey was carried out in 1993 on the students of the same teacher training college; 323 males and 367 females were sampled.
    The results are as follows :
    Many of the students had some kind of sexual troubles and anxieties, but only a limited number of them turend to their parents for help. In fact, many students did not consider it worthwhile to seek help from their parents. Consulting parents about their sexual troubles and anxieties is closely related to the sex education given at home. The students received little sex education from their parents, but many students, as parents, would consider sex education at home necessary. Of the 10 items chosen for investigation, they regarded the physiological and intellectual items especially important. The fact that the students are in favor of the sex education at home shows that they seem to have been greatly influenced by the sex education they received in school.
  • 新入園児の参入にともなう進級児の相互作用の変化
    高濱 裕子, 無藤 隆
    1997 年48 巻4 号 p. 279-287
    発行日: 1997/04/15
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    The influences of newcomers' entry on oldcomers in a class for 4-year-olds were investigated from the viewpoint of adaptation in transition period. Three oldcomer boys were observed for three preschool months from March to May by means of a videotape recorder and field notes. Changes of playmates, decreases in length of playtime with playmates, and changes of strategies to deal with playmates were found to occur. There was a time lag in the emergence of influences to each of the target boys. The results were interpreted to show that a large change in a new system emerged through interaction of two factors : changes in existing peer groups and influences by newcomers' entry.
  • 小川 宣子, 山中 なつみ
    1997 年48 巻4 号 p. 289-293
    発行日: 1997/04/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    精白赤米の蛋白質量, 食物繊維量は精白うるち米に比べて多く, 赤米粉とうるち米粉をラットの飼料に10% 加え, 42 日間飼育した時, 赤米粉を摂取したラットの飼料効率はうるち米粉と同じであり, 胃, 盲腸, 結腸の消化管腔内の内容物重量はうるち米粉に比べてやや大きかったが, 有意差はなかった. 糞中の糖量は赤米粉摂取ラットの方が多かった. また, 血漿中のコレステロール濃度は赤米粉摂取ラットとうるち米粉摂取ラットの問に有意差はなかった. 精白赤米, 精白うるち米より抽出した食物繊維の発酵性について豚の盲腸内容物から得られた菌体によるバッチ培養により炭酸ガス発生量を 24 時間経時的に測定を行った結果, 精白赤米由来の食物繊維は精白うるち米由来の食物繊維に比べて炭酸ガス発生量が多く, 盲腸内細菌による分解を受けやすかった.これらより, 精白赤米は精白うるち米に比べ, 色彩の美しさだけでなく, 栄養的にも同等の価値がある食品であることが明らかになった.
  • 梅酒熟成に関する研究 (第2報)
    蟻川 トモ子, 大島 さゆり, 高垣 仁志
    1997 年48 巻4 号 p. 295-301
    発行日: 1997/04/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    梅酒の香気成分について, 減圧水蒸気蒸留法とヘッドスペース法で得られたにおい濃縮物を用い, GC-MS によって成分の同定, 定量を行った. また 1, 2, および 5 年間貯蔵した試料について貯蔵中の香気成分の変化を研究した.
    その結果, 減圧水蒸気蒸留法ではアルデヒド類, 酸類, アルコール類, エステル類などを含めて 38 成分, ヘッドスペース法では減圧水蒸気蒸留では認められなかった低沸点成分 6 種を含めて 22 成分を同定, 定量した. 成分の数は貯蔵に伴って増加し, とくにエステル類は成分の数, 含有量ともに顕著に増加した. これは貯蔵中に梅の実中の有機酸が順次溶出され, 多量に存在するエタノールとエステルを作るものと考えられ、た. 最も含量の多い成分は benzaldehyde であったが, その含有量は貯蔵中に顕著に減少し, 同時に benzoic acid, 化を受け, さらにエステル, アセタールへと変化するものと考えられた.
    以上により, 梅酒の香気成分は, はじめ比較的単純な組成であったものが貯蔵により複雑な組成となり, マイルドな風味に変化すると考えられた.官能検査の結果もこの推定と一致した.
  • 大西 真理子, 小川 宣子, 山中 なつみ, 庄司 一郎
    1997 年48 巻4 号 p. 303-313
    発行日: 1997/04/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    (1) 米を搗精する際の米の種類が理化学的特性に及ぼす影響について, 山田錦, コシヒカリ, タカネミノリの3品種の化学的成分, 吸水率, 酸度, 粘度特性から調べた結果, 以下のような傾向を示した.
    1) いずれの品種も化学的成分の水分, 粗タンパク質, 粗脂肪, 還元糖比は搗精度が90%, 80%, 70%と高くなるにつれ減少した.
    2) 搗精度が高くなるにつれ, 吸水率は高くなり, 山田錦の搗精度60%, 50%の吸水率はより高くなった.
    3) 脂肪酸度と水溶性酸度は搗精度が90%, 80%, 70%と高くなるにつれ減少した.
    4) アミログラムによる糊化温度は搗精度が90%, 80%, 70%と高くなるにつれて低くなり, 特に山田錦は80%搗精での温度低下が大きくなった.最高粘度と崩壊度は搗精による影響はコシヒカリではみられなかったが, タカネミノリや山田錦ではそれぞれ高い値を示し, 品種間に差異がみられた.老化度では, 搗精度を高くすることにより, コシヒカリは老化しやすい性質を示したがタカネミノリや山田錦ではこの傾向はタンパク質染色搗精度 50 % 脂質染色みられなかった.
    (2) 酒造米 (山田錦) における搗精度が理化学的特性および米組織での成分分布と表面構造に及ぼす影響を調べた.
    1) 蒸し加熱した米飯組織におけるタンパク質, 脂質の分布状態を光学顕微鏡で観察した結果, 果皮, 種皮, 胚芽, 糊粉層および胚乳におけるでんぷん細胞の細胞膜に沿った部分にタンパク質の存在が認められ, 脂質は種皮, 胚芽, 糊粉層のみに分布していた.搗精度の異なる米飯においては, タンパク質, 脂質が多く存在する胚乳部が段階的に削られていく様子が観察され, 粗タンパク質と粗脂肪の含量の分析値の変化と一致するものであった.
    2) 米の表面構造は搗精度が高くなるにつれ胚乳部のでんぷん細胞膜が破壊され, でんぷん粒の露出が観察された.
  • 安藤 真美
    1997 年48 巻4 号 p. 315-321
    発行日: 1997/04/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    凍結解凍したモンゴウイカ外套膜の, 加熱による物性および構造の変化を調べた. レオメーターを用いた剪断力の測定結果から, 加熱により軟らかくなることが確認された. また光学顕微鏡を用いた観察によれば, 加熱の進行にともない筋細胞間に間隙が生じたが, 透過型電子顕微鏡観察によればこの間隙は認められなかった. この結果, 光学顕微鏡観察において認められた間隙は人工産物である可能性が高いが, このことは筋細胞間の結合力の低下を示すものと思われた. また, コラーゲンのゼラチン化率は加熱60 分後に約32% まで上昇した.
    以上の結果より, イカ筋肉は加熱により軟らかくなるが, これは筋細胞の構造破壊以外に, 筋細胞の間に存在する比較的少量のコラーゲンのゼラチン化によるものと考えられた.
  • 中沢 文子, 石戸 道子, 飯村 由美子, 高橋 淳子, 高田 昌子
    1997 年48 巻4 号 p. 323-327
    発行日: 1997/04/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    小型磁石を歯の近傍に貼りつけて, 咀嚼中の磁場の変化から, 歯の3次元的な動きを測定する簡易な装置を開発した.この装置では, 任意の歯の動きを測定できること, 被験者に大きな測定機器を装着しないので, 自然な咀嚼活動を測定できるところに特徴がある.磁石を既定の位置に動かすテスト実験を行い, 磁石の動き, すなわち, 歯の動きが正しく表示され得ることを示した.
  • 山口 庸子, 小林 有紀子, 永山 升三
    1997 年48 巻4 号 p. 329-337
    発行日: 1997/04/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    新合繊を対象として単繊維の太さ・形状の異なる 3種類のポリエステル布を用いて, 繊維基質の相違する汚染布の洗浄率の算出方法, 超極細繊維や異形断面繊維といった新素材繊維の汚染性および洗浄性について検討すると共に, 水を分散媒として天然汚垢布の平均的な分析値に準拠して作製したモデル汚垢成分を配合した汚染浴を用いて, 天然汚れと類似の洗浄挙動を示す洗浄力試験用のポリエステル湿式人工汚染布を提案しようと試み, 以下の結果を得た.
    (1) 従来の反射率の測定方法では, 台紙の反射率を約30%に統一したことから, 繊維基質の相違する人工汚染布では台紙の反射率の影響が異なり, 汚染布自体の反射率を測定することができない.そこで, 湊の方法を用いて台紙の影響を受けない汚染布自体の反射率を誘導し, この値からK/S値を求め洗浄率を算出する方法を確立した.
    (2) 超極細繊維や異形断面繊維などの単繊維からなる新合繊は, 一般のポリエステル布に比較して, 汚れが付着しやすく落ちにくい傾向にあることを確認した.
    (3) 水を分散媒としてモデル汚垢成分を配合した汚染浴を用いて提案したポリエステル湿式人工汚染布は, 繊維基質の織り組織や繊維形態が異なっても表面反射率を40%前後に調整する事によって, 4種類の洗剤に対する顔垢汚染布の洗浄力評価結果と高い相関を示すことを確認した.
  • 田辺 創一, 小川 直哉, 手崎 彰子, 渡辺 道子
    1997 年48 巻4 号 p. 339-342
    発行日: 1997/04/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    タマネギを鉄製のカッターで切断すると緑黒化した.この緑黒変化現象はタマネギの成分と第二鉄イオンがキレートするためであった.鉄とキレートして緑黒変化する成分を単離し, FD-MS, 1H-NMR, 13C-NMR スペクトルデータに基づいて構造決定を行った結果, この成分をケルセチン-4'-Ο-β-グルコシドと同定した.
  • 浅川 雅美, 大澤 清二
    1997 年48 巻4 号 p. 343-351
    発行日: 1997/04/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 利谷 信義
    1997 年48 巻4 号 p. 353-356
    発行日: 1997/04/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 藤井 チズ子
    1997 年48 巻4 号 p. 357-359
    発行日: 1997/04/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 大島 綏子
    1997 年48 巻4 号 p. 360-361
    発行日: 1997/04/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
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