日本家政学会誌
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56 巻, 8 号
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  • 片山 倫子, 小林 茂雄
    2005 年 56 巻 8 号 p. 495-496
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 3ライフ・5ウェア・5ヒエラルキーモデルを用いた「ライフ・キャリア」平等論の展開
    森田 美佐, 長嶋 俊介
    2005 年 56 巻 8 号 p. 497-502
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    従来の男女平等アプローチでは, 平等の結果が労働者個人やその家族・家庭生活にもたらす影響について, 十分な議論がなされていない.本研究の目的は, 男女平等アプローチに個人・家族成員の福祉(well-being)を保障する視点から, 日本の雇用労働者の実質的男女平等に向けた理論展開を試みることである.本研究は, 厚生経済学のケイパビリティ(潜在能力)アプローチを生活経営の視点から検討した.その結果, 「人間(Human)」を「3側面の存在(再生産的・生産的・文化的存在)」, 「ライフ(Life)」を「生命・暮らし・人生」の側面から捉え, 3Life(生命・暮らし・人生)をもつ人間の「キャリア」を「ライフ・キャリア」と定義した.そして「ライフ・キャリア」を平等指標とした.この指標は「3つの人間発達」の質向上と換言できる.この平等指標に向けて, 本研究ではCo-governanceの構築を提言した.Co-governanceとは, 営利企業と労働者・家族の対等な関係性(Partnership)の構築に向けた, 企業と非営利企業(労働組合, NGO, NPO, ボランティア団体等)との連携(Membership), 企業と国家との連携(Citizenship)を指す.Co-governanceの実践は, 営利企業を, 一般社会に開かれた, 社会的責任を果たす主体として存在させ, 企業と労働者および家族との対等性, 労働者と家族・家庭生活の質の保障に貢献する可能性をもつ.
  • 松尾 眞砂子
    2005 年 56 巻 8 号 p. 503-509
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    アカパンカビで発酵させた大豆とおからの9 : 1混合物を使った塩分4%味噌(LO1-味噌)の苦味を抑え, 和洋両風料理に利用でき, 健康維持に役立てるため, LO1-味噌と同じ原料を使って塩分6%の味噌(MO1-味噌)を調製した.官能検査によるとMO1-味噌は香りは弱いが, 苦味が無視できる程度に弱く, それで調理した和食・洋食料理はいずれも美味しいと評価された.MO1-味噌はイソフラボンのアグリコン量が6%大豆味噌(MC-味噌)より多かったが, LO1-味噌より少なかった.MO1-味噌の苦味の弱さと調理した料理の高い嗜好性は, LO1-味噌よりイソフラボンのアグリコン量が少ないことによるものであろう.MO1-味噌の70%エタノール抽出物のDPPHとスーパーオキシドアニオンの消去力と抗変異原性は水抽出物より著しく強く, それらの消去力は加熱の有無にかかわらずMC-味噌よりはるかに強かった.MO1-味噌のこれらの高い機能性は, イソフラボンのアグリコン含量がMC-味噌より多いことによるものであろう.これらの結果は, MO1-味噌がMC-味噌より健康的に有用であろうことを示していた.
  • ガンガ 伸子
    2005 年 56 巻 8 号 p. 511-519
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    The objective of this paper is to analyze the food consumption patterns during two periods of 1980-1989 and 1990-2002 by estimating a Linear Approximate Almost Ideal Demand System (LAIDS) model. The author used the workers' household data from 10 districts compiled in Annual Report on the Family Income and Expenditure Survey. Empirical results show that cooked food and food away from home (FAFH) were luxury items in 1980-1989. But it is to be noted that the cooked food failed to respond either to income or to price change during 1990-2002, the fact of which shows that the cooked food became a necessity in the dietary life. Cooked food and beverages including alcoholic beverage became strong substitutes for FAFH during this period, and the cross price elasticities of these items became higher during this period than in 1980-1989. Complementing FAFH were cereals and fruits. The expenditure share of fish and shellfish in Kanto tended to be smaller than in any other districts during 1990-2002. On the other hand, FAFH share in Kanto tended to be higher than in any other districts.
  • 石川 周子
    2005 年 56 巻 8 号 p. 521-531
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2010/04/23
    ジャーナル フリー
    This study examines the effect of children's involvement in community activities on life satisfaction. In addition this, the author also examines whether or not family characteristics moderate the association between children's involvement in community activities and life satisfaction. This study draws on data from “Survey in Primary and Middle School Students' Lives and Attitudes” by Youth cultural studies meeting in 1995. The author studied the data on 3, 083 fifth graders in primary school. The results of the study suggested that children's involvement in community activities was positively associated with life satisfaction. Moreover the effects were more remarkable for those children with lower emotional closeness to other members of their family. These findings indicate that children's involvement in community activities were significant for mental health in Japan. Moreover it is safe to state that children's involvement in community activities may substitute the role of family for child-rearing.
  • 樫野 悦子, 藤井 富美子
    2005 年 56 巻 8 号 p. 533-539
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    3種類のシクロデキストリン(α-, β-, γ-CD)を用い, 油性物質として, コレステロール, トリオレイン, アルキル鎖長の異なる飽和脂肪酸のラウリン酸, ミリスチン酸, パルミチン酸, ステアリン酸, 及び不飽和脂肪酸のオレイン酸の7種類を用いて, CDによる油性物質の包接について検討した.
    CDを水に溶解し, 油性物質をエタノールに溶解した後, 両者を混合して包接し, 包接された油性物質を溶媒に溶解してTLG-FID法により, それぞれの油脂成分を定量した.
    α-CDは, オレイン酸を包接するがコレステロール, トリオレインを包接しなかった.β-CDは, コレステロールを包接した.γ-CDは, オレイン酸, コレステロール, トリオレインを包接した.これらの結果よりCDは油性物質を選択的に包接することがわかった.
    α-CDによる脂肪酸の飽和包接量及び結合定数は, 脂肪酸の鎖長の増加につれて増大し, 鎖長が長いほど安定な包接化合物となった.一方, β-CDとコレステロールの系での飽和包接量は, β-CDの水に対する溶解度が低いため少ないが, 結合定数は大きく, コレステロールはβ-CDに安定に包接された.しかし, γ-CDと油性物質の系では, γ-CDの断面積が大きすぎるため, その包接量は全体に少ないことがわかった.
  • 献立におけるライフサイクルエネルギーの算出
    津田 淑江, 井元 りえ, 木下 枝穂, 大家 千恵子
    2005 年 56 巻 8 号 p. 541-551
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    献立のライフサイクルエネルギー, すなわち生産, 輸送, 調理, 廃棄エネルギーについて検討した.そして, 献立のライフサイクルエネルギーと摂取エネルギーを比較検討した結果, 以下のことが明らかとなった.
    1. 献立のライフサイクルエネルギーは摂取エネルギーよりも多い.現代の食生活は多くのエネルギー消費の上に成り立っていることが明らかになった.
    2. 旬の食材は施設栽培食材より生産エネルギーが少ない.旬産旬消の良さが確認された.
    3. 輸入の食材や国産の長距離輸送の食材は, 近県産に比べ輸送エネルギーが大きい.地産地消, 旬産旬消の良さが確認された.
    4. 調理においては, 蓋の有無や火加減調節による適切な調理方法を行うことが環境保全につながることが明らかとなった.
    5. 廃棄においては, エコクッキングに努めゴミをなるべく出さない工夫が環境保全につながることが示された.
    6. 旬産旬消, 地産地消, 適切な調理方法や廃棄方法を選択することが環境保全, 持続可能な食生活の実践につながることが示唆された.
  • 長野 宏子, 丸山 (塩谷) 一代, 堀 光代, 粕谷 志郎
    2005 年 56 巻 8 号 p. 553-558
    発行日: 2005/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    ブータンの乳発酵食品乾燥チーズ(テッパ)より微生物の分離・同定, 産生酵素の特徴およびその安全性を検討した.
    (1) 乾燥チーズ(テッパ)抽出液の微生物の増殖試験の結果, Bocillus 属, Enterobacteriaceae 科, Lactobacillus属, Stapkylococcus 属, Yeast, 糸状菌類の生育がみられた.
    (2) プロテアーゼ活性の強い酵素を産生する菌株 (96-BHU-003) を乾燥チーズ(テッパ)より分離した.その菌株は, グラム陽性菌でありBacillus lentusと同定した.
    (3) 分離したBocillus lentusは, プロテアーゼ活性の強いBacillus subtilis (FS-2)と同様, 乳たんぱく質αs-カゼインに分解能を示した.
    (4) マウスを用いた安全性試験の結果, 体重・内臓重量の変化は認められなかった.
  • 2005 年 56 巻 8 号 p. 559
    発行日: 2005年
    公開日: 2010/03/10
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