日本家政学会誌
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51 巻, 2 号
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  • 和田 光弘, 黒瀬 恵, 中村 章子, 黒田 直敬, 谷川 美保子, 中島 憲一郎
    2000 年51 巻2 号 p. 115-120
    発行日: 2000/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    A simple and rapid flow injection analysis (FIA) with fluorescence detection was developed for the determination of nitrite in meat and fish products (e.g., ham and sausages). 1, 2-Diamino-4, 5-dimethoxybenzene (DDB) was used as the fluorogenic reagent, and the carrier solution was 0.05 mm DDB in 0.5 M sulfuric acid which retained its availability for at least 48 h after preparation. The DDB derivative was monitored at 402 nm (ex. at 311 nm). The calibration curve for standard nitrite ranging from 023 to 4.60 μg/ml showed good linearity (r= 0.998) between the concentration of nitrite and the fluorescence intensity. The limit for the detection of nitrite was 51 ng/ml at a signal-to-noise ratio of 3. The amount of nitrite in meat and fish products ranged from 7.8 to 24.1 μg/g. Good correlation (r = 0.991) was obtained between the proposed method and spectrophotometry by using a fish product spiked with a known concentration of standard nitrite.
  • 加藤 陽治, 田中 順子
    2000 年51 巻2 号 p. 121-127
    発行日: 2000/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    人参, 牛蒡, 玉葱, ブロッコリー, ほうれん草, 胡瓜および林檎の各水不溶性食物繊維が, in vitroにおけるグルコースの拡散速度に与える「煮沸操作」の影響を調べた.
    (1) いずれの水不溶性食物繊維でも, グルコースのin vitroにおける拡散阻害能が煮沸により増加した.
    (2) その増加は熱水可溶性画分ではなく熱水不溶性画分に主に依存した.しかし, 共存する熱水可溶性画分が, 熱水不溶性画分のもつ阻害能を増加させるものと, 減じさせるものとの二つのタイプがあることがわかった.前者に人参, 牛蒡, 玉葱, ブロッコリーが, 後者にほうれん草, 胡瓜, 林檎が, それぞれ属した.
    (3) いずれの場合でも熱水可溶性画分はペクチン様物質から成っており, 煮沸時間の増加に伴いその量も増加した.その分子量分布を調べると, 分子量4万以上のものが, 人参, 牛蒡, 玉葱, ブロッコリーでは約50%を占めていたが, ほうれん草, 胡瓜, 林檎では 10%以下であった.
    (4) このことから, 煮沸により可溶化する水不溶性ペクチン様物質の分子量が小さい (煮沸操作により低分子化しやすいペクチン様物質) 場合は, それが熱水不溶性画分構成多糖間で形成されている種々の架橋構造の空隙に入り込み, 熱水不溶性画分のもつ拡散阻害能を減じさる.一方, 煮沸により可溶化するペクチン様物質の分子量が大きい (加熱により低分子化しにくいペクチン様物質) 場合は, 高分子ペクチン様物質と熱水不溶性画分の両者の阻害能が相俟って効果の増加がみられると考えた.
    本報文の一部は第40回および41回日本家政学会東北・北海道支部研究発表会において報告したものである.
  • 貝沼 やす子
    2000 年51 巻2 号 p. 129-135
    発行日: 2000/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    (1) 米を60℃の温水に30分浸漬する方法では, 常温 (25℃) 浸漬法に比べて低温保存中の米飯の重量減少, かたさの増加が小さい傾向がみられ, 特に米飯粒表層部におけるかたさ, 粘りの変化が少なかった. また, 浸漬液中への糖の溶出も多く, 特に, グルコース量の顕著な増加が認められた.
    (2) 浸漬液を60℃の温水に取り替えて炊飯した米飯の方が, 低温保存中のかたさの増加が大きかった.浸漬液中に溶出した糖には低温保存中の米飯の老化を抑制する効果がある程度期待できるのではないかと考えた.
    (3) 常温浸漬法と温水浸漬法の併用により, 浸漬液中への糖の溶出は促進され, 両浸漬法の併用は, 低温保存中の米飯の老化抑制に有効であると考えられた.
  • 木村 友子, 佐々木 弘子, 菅原 龍幸
    2000 年51 巻2 号 p. 137-145
    発行日: 2000/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    蒟蒻の製造時に生ずる飛粉を有効に利用する目的で, 超音波照射導入のアルコールによる飛粉の精製ならびにその精製飛粉添加がパンの品質に与える影響を検討した.
    (1) 飛粉の良い精製条件は, 25%エタノール水溶液を用い精製温度30℃設定, 超音波照射10分間と5 分間処理の2段階法であった.精製飛粉の素材Aは無照射2段階処理法の素材Bに比べ特有な臭気は緩和され, 茶褐色が残るものの褐変が抑制される傾向にあった.この素材Aの成分は素材Bに比べて炭水化物, タンパク質, 食物繊維, 無機成分を同程度含有していて精製によるロスは少ないと判断された.したがって, 新食品素材として有用であることが認められた.
    (2) 飛粉素材A7%添加パンは色が薄い茶褐色であるが, 比容積は平均5.0, 気孔も均一で, 内相は軟らかく弾力があり歯切れの良さを持ち, 官能検査の総合的評価は無添加パンよりも好まれ, 最も良好であった.しかも食パンの4日間保存ではAw値は 0.93~0.94を保持し, 外観的な老化現象は大きく進まなかった.したがって, パンに対する品質改良を認めた.
  • 森 俊夫
    2000 年51 巻2 号 p. 147-156
    発行日: 2000/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    Gray scale image analysis was applied to evaluate visual textures of 29 kinds of lace patterns. The mean gray level value was obtained from the gray level image. The angular second moment, contrast, correlation and entropy extracted from the gray level co-occurrence matrix were measured as textural feature parameters. The fractal dimension was determined from the fractal analysis of the relief of the curved surface of the gray level image. These image information parameters are useful for the visual evaluation of lace patterns. In this study, the identification of a visual evaluation system using neural networks was discussed. A high performance neuron training algorithm using a Kalman filter was introduced to tune the network in order to maximize the accuracy of the description of the visual evaluation system. The Kalman filter neuron training algorithm gives much better results than other neuron training algorithms. The trained neural network model was successfully implemented to show the feasibility of neural network applications for visual evaluation.
  • 田村 朝子, 長野 宏子, 中江 美和, 大森 正司, 庄司 善哉, 荒井 基夫
    2000 年51 巻2 号 p. 157-161
    発行日: 2000/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    (1) 水素産生細菌である, E. cloacae GAOの培養液の有機酸の挙動を分析したところ, コハク酸が生成されることが明らかとなった.これがE. cloacae GAO特有の性質であるかを確認するため, Enterobacteriaceaeの4種の細菌を用いて, 培養中における有機酸の生成量を比較した.その結果, どの細菌も培養にともなって, 有機酸を生成することが明らかとなった.特に, E. cloacae GAOとC. freundiiにおいて, コハク酸と乳酸の生成量が顕著であった.
    (2) 比較に用いた5種の細菌すべてに, コハク酸の生成が認められたことから, コハク酸生成と水素産生に関連のある酵素, α-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼの活性を, 粗酵素液を用いて比較検討した.その結果, コハク酸生成量の最も高かったE.cloacae GAOが総活性, 比活性においても最も高い値として示された.
  • つけ爪による検討
    植竹 桃子
    2000 年51 巻2 号 p. 163-169
    発行日: 2000/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    指先を用いる作業を行ううえで, 作業能率の低下をもたらさないで済む爪の伸びとはどのくらいなのかを求めることを目的として, つけ爪を用いて爪の伸びを4水準 (指先点から0mm, 2mm, 4mm, 6mm) 設定し, 4項目 (並縫い, 糸結び, 字を書く, 棒挿し) について実験を行い, 作業能率の変化を検討した.同時に, 簡単な官能調査も行った.被験者は, 日頃は爪を伸ばしていない成人女子4名である.結果は次のとおりである.
    (1) 「並縫い」では, 爪の伸び2mmまでは爪の影響はあまりないが, 4mm以上になると作業能率が低下する.「糸結び」では, 爪の伸びが2mm以上になると作業能率は明らかに低下する.「字を書く」では, 4mm以上になると手・腕に疲労をもたらす等の弊害が明らかに生じる.「棒挿し」では, 爪の伸び6mmで作業能率は明らかに低下する.
    (2) 「爪の伸び」と「被験者」を2因子とした分散分析の結果, 「爪の伸び」で有意性が認められたのは「並縫い」「糸結び」「棒挿し」であり, 「被験者」で有意性が認められたのは「並縫い」「字を書く」「棒挿し」であった.多重比較の結果, 爪の伸び0mmと有意に作業能率に差が生じるのは「糸結び」では2mmから, 「並縫い」「棒挿し」では4mmからであった.
    (3) (1) および (2) から, 学生が講義の授業を受ける場合には, 爪の伸びは2mm以下が望ましい.被服を造形する実習授業を受ける場合には, 2mmでは伸ばしすぎで0mmが望ましい.爪の伸び2mmは, おしゃれ心や女心として魅力を感じる長さに匹敵する.
    (4) 若年者では, 伸びた爪を上手に利用して作業を行おうとする姿勢が見られること等を考慮すると, 被服領域の教員としては爪を伸ばすことを否定するだけではなく, 正しく手作業を行うように教育することを目指した爪の伸ばし方の指導が必要だと考える.
  • 兵庫県内高校生の居住地別, 建物被害の有無別防災対応
    佐々木 貴子, 小河 達之, 田中 洋子, 貴田 康乃
    2000 年51 巻2 号 p. 171-180
    発行日: 2000/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    兵庫県内高校生の自宅建物および自室内部の被害状況や地震による精神面への影響, 震災前後の防災対策に関する知識の有無や対策の有無等について, 居住地や建物被害の有無別に分析した結果, 以下のことが導き出された.
    (1) 「被災地」では61%が「全壊・半壊・全焼・一部損壊」の建物被害を受けた.「被災地外」では「一部損壊」が11.5%みられた.
    (2) 「被災地」で自宅に被害を受けた者は, 後片づけに対して大きな負担を感じていた.
    (3) 「被災地」で自宅建物に被害を受けた者は, 地震による精神的な衝撃が強く, 1年の時が経過しても心の傷は癒えていなかった.
    (4) 高校生の自室内には多くの家具類や家電機器類があり, 防災対策の必要性が認められた.
    (5) 震災前, 高校生の大部分は防災対策に関する知識に乏しく, 対策も実施していなかったが, 震災後は知識や対策実施率が増加した.特に, 「被災地」ではその増加率が大きかった.
    (6) 高校生の大部分は, 学校でも防災対策に関する学習を必要としている.
    先に行った調査においても, また今回の調査においても, 防災対策に関する学習の必要性を多くの人々が支持していた.また今回の高校生の防災対策実施率の低さから考えても, いつ起こるかわからない災害に対して, 自分や家族, 地域の人々の生命を守るための防災教育を早急に行うことを痛感する.さらに, 災害にあった子どもへの心身の健康問題の支援.指導も見逃すことのできない今後の課題であると考える.
  • 坂井 正子
    2000 年51 巻2 号 p. 193-194
    発行日: 2000/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    「現代アジアの女性作家秀作シリーズ」の刊行を始めたのは17年前のことである.
    これまでに11力国の11冊を出したが, 読まれた方はあまりいないと思う.なにしろ一人の出版社ゆえPR活動が行き届いていないのである.
  • 塩谷 壽翁
    2000 年51 巻2 号 p. 195-201
    発行日: 2000/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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