栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
27 巻, 8 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 千畑 一郎, 伊藤 博, 江馬 正弘
    1974 年 27 巻 8 号 p. 363-374
    発行日: 1974/12/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
  • 片岡 栄子, 岡田 千代子, 栂野 豊明
    1974 年 27 巻 8 号 p. 375-379
    発行日: 1974/12/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    アシルアミノ酸の栄養学的意義を追究する目的で, まず天然物中のアシルアミノ酸の存在を確認するために, 夏みかん果汁上澄液からイオン交換樹脂を用いてアシルアミノ酸を分画した。これをアミノアシラーゼにより確認し, さらにペーパークロマトグラフィー, アミノ酸アナライザーを用い, けん化したアシルアミノ酸区分に存在するアミノ酸を追究した。
    この結果, 夏みかん果汁上澄液には, threonine, proline, glutamic acid, glycine, serine, aspartic acid, alanine, lysineのアミノ基を構成成分とするアシルアミノ酸の存在が認められた。
  • 山田 幸二
    1974 年 27 巻 8 号 p. 381-385
    発行日: 1974/12/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 他養的増殖クロレラで飼育した白ネズミの成長, 飼料効率は, きな粉やカゼインと同等の効果がみられた。
    2) 他養的増殖クロレラのたん白質の真の消化吸収率は, 10%たん白質レベルで82~84%であった。 黄色クロレラ (クロレラIII) と緑色のクロレラ (クロレラIとクロレラII) との差はみられなかった。
    3) グルコースを炭酸源として培養したクロレラ (クロレラI), 酢酸を炭素源として培養クロレラ (クロレラII), 酢酸を炭素源として培養した黄色クロレラ (グロレラIII) の生物価はおのおの65.8, 68.5, 55.2であった。
  • 岩見 公和, 安本 教傳, 満田 久輝
    1974 年 27 巻 8 号 p. 387-391
    発行日: 1974/12/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    レンチニン酸 (lentinic acid) およびその構成“新含硫アミノ酸 (des-Glu-lentinic acid) ”から酸加水分解および熱分解によってホルムアルデヒドの生ずることを示し, 衛生試験法に定める水蒸気蒸留法に従ったとき, 食品によっては本来含まれないにもかかわらず, 実験操作中の人為的要因によって過量のホルムアルデヒドを測ることになる実例を示した。 試料を直接アセチルアセトン法によって測定すればその誤りは避けられるが, ニンニクやタマネギ抽出液のように磨砕したまま放置しておくと, 濃く着色するものでは盲検値が高くなりすぎて測定値の正確を期しがたい。 n-ブタノールやiso-アミルアルコールを用いれば, ホルムアルデヒドとアセチルアセトン, アンモニアの縮合物質3, 5-diacety1-1, 4-dihydro-lutidineのみほぼ完全に転溶される。 そこで, それらアルコールによる抽出操作を取り入れたアセチルアセトン改良法の適用によって植物性食品中に含まれるホルムアルデヒドの定量を行ない, 一般によく摂取されるキャベツ, ニンジン, タマネギ等蔬菜類の人体に対する安全性に問題はないが, シイタケでは酵素反応によって多くのホルムアルデヒドが生ずることを確認した。
  • 岩見 公和, 安本 教傳, 満田 久輝
    1974 年 27 巻 8 号 p. 393-397
    発行日: 1974/12/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    シイタケ子実体磨砕液にC-S lyaseの活性を含むγ-glutamyl transpeptidaseを加えたときホルムアルデヒド生成量は著しく増加するが, 両酵素にそれぞれ特異的な阻害剤hydroxylamineやserine-borate mixtureの存在下では生成がかなり抑制されることを認め, ホルムアルデヒド生成に対する両酵素の重要性を明らかにした。 また, γ-glutamyl transpeptidaseの作用によってレンチニン酸からグルタミル基を離脱させた「新含硫アミノ酸」がC-S lyase (あるいはalliinase) の作用をうけて生ずるホルムアルデヒドは, 基質分解量とピルビン酸生成量に等しく, システィニルS-置換基部分に由来することを推定した。 さらに, des-Glu-レンチニン酸に対するC-S lyaseの反応性を調べ, 最適pHが8~9にあって著しく高い親和性 (apparent Km; 6~70μM) を有することを示した。 このように, シイタケ子実体を磨砕したり, 乾燥品を水戻しする際に著量 (およそ240ppm) 生成したホルムアルデヒドは, レンチニン酸を出発物質としてフレーバー生成に関与する少なくとも2種類の酵素, すなわちγ-glutamyl transpeptidaseとC-S lyaseの共役反応後にレンチオニン生成に至ると同じ経路から派生したものである証拠を与えた。
  • 武田 茂, 金田 尚志
    1974 年 27 巻 8 号 p. 399-404
    発行日: 1974/12/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    コレステロールを添加 (0.5%) または添加しない飼料に, 大豆油の自動酸化油, 熱酸化重合油, 熱重合油を4%加え, ラットを4週間飼育し, 変敗油の血漿および肝臓のコレステロール, 肝臓脂質構成脂肪酸への影響を検討し, つぎの結果をえた。
    1) 筆者らの実験条件下では, 自動酸化油, 熱酸化重合油, 熱重合油は, ラット血漿コレステロールに大きな影響を与えなかった。
    2) 熱酸化重合油, 熱重合油を与えたラットの肝コレステロールは新鮮油に比べ減少した。
    3) 高自動酸化油を与えたラット肝臓脂質構成脂肪酸中C18: 2酸の割合は減少したが他の変敗油の給与による変化は認められなかった。
  • 辻 啓介, 堀江 祥允, 辻 悦子, 鈴木 慎次郎
    1974 年 27 巻 8 号 p. 405-411
    発行日: 1974/12/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    コンニャク精粉が内因性コレステロール代謝に及ぼす影響を調べた。
    1) あらかじめ含コレステロール飼料で10日間飼育して高コレステロール状態にしたラットに無コレステロール飼料を投与すると, 血清および肝コレステロール値は正常レベルにもどるが, その回復はコンニャク精粉の添加により明らかに促進された。
    2) 最初から無コレステロール飼料にコンニャク精粉を添加してラットを10日間飼育しても, 血清および肝コレステロール値はコンニャク精粉無添加対照群と比べ差はなかった。このとき, in vivoおよびin vitroでの2-14C-酢酸からの肝コレステロールへの取込みは促進されたが, 26-14C-コレステロールの呼気炭酸ガスへの分解には変化がなかった。
    3) 以上の結果から, 消化管内でコレステロール代謝に影響を及ぼすコンニャク精粉に体内の高コレステロール値を積極的に正常レベルに回復させる効果があるが, 正常値をさらに低下させる効果はなかった。この理由としてコンニャク精粉には腸肝循環性コレステロールの小腸での再吸収阻害作用があり, この作用による損失を肝臓における代償的な合成促進により代謝調節しているものと推定される。
  • 飯岡 邦夫
    1974 年 27 巻 8 号 p. 413-417
    発行日: 1974/12/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    ソルビン酸は保存料として, もっとも多種の食品に使用されている。その測定法には紫外部吸収法と比色法とがあり, 食品の現場試験には後者が用いられている。
    保存料の使用が許可になっている生姜の加工品, すなわち, その酢づけやみそづけ中のソルビン酸を測定した場合, HBAを用いる比色法のみが高い数値を示す。これは生姜中に本来含有される類似呈色反応成分の妨害によるものであり, この成分は食品の透析, 蒸留あるいはエーテル抽出など, いずれの操作においても量的な相違はあるが, ソルビン酸と完全に分別することはむずかしい。
    生姜中HBAのによる呈色成分を薄層クロマトグラフィーで調査すると, ソルビン酸と異なる3種のスポットが認められる。なお, 薄層クロマトグラフィーによるソルビン酸の特異検出法として, HBAによる反応を利用することができる。
    香辛料のある種のものも, HBAにより呈色する成分を含有するが, これらを使用した食品ならびに上記生姜加工品などにおいては, TBAを用いる比色法によれば問題はない。ただし, 油脂性食品では, その分解生成物がTBAと反応し, ソルビン酸と同様の呈色をすることが報告されているので注意を要する。
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