日本家政学会誌
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47 巻, 12 号
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  • 朴 明姫, 兪 恵卿, 朴 明淑
    1996 年47 巻12 号 p. 1165-1172
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    この研究の主な目的は商品使用においての効率性に関する実証的測定方法をさぐり, そしてその使用効率性と他の変数との関係を調査することにある.衣類, 電気製品, 食品などの使用効率性に対し, 日記記録の方法を用いることにより, 実質的な使用頻度を調査した.具体的な調査方法としてはソウルとソウルの近郊に居住している28名の家庭主婦を相手にその商品使用について30日間の記録をさせた.その結果, 実質的な使用効率性と認知されていた効率性および保存における態度とはあまり関係がないことがわかった.また, 使用効率性は商品群による多次元的な概念であることを提示した.
  • 麻美 直美, 森川 尚美, 江澤 郁子
    1996 年47 巻12 号 p. 1173-1180
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    本研究では, 水中運動が, 閉経後の骨量減少の抑制に効果的であるか否かを検討した.8カ月齢Wistar系雌ラットに卵巣摘出術または偽手術を施した.術後15日目に, 卵巣摘出群は, 非運動群と水中運動群に分けた.なお, 本研究期間中 (170日), ラットには固形飼料と水道水を自由摂取させた.その結果骨密度, 腸管からのカルシウム吸収, および筋重量は卵巣摘出により低下した.しかし水中運動群の骨密度および筋重量は非運動群に比べ有意な高値を示した.腸管からのカルシウム吸収量においては, いずれの群も飼育期間中減少したが, 水中運動群は非運動群に比べ, その減少が有意に抑制された.また, 水中運動によりエネルギー代謝が充進された.以上より, 水中運動は, 閉経後の骨代謝の改善に効果的であることが示唆された.
  • 大野 佳美, 藤井 久美子
    1996 年47 巻12 号 p. 1181-1186
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    マイワシ (sardine, Sardinops melanostictus) の加熱処理 (蒸す, 焼く), 干物調製過程およびそれらの冷蔵保存 (5℃) 時における脂質成分の変動を調べた.処理過程中および保存中にトリアシルグリセロール, 不飽和脂肪酸が減少, 遊離脂肪酸ジーおよびモノアシルグリセロールが増加した.干物調製過程および保存中の脂質の過酸化物価, カルボニル価およびチオバルビツール価酸が著しく増加した (p<0.01), これらの結果から, マイワシの加熱処理および干物, それらの冷蔵保存中の脂質成分の分解が示唆された.
  • 吉川 秀樹, 田中 千栄, 倉田 明枝, 小垂 眞
    1996 年47 巻12 号 p. 1187-1191
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    ブロッコリーより精製された主要なトリプシンインヒビター, BTI-Iはウシおよびブタのトリプシンを阻害し, 阻害定数 (Ki) はそれぞれ6.4×10-11M, 6.7×10-11 Mであった. BTI-Iは各種の哺乳動物のトリフ.シンを阻害したが, 阻害程度には種による差が認められた.pH2-8の範囲では37℃, 24時間のインキュベーション後もBTI-Iの活性に変化はみられなかった.またBTI-IはpH2および7では100℃, 30分加熱後も活性の低下は少なかったが, pH10では5分で完全に失活した.BTI-Iはペプシンに比べてキモトリプシンによる消化を受けにくかった.
  • 中山 玲子, 菊崎 泰枝, 中谷 延二, 堀内 久志
    1996 年47 巻12 号 p. 1193-1199
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    フェンネル種子の熱水抽出物は, 水一エタノール系のリノール酸の酸化に対して合成抗酸化剤であるBHTとほぼ同等の強い抗酸化活性を示した.この抽出物から分離したメタノール可溶性区分をセファデックスLH-20カラムクロマトグラフィーで分画した.強い抗酸化活性を示すフラクションの精製を繰り返し行い, 数種の化合物を単離した.機器分析データの解析により, これらの化合物は4-O-β-D-グルコシルシナピルアルコール, 4, 9-di-O-β-D-グルコシルシナピルアルコールおよび4-β-D-グルコシルオキシ安息香酸と同定した.これらの化合物はいずれもコントロールに比べて, 酸化を抑制する効果を示した.
  • 三成 由美, 江頭 美和, 楠喜 久枝, 橋本 啓一, 田中 正己, 菅原 龍幸
    1996 年47 巻12 号 p. 1201-1211
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    遠赤外線放射物体ニューセラミックプレートの調理特性を明らかにするために, 試料甘藷を用いて検討した.加熱方法は, 放射特性の異なる3プレートを作製し, 加熱条件は同一放射照度6,500kcal/ (m2・h) で焼き操作実験をした。その結果, 放射特性の違いが, 食品の調理性に影響を及ぼすことが明らかとなった.つまり, 放射率の低いアルミプレートに比べ, 放射率の高い遠赤外線放射物体のニューセラミックプレート, および高効率放射物体の黒体プレートで加熱した場合の方が調理結果が優れていた.特に遠赤外線放射特性を持つニューセラミックプレートの調理効果が, 以下のように認められた. (1) 試料甘藷を40分加熱した場合の焼き色は, ニューセラミックプレートの試料が, 上層, 中層, 下層の3層ともに有意に強いことが明らかとなった. (2) 光学顕微鏡で甘藷の組織観察を行うと, ニューセラミックプレートの試料は細胞内のデンプン粒は完全に破壊されて, 内容物はかなり均一になっている.さらに細胞質が膨潤糊化したような組織形態を示し, 細胞の容積は大きく膨潤していた. (3) 試料甘藷を30分以上加熱した場合のテクスチャーは, ニューセラミックプレートの試料が有意に低い数値を示し, やわらかく焼けていた.これらの結果から, 遠赤外線放射特性を持つニューセラミックプレートの放射加熱は甘藷を加熱するにおいて, 他の放射特性を持つ二つのプレートに比べ, 調理効果があることが明らかとなった.
  • 常圧加熱の場合
    下坂 智恵, 下村 道子, 寺井 稔
    1996 年47 巻12 号 p. 1213-1218
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    近年, 日本では, 骨粗鬆症の原因ともなるカルシウムの摂取量の不足が問題となっている.日本人は, 昔から魚を多く摂取しており, 骨ごと食べられる小魚は, 重要なカルシウム供給源の一つといえる.そこで本研究では, 魚の骨を利用するための基礎的な研究として, 魚の骨を水中で加熱したときの物性および成分の変化について調べようとした.マアジの骨を, 水中で数時間加熱し, レオメーターを用いて破断強度を測定した.魚骨の無機成分は, 高周波誘導結合プラズマ (ICP) 発光分析法により測定した.マアジの骨の厚さの80%まで圧縮するのに要する最大荷重は, 30分間で急激に低下し, その後も加熱時間が長くなるにつれて徐々に低下した.加熱時間が長くなるとともに, 魚骨のタンパク質は減少し, 加熱液中のタンパク質は増加した.マアジの骨は, 加熱時間が長くなるとともに軟化したが, カルシウムの大部分は, 魚骨に残っていた.水中で加熱したマアジの骨が軟化したのは, 骨のタンパク質の一部が加熱液中に溶出し, 骨の構造が変化したことによるのではないかと考えられる.
  • 松本 寿昭
    1996 年47 巻12 号 p. 1219-1225
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 陸川 キヨシ
    1996 年47 巻12 号 p. 1227-1228
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 大竹 美登利
    1996 年47 巻12 号 p. 1229-1230
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    「情報」というとコンピュータを思い浮かべることが多いが, 「情報」とは「判断を下したり, 行動を起こしたりするために必要とされる報せ」で, もともとは生物の誕生にその起源は始まるともいわれ, コンピュータと直結していないことはいうまでもない.だが, 今日の情報はコンピュータを抜きに語れないことも確かである.
    情報が集積され, 特定の目的に役立つように抽象化され一般化された情報が知識である.知識を理論化し, 体系づけたものが科学である.人間は, 人類の長い歴史の中でこれらの情報を伝達し, 知識として蓄積し, 科学として発達させた.文字の発明や, 磁気, 電子, 電波による情報の蓄積・伝達技術の発達は, 情報の量と早さを爆発的に増大した.情報の蓄積や伝達, さらには多量な情報データの中から必要な情報を探したり, 多量のデータの演算をする道具として, コンピュータが必需品になりつつある.
    そこで, 家庭科教育の活性化にむけて, 情報の取捨選択, 処理, 判断の道具として, 生徒の学習意欲を引き出す道具として, コンピュータ利用の可能性について考えてみたい.
  • 西成 勝好
    1996 年47 巻12 号 p. 1231-1238
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 阪神・淡路大震災に関する関西支部 (被災地域) 会員第2次アンケート調査報告 [その2] -震災1年後の調査-
    丹羽 雅子, 朴木 佳緒留, 今井 範子, 長嶋 俊介, 西村 一朗
    1996 年47 巻12 号 p. 1251-1256
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    調査内容はその1・表1に示したが, その2では, 残りの調査内容すべてを報告する.調査の概要, 回答者の概要については, その1を参照されたい.
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