日本家政学会誌
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42 巻, 3 号
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  • 自由摂取時の影響
    徐 栄珠, 塚本 幾代, 三好 正満
    1991 年 42 巻 3 号 p. 211-218
    発行日: 1991/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    本研究では, さといもレクチンをカゼイン食に混合し自由摂取させることにより, そのマウスに対する抗栄養作用を調べた.この研究の目的は, マウスに対するさといもレクチンの生体での栄養効果の知見を得, あわせて運動量やエネルギー代謝に対する影響を調べることであった.約159の雄マウス (ddY) に粗レクチンか純レクチンを6ないし9日間摂取させた.1日の平均摂取量は, 粗レクチンが142.1mg, 純レクチンが71.5mgであった.毎日の体重と摂食量を測定し, 期間終了後は臓器重量を測定, 小腸の組織像も顕微鏡下で観察した.今回の実験結果からレクチンの毒性について次のような結論を得た.レクチンを餌に混合して与えると小腸における栄養素の吸収率が低下し, 次第に, 摂食量が低下し成長も悪くなり, それに伴い運動量やエネルギー代謝量も低下する傾向がある.
  • 岸田 恵津, 織部 ミチ子, 小城 勝相
    1991 年 42 巻 3 号 p. 219-222
    発行日: 1991/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    ダイズ油の酸化において生成するマロンジアルデヒド (MDA) を, われわれが開発したHPLC法で特異的に定量し, MDA, チオバルビツール酸反応生成物 (TBA-RS) とトコフェロールとの量的関係を検討した.ダイズ油を170℃で加熱すると, MDAとT8A-RSはともに増加し, TBA-RSはMDAの約2倍であった.これらの増加に伴い, トコフェロールは速やかに減少した.
    一方, ラジカル開始剤を用いて40℃で酸化すると, TBA-RSは反応初期の段階に急激に増加したが, MDAの増加とトコフェロールの減少は, TBA-RSの変化に対応しなかった.TBA-RSに対するMDAの割合は, 1時間後の17%から4時間後には42%まで, 時間経過とともに増加した.
    以上の結果より, ダイズ油の酸化では, MDAの増加とトコフェロールの減少がよく対応したが, TBA-RSは異なる挙動を示すことが明らかになった.
  • 渕上 倫子, 岸上 洋子
    1991 年 42 巻 3 号 p. 223-229
    発行日: 1991/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    レンコンは比較的少量のガラクツロン酸 (未熟レンコン100g中に213.7mg, 完熟レンコン100g中に233.5mg) を含有していた。ペクチン性多糖を分別抽出すると, 希塩酸可溶性区分 (pA) : 酢酸塩緩衝液可溶性区分 (pB) : ヘキサメタリン酸ナトリウム可溶性区分 (pC) は, 未熟レンコンで30.3% : 56.0% : 13.8%, 完熟レンコンで15.2% : 45.3% : 39.5%であった.未熟レンコンのペクチン性多糖のエステル化度は完熟レンコンのそれより高かった.pA, pB, pCのDEAE-セルロースカラムクロマトグラムは未熟レンコンと完熟レンコンで異なった.レンコンのペクチン性多糖のおもな中性糖はガラクトースであった.1時間加熱調理すると, 未熟レンコンのほうが完熟レンコンより軟化しやすく, 調理後のpAも多かった.一方, pB, pCは未熟レンコンより完熟レンコンのほうに多量残存していた.完熟レンコンのほうが未熟レンコンよりpB, pC (低エステル化度) を多く含むため, 加熱によりトランスエリミネーションを起こしにくく, 軟化しにくいものと思われる.
  • 渕上 倫子
    1991 年 42 巻 3 号 p. 231-239
    発行日: 1991/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    タケノコ (単子葉植物) が加熱により軟化しにくい原因を解明する目的で, タケノコのペクチン性多糖をシュウ酸ナトリウム溶液で抽出し, ダイコン (双子葉植物), アスパラガス (単子葉植物) との比較を行った.ダイコン/アスパラガスはシュウ酸ナトリウム溶液 (pH4.0) 中で1時間加熱すると軟化したが, タケノコは1時間加熱を10回繰り返した後でも, 軟化は不十分であった.さらに, 0.1N水酸化ナトリウム溶液に室温で1日浸漬してはじめて軟化した.タケノコのペクチン性多糖はダイコン, アスパラガスと比べて少量であり, 中性糖の割合が多かった.これらの野菜のペクチン性多糖のDEAE-セルロースカラムクロマトグラムはおのおの異なった.タケノコのペクチン性多糖をシュウ酸ナトリウム溶液で抽出後, 0.1N水酸化ナトリウム溶液中に室温で1日浸漬後, 浸漬液をpH4にすると, ガラクチュロン酸を多く含む多糖が沈殿した.このペクチン性多糖はキシロースを比較的多く含んでいた.タケノコが軟化しにくいのは, シュウ酸ナトリウム溶液で抽出しにくいペクチン性多糖を含むためと思われる.
  • 加藤 陽治, 金成 智子, 渡辺 敏幸
    1991 年 42 巻 3 号 p. 241-249
    発行日: 1991/03/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    ゴボウとヤマゴボウの炭水化物組成の比較を行うため, それぞれの脱脂粉末試料を熱水, 4%KOH, 24%KOHで順次抽出分画し, 得られた各画分を糖組成分析, 糖結合様式分析等に供した.ゴボウおよびヤマゴボウの両者とも貯蔵多糖としてフラクタンを有しており, フラクタンと細胞壁多糖の割合は前者で47 : 53, 後者で66 : 34であった.また, 細胞壁多糖は, ペクチン様物質 (中性糖を含むラムノガラクチュロナン) とヘミセルロース (アラバン, キシラン, ガラクタン, アラビノガラクタンそしてキシログルカン) とセルロースから成っており, これらの比率はゴボウで53.6 : 8.0 : 38.4, ヤマゴボウで55.8 : 7.2 : 37.0であった.
    ヤマゴボウの食物繊維としての効果は, これまで知られているゴボウのそれと同じであることが期待される.
  • 松生 勝, 沢渡 千枝, 柳田 直子, 森川 友紀子
    1991 年 42 巻 3 号 p. 251-264
    発行日: 1991/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    分子量9.8×104のナイロン6フィルムを用いて, 50℃および180℃の乾燥機中で, (最高) 5倍にいたる各延伸倍率まで伸張し, その後180℃で20分間熱処理した.最高延伸倍率は延伸条件に依存した.この原因をX線広角回折, 小角X線散乱, 小角光散乱法によって, 延伸フィルムのモルフォロジーとの関連において解析した.その結果については, さらに市販溶融紡糸繊維のモルフォロジーと力学的性質との比較において検討した.
  • 山田 幸二, 水野 時子
    1991 年 42 巻 3 号 p. 265-270
    発行日: 1991/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    バター, マーガリン摂取による, 血漿コレステロール濃度の変動に及ぼす摂取タンパク質の種類と含量の影響を, 0.5%コレステロールと0.25%コール酸ナトリウムを含む飼料を投与し検討した.
    (1) 成長と飼料摂取量はバターとマーガリンによる違いはないが, 摂取タンパク質の種類と含量による影響が大であった.
    (2) カゼイン, 分離大豆タンパク質, 卵アルブミンと日本家政学会誌 Vol.42 No.3 (1991) も血漿コレステロール濃度はバターに比べマーガリンで低値を示した.しかし, 小麦グルテンではバターとマーガリンによる違いはなかった.
    (3) 血漿コレステロール濃度は, カゼイン, 分離大豆タンパク質とも10%群に比べ25%群で低値を示したが, 卵アルブミンは10%群に比べ25%群で上昇した.小麦グルテンはタンパク質含量による血漿コレステロール濃度への影響はなかった.
    (4) 肝臓コレステロール含量はバターとマーガリンによる影響より, 摂取タンパク質含量の影響が大であった.
    (5) カゼイン25%群, 卵アルブミン25%群の場合, 肝臓トリグリセリド含量はバターに比べマーガリンで上昇した.
    以上の結果, 摂取脂肪による血漿コレステロール濃度の変動は, 摂取タンパク質の種類や含量によって異なることが示唆された.
  • 佐藤 之紀, 高田 昌子, 野口 駿
    1991 年 42 巻 3 号 p. 271-274
    発行日: 1991/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    豚肉を用いて, ゆで調理および炒め調理における脂質の挙動を検討し, 次の結果を得た.
    (1) 豚肉中の脂質はゆでることによってある程度除くことができる.この際溶出するのは特定の脂質ではなく, 残留する脂質と脂肪酸組成は同じである.
    (2) 炒め操作によってかなりの量の脂質が流出する.表面に付着する脂質を除くと, 炒め油の肉中への侵入は認められなかった.
  • 佐藤 之紀, 高田 昌子, 野口 駿
    1991 年 42 巻 3 号 p. 275-278
    発行日: 1991/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    ドーナツ調製時における油脂の移行状態を調べるためにドウ配合油脂として揚げ油と脂肪酸組成を著しく異にするヤシ油を用いて検討し, 次の結果を得た.
    1. ドーナツの吸油量は脱脂乾操物重量当たりで比較すると配合油脂量に関係なくほぼ一定で, その値はドーナツの大きさに伴って小さくなる.
    2. ドウ中に配合された油脂は揚げ操作中にその一定割合が揚げ油中に流出し, 揚げ油の一定量がドーナツ中に移行する.すなわち, ドーナツ調製時には油脂の交換が行われている.
    3. ドーナツ調製時の脱水量は脱脂乾燥物当たりで比較すると, 配合油量に無関係にほぼ一定で, その値はドーナツの大きさが大きくなると小さくなる.
    4. ドーナツの含水量や含油量は他の要因があまり変わらない場合にはドーナツの大きさ, したがって, 比表面積に大きく支配される.
  • 北海道女子短期大学服飾美術科の「全体の経緯」について
    石垣 和子
    1991 年 42 巻 3 号 p. 279-283
    発行日: 1991/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 那須野 昭文
    1991 年 42 巻 3 号 p. 283-286
    発行日: 1991/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 八尋 俊子, 高野 エツ
    1991 年 42 巻 3 号 p. 287-288
    発行日: 1991/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 1991 年 42 巻 3 号 p. 293
    発行日: 1991年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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