日本家政学会誌
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41 巻, 12 号
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  • 岡島 史佳, 富田 守
    1990 年 41 巻 12 号 p. 1131-1135
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    在宅ねたきり老人の介護のモデル実験を行うことによって以下の結果が得られた.
    (1) 介護作業のエネルギー代謝率は平均で4以上となった.これは, 一般の家事労働に比べ著しく大きい値である.
    (2) エネルギー代謝率を寝台の高さ, すなわち作業面でみると, ベッド高65cm<ベッド高50cm<床上, となり, 在宅ではごくふつうの床上が, 最も作業負担の大きいことがわかった.
    (3) 作業別にみると, 仰臥位から側臥位へ<椅子への移動<起き上がり, の順であった.
    (4) 表面筋電図法によって脊柱起立筋の働きを, 各作業面にて比較すると, 作業面が低いほど腰痛の原因となる活動休止期がみられた.
  • 辻 昭二郎, 中谷 文子
    1990 年 41 巻 12 号 p. 1137-1142
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    他のでん粉と比べて比較的低濃度でもゲル構造が形成され, 加熱条件と添加物に対して敏感なジャガイモでん粉のりの, 物性とのり化特性を多重バイト試験法で検討解析した。また, コーンプレート型の粘度計によるみかけの粘度の値とも一部比較した.
    (1) コーンプレート型粘度計は, ジャガイモでん粉の場合, 比較的低濃度ではみかけの粘度測定がスムースにできるが, 濃度が3.5%以上になると十分な対応ができないことが示された.これに対し, 多重バイト試験法によるみかけの粘度と関連するパラメーター (-Aav) はでん粉濃度4.3%の場合も精度よく測定できることが示された.
    (2) ジャガイモでん粉のりはきわめてのり化しやすく, 加熱時間40分の場合, 加熱温度70℃以上ではブレークダウンによりみかけの粘度が低下することが, 多重バイト試験法のパラメーターで示された.
    (3) 添加物として食塩を加えると, ジャガイモでん粉のりののり化とゲル化が抑制され, 加熱温度の上昇につれ無添加の場合のようにみかけの粘度は低下せず逆に上昇し, 加熱温度90℃でわずかに低下した.
    (4) 添加物として0.1%パルミチン酸ナトリウムを加えると, ジャガイモでん粉ののり化とゲル化が抑制され, 温度の上昇につれのりのみかけの粘度は上昇したが, とくに高温の90℃における上昇が大であった.これは, パルミチン酸ナトリウムはとくに高温の条件で, でん粉のりのゲル形成に寄与しているためと考えられる.
    (5) これらのジャガイモでん粉のりの温度条件や添加物による物性変化を, のりのみかけの粘性のみでなく, のりのみかけの弾性要素とも関連するパラメーター (たとえば粘着性) の変化でも検討した.その結果, パルミチン酸ナトリウム添加の高温の条件におけるのりの物性変化がより明瞭に示された.
    (6) 添加物の影響は, でん粉のりののり化特性と大きな関連をもっていることを, パルミチン酸ナトリウム添加の場合について, 加熱条件を変えたジャガイモでん粉のり, およびのり化特性が大きく変化した湿熱処理ジャガイモでん粉ののりなどについて示した.
    本報の一部は昭和63年度日本家政学会第40回大会および平成元年度第41回大会で口演発表した.
  • 葉菜類の鮮度に関する研究 (第1報)
    畑江 敬子, 酒井 光子, 島田 淳子
    1990 年 41 巻 12 号 p. 1143-1149
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    サラダ菜の品質に及ぼす冷蔵保存中の温度と湿度の影響を調べた.温度 (2, 5および8℃) および湿度 (40, 60および80%RH) を設定した冷蔵庫の野菜室に, サラダ菜を4および10日間貯蔵し, 重量, ビタミンC量, クロロフィル量および外観の変化を測定, 評価した.その結果次のことが明らかになった.
    (1) 貯蔵中の試料重量は, 最低温ならびに高湿度の環境で最もよく保持されていた. [2℃-80%RH] で10日間貯蔵の試料における重量保持率は86%であり, [8℃-40%] の試料における保持率57%に比べて約30%も多く保持された.
    (2) 総ビタミンCは, 2℃においてよく保持されており, 10日後には8℃の試料の2倍以上の保持率を示していた.しかし3湿度間に有意差はみられなかった.一方, 還元型ビタミンCには温度, 湿度ともに影響を及ぼしており, [2℃-80%RH] において10日後の保持率が24.4%であるのに対し, [8℃-40%RH] ではほとんどが失われていた.また, 外観の保持にかかわらず, 貯蔵日数が長くなると, ビタミンC量の減少はまぬがれないことが認められた.
    (3) クロロフィルの保持には高湿度環境が適しており, 80%RHの試料と40%RHの試料では, その保持率に10%程度の差があった.温度条件は2~8℃といずれも低温度域であったため, クロロフィルの保持に温度間の有意差はみられなかった.
    (4) 重量, ビタミンCおよびクロロフィルの保持率と, 外観の品質評価との間には高い相関がみられた.
  • 炊飯における蒸らし時間の延長の影響
    貝沼 やす子, 江間 章子
    1990 年 41 巻 12 号 p. 1151-1157
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    (1) 蒸らし時間が長くなるにつれ, 蒸発量は増加し, 炊き上がりの重量は減少した.しかし, 鍋の外に蒸発していく水分はしだいに減少し, 鍋のふたの内壁部に付着する水分が増加した.
    (2) 蒸らし時間の延長による鍋内空間部の温度低下により, もどり水が生じ, 鍋肌上部の飯の水分含有率はしだいに高くなり, 部位差が顕著になった.また, 鍋肌上部の飯はやわらかく, はりのない状態になった.
    (3) 蒸らし中の温度低下は, 蒸らし中および蒸らし後行う攪拌操作における水蒸気の放散の効率を低下させた.蒸らし30分 (空間部の温度75℃) のあたりからこの傾向は顕著にあらわれ, 蒸らし60分 (空間部の温度60℃) を過ぎると, ほとんど蒸発できなくなった.
    (4) 蒸発できずに残った水分を吸収した飯粒表層部の糊状物質は, 飯温の低下とともに流動性を失い, 飯粒同士を強固に接着させるものと思われる.その結果, 飯粒本来の粒としての特徴が失われ, テクスチャーの点での変化が顕著にあらわれた.
    以上のような性状の変化は, 蒸らし30分 (飯層中心部85℃, 鍋内空間部75℃, 鍋ぶた内壁温度73℃) を過ぎたあたりから問題になることがわかった.これらの温度は, 保温機能付き炊飯器に設定された保温温度に近く, たとえ自動炊飯器を使用した場合でも, 蒸らし操作を適切な時期に終了しないと, 米飯の食味を損うことになりかねない.炊飯の最後は, 水分の蒸発が都合よく行える適温での蒸らし操作を心がけることがたいせつであるといえる.
  • 下坂 智恵, 石田 優子, 下村 道子
    1990 年 41 巻 12 号 p. 1159-1167
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    マアジの片身肉を用い, 振り塩法と立て塩法によって干物を調製し, これら製造方法の異なる2種の干物のテクスチャーに違いがあるかどうか, それが好みにどう影響しているかを探ろうとして実験を行い, 以下の結果を得た.
    (1) 振り塩干物は, 塩漬処理中に水分の浸出による重量の減少があり, 乾燥処理においても水分減少率が大きかった.また, 立て塩 (干物では, 魚肉を15%食塩水に浸漬すると重量が増加し, 水分はわずかに減少していたが, 乾燥には長時間を要した.
    (2) 干物の硬さに, 振り塩干物では塩漬時間と乾燥時間が影響し, 立て塩干物では乾燥時間が影響していた.
    (3) 水分と食塩濃度がほぼ同じ立て塩法と振り塩法の2種の干物を用いて, テクスチャーの違いと嗜好との関係を官能検査によって調べると, 振り塩干物のほうが硬く, 総合的に好まれた.これら2種 (のテクスチュロメーターカーブを比較すると形が異なっており, テクスチャーの特徴が異なっていることが示された.振り塩干物は立て塩干物よりも硬さは硬く, もろさがあった.立て塩干物の乾燥時間を長くすると, 嗜好性が向上した.干物の嗜好性は, 硬さによるところが大きいといえる.
    (4) 肉の砕けやすさ度は, 振り塩干物のほうが立て塩干物よりも高く, 振り塩干物は砕けやすいことが示された.
    (5) 干物の表面の組織を顕微鏡で観察すると, 振り塩干物では表面近くの筋繊維が縮小して密になっており, 立て塩干物の筋繊維は膨潤して互いに密着していた.
    (6) 調製後保存0日の干物と保存3日間の干物を官能検査により比較したところ, 3日後のほうが硬く, 総合的にも好まれた.アミノ酸の増加は3日間の保存ではほとんどみられず, 硬さが上昇しており, この硬さの上昇が嗜好性を向上させたと考えられた.
  • -『防長風土注進案』の分析を通じて-
    五島 淑子
    1990 年 41 巻 12 号 p. 1169-1178
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    The purpose of this study is to make a quantitative study of local food and nutrition in Edo Period, based on a data base processed from “Bocho Fudo Chushin-an” (a geographical description and local history of Chasha-han compiled in 1840s). The average individual food supply (per capita per day) was estimated by dividing total food production estimated in the previous studies by population (523, 000) and further divided by the number of days per year (365). The individual nutrition supply was estimated in reference to Standard Tables of Food Composition in Japan (third edition).
    The daily food supply of individual can be summarized as follows : cereals, 465.1 g; sweet potatoes and starch, 71.9 g; nuts and seeds, 0.6 g; pulses, 22.6 g; fishes and shellfishes, 12.5 g; meat, 3.7 g; eggs, 0.1 g; vegetables, 179.5 g; fruits, 8.1 g; fungi, 0.2 g; algae, 1.0 g and beverages, 95 ml. This result shows that people in those days lived on rice and barley.
    The daily nutrition supply of individual was 1, 861 kcal of energy, 52.4 g of protein, 11.3 g of lipid, 284 mg of calcium, 10 mg of iron, 1, 603 I.U. of retional potency, 1.62 mg of thiamin, 0.66 mg of riboflavin and 100 mg of ascorbic acid. Cereals formed 86.4% of total energy, and lipid 5.5%. Animal protein was only 5.7% of total protein supply. It was clarified that their living depended chiefly on cereals.
  • タバコ火からの熱の伝播挙動について
    中西 茂子, 大河内 文子
    1990 年 41 巻 12 号 p. 1179-1185
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    火災の主要因の一つがタバコ火であることから, 繊維集合体中におけるタバコ火からの熱の伝播, 燃焼挙動を種々の条件下で検討して次のような結果を得た.
    (1) タバコ火からの熱は横方向に最も速く, 下方向に最も遅く伝播する.
    (2) 伝播時の最高温度は, わたを空気中に露出している場合のほうが被覆した状態より高く, とくに上方向が高い.しかし, 蓄熱量は被覆したほうが大きく, とくに上方向が大きい.被覆なしの場合の蓄熱量は下方向の放熱が少ないため最大となる.
    (3) わたの厚さの影響は, 厚くなると最高温度も蓄熱量も全体的に上昇するが, 最高温度は充てん密度が高くなると横ばい状態になる.厚さが4cm以上になると下方向伝播の温度は抑制されて, かえって低下の傾向を示す.しかし横方向は増加する.
    (4) わたの水分率の影響は, 充てん密度の低い場合は熱の伝播により水分が蒸発するため, 温度にも蓄熱量にもあまり影響がみられない.
    (5) 燃焼消失率は充てん密度が低いほど, 厚さが薄いほど, 水分率が高いほど低い傾向が認められたが, 充てん密度が0.06g/cm3以上になるとほとんど差がなくなり, 90~100%近くの燃焼率を示すようになる.
    (6) PET混綿の影響は, 混用率が高くなるにつれて最高温度も蓄熱量も全充てん密度領域にわたって低下する.燃焼率もPET混綿により低下し, とくに充てん密度の低いほど低下も大きい.
  • 毛布洗浄におけるすすぎ効果の比較
    土橋 明美, 高橋 睦子, 小沢 節子, 大熊 志津江, 林 雅子
    1990 年 41 巻 12 号 p. 1187-1193
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    新水流洗濯機4機種を用いて, アクリル毛布をメーカーの指示する方法にもとづき洗浄したさいの, 本洗い・すすぎ後の全残浴を回収して, HPLCにより残浴中の工ASを定量し, LAS回収率を求め, すすぎ水量とあわせてすすぎ効果を比較した.
    また, 被洗物として用いるアクリル毛布の界面活性剤LASのすすぎ性を調べるため, モデル洗浄により綿布・羊毛布・アクリル布・羊毛毛布・アクリル毛布等の試料布を洗浄して, LASの吸着性・脱離量・回収率を求め, これらの結果とあわせて検討した.
    結果は次のように要約される.
    (1) モデル洗浄系での各種繊維布のすすぎ性
    LASは羊毛繊維 (平織布・毛布とも) での吸着量が多く, これに対して綿・アクリル繊維への吸着量は少ない.また, アクリル・綿繊維はLAS回収率が高く, すすぎ効果がかなり良い.
    (2) 洗濯機洗濯におけるアクリル毛布のすすぎ性
    毛布のように大物を洗浄する場合のすすぎ効果は, 各社が改良した水流の影響以上に本洗い後のすすぎ方式の影響が大きい.さらに洗濯ネット使用の有無の影響が大きいことが明らかとなった.
    洗浄効果・すすぎ効果ともに, 風合いなどの性能保持および操作性などを総合して良い効果をあげるためには, さらに洗浄行程中の脱水について, また使用する洗濯ネットの形・大きさ・メッシュの粗さ, 洗濯ネットへの毛布の入れ方, などについて検討をする必要があると思われる.
  • -若年女子について-
    服部 由美子
    1990 年 41 巻 12 号 p. 1195-1204
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    スカート着用時のシルエットを客観的に評価するための基礎資料を得る目的で, 18~20歳の女子短大生229名を対象に, ウエストラインより下方の身体計測を行い,.胴部から大腿部へかけての周径・横径・厚さ項目に, 縦断形態に関係する各部位間の差および床面からウエストラインまでの垂直距離と体表に沿った長さの差, 横断形態に関係する横矢示数を取り上げて, 因子分析・クラスター分析を適用して, 下半身形態の類型化を試みた.
    その結果, 28項目のもつ情報をウエストラインから大腿部へかけての「下半身全体の大きさ」, 「下半身の厚さ」, 「脇線の弯曲」, および「側面からみた腰・腹部の形状」に関係する8因子に要約したかたちで, 因子得点をもとにk-means法と対比しながらWard法を用いて, クラスター数13に分類した.そのうち, ウエストラインから大腿部へかけての「下半身全体の大きさ」が小さい人については2クラスター, ほぼ平均的な人については8クラスター, 大きい人については3クラスターが得られた.これらのクラスターから得られた身体寸法は, 胴囲と腰囲またはそのどちらかの寸法がほぼ等しい場合でも, 各部位間あるいは横径と厚さのバランスが異なることが示され, ウエストラインから大腿部へかけての下半身の大きさと形態を考慮して, スカート着用時のシルエットをとらえるための基礎資料を得ることができた.
  • 永井 房子, 田中 百子
    1990 年 41 巻 12 号 p. 1205-1212
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    Many ways of seam-finishing are used in sewing. The opening of a seam is one of them. For the most part, the seam-finishing brings about a loss in the width of sewn fabric. In this paper, the loss phenomena in the opening of a seam were investigated.
    The results obtained are as follows :
    (1) The loss in the width of a sewn fabric increases as the number of the stitch or the seam line increases.
    (2) The loss in the width of a sewn fabric increases as the thickness of fabric increases.
    From these results, it is considered that the loss in the width of sewn fabric could be prevented if the number of seams, the stitch density and the thickness of fabric were taken into consideration in pattern-making and dress-making.
  • -短寸式作図法の検討-
    三吉 満智子, 中本 節子
    1990 年 41 巻 12 号 p. 1213-1223
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    A basic pattern making of upper trunk (short-measurement drafting system) was conceived using only human body measurements. We presumed that a closely and simply covered garment was a nearly developable surface similar to polyhedron, and applied the principles of surface development method, with the consideration of the characteristics of fabrics and the simplicity in clothing pattern making. Body measurements, drafting and wearing tests were done. Waist line was assumed as horizontal. Body surface lengths which use for drafting of development were measured with a measuring tape. Plan views for development were made by the horizontal cross-sections of different parts of upper trunk being drafted by 3-dimensional measuring apparatus. Basic pattern contour was drafted using width of pattern determined by the plan views and tape-measured values. Waist darts, from plan views, were entered in basic pattern. The test was conducted on the right half of body, using nine plasters models and one “body.”
    Results were found mostly appropriate, but some shortage was noted in outside cloth due to sewing allowance. In conclusion, extra 0.1-0.2 cm was added to 4 items of shoulder part. The reported system will effectively serve not only for individual pattern makings, and for the determination of data notation of upper trunk models, but also for the correction of proportionally-drafted basic patterns and scrutiny of drafting systems.
  • 友松 滋夫, 加藤 保子
    1990 年 41 巻 12 号 p. 1225-1235
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    (1) 昭和61年から62年にかけて, 愛知県下で購入した持ち帰り弁当56個に含まれる栄養価を「栄養分析ソフト」を用い, 四訂食品成分表に基づいて求めた.弁当に含まれる栄養素を20歳日本人女子の栄養所要量 (1日の1/3) と比較検討した.
    (2) 56個の弁当の栄養所要量に対する充足率は, エネルギー, タンパク質などは充足していたものの, 無機質, ビタミン類の充足率は低かった.とくにカルシウム, 鉄, ビタミンAを充足している弁当は, 2, 3個にすぎなかった.
    (3) 弁当に使用されている食品数は, 14.7種類とかなり多いものであったが, 六つの基礎食品に分類してみると一, 五群に偏っており, 二, 三群に属する食品の使用はきわめて少ないものであった.
    (4) 持ち帰り弁当を選択するさいには, より多数の食品が使用されているものを選び, かつ二, 三群の食品を用いた一品を追加して利用すると微量栄養素も摂取できるようになる.
  • 今井 哲夫, 角田 由美子, 岡村 浩
    1990 年 41 巻 12 号 p. 1237-1244
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 小林 三伸, 中村 善彰, 佐谷戸 安好, 中室 克彦
    1990 年 41 巻 12 号 p. 1245-1249
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 西出 伸子, 関口 典子
    1990 年 41 巻 12 号 p. 1251-1258
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    昭和45年以降に購入し, 1~13年使用し続けた6台の家庭用二槽式電気洗濯機について, おもな消費性能を測定した.実験に供した洗濯機数は少ないが次の傾向が読みとれた.
    (1) 回転速度の測定から, 通常の使用方法なら洗濯機本体は実用的浴比で2,000時間の使用に耐えうるものもあった.各家庭では使用頻度が異なるので耐用年数は, 延べ使用時間のような表現が行われるようになれば消費者が理解しやすくなる.
    (2) 洗濯機を衛生的に使用するために, 合成洗剤を使用しても溢れ口カバーをはずし清掃する必要がある.カバー着脱が簡単な構造への改良が望ましい.また, 洗濯機の極端な軽量化は, 脱水時に激しい振動を経験したので防震構造の配慮が欲しい.
    (3) 二槽式洗濯機の洗濯方式は, 反転, 渦巻の強弱4水流から, 実際に家庭で使用されており洗浄効果が優れた反転の強弱2水流に整理され, 低価格化の実践が納得できた.
    (4) 回転速度は, 洗浄力と洗濯物の損傷との両者に相関関係が認められる.15年間にパルセータの回転速度は大きく低下している.洗浄方式を渦巻から反転に変え, 洗濯槽の壁面に凹凸を作るなど洗濯物の損傷が少なく洗浄力を上昇させる努力が行われているが, その効果はあまり大きくない.よい洗浄力を期待するならば, ある程度の布の損傷は避けられないが, 消費者は洗浄時間で洗浄力を調節できるので洗浄力を知る目安として回転速度が明示されれば役立つであろう.
  • 金田 利子
    1990 年 41 巻 12 号 p. 1271-1274
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • (社) 日本家政学会編集委員会 , 中間 美砂子, 武藤 八重子, 天野 寛子
    1990 年 41 巻 12 号 p. 1275-1284
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2010/04/23
    ジャーナル フリー
    多忙な先生方に, 限られた紙数で, 貴重な研究成果やご意見・提案をしていただいたことに, 心から感謝いたします.
    「21世紀の家庭生活に向けて」アプローチしなければならない課題が多く重大であることを再認識させられました.
    また, 会員の方々から, ご意見をいただいたことにも感謝しています.こうしたシリーズがきっかけになって学際的な研究が行われるようになったり, 意見が活発化するようになることを願っています.
    企画が不十分で, もっととりあげておかねばならなかった領域もあるように思います.そうしたご意見もお寄せいただければ今後の編集に役立てさせていただきたいと思っています.
    家政学の研究がますます活発になり, 研究成果が社会に還元されていくことを期待して, この〈人間シリーズ〉「21世紀の家庭生活に向けて」を終わりたいと思います.
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