日本家政学会誌
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42 巻, 5 号
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  • 平井 信義
    1991 年 42 巻 5 号 p. 401-404
    発行日: 1991/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 大学生の老人イメージ
    竹田 久美子, 細江 容子, 袖井 孝子, 鄭 淑子, 徐 柄淑
    1991 年 42 巻 5 号 p. 405-413
    発行日: 1991/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    本研究は, 同じアジア圏に位置し, 儒教文化圏に属しながらもそれぞれ独自な文化を築き, 社会経済的要因においてもいくつかの相違点がみられる日本・台湾・韓国の3力国においてそれぞれの国の大学生が老人に対してどのようなイメージを抱いているのか, そしてそのイメージはどのような要因によって規定されているのかを明らかにすることを目的として行われた.
    結果は以下のとおりである.
    (1) 日本・台湾・韓国の大学生がもつ老人イメージは, 3力国ともにどちらかといえば否定的であり, とくに「地味な」, 「保守的」, 「非生産的」, 「遅い」などのイメージが強い.
    (2) 測定された老人イメージを因子分析したところ, 因子に現れた老人イメージの中で, 3カ国に共通するのは, 「活動・自立性」と「客観性」, 「協調性」に対する評価が低い点と, 「温和性」に対する評価が高い点である.すなわち, 日本・台湾・韓国の大学生は「非生産的で依存的であり, 協調性に欠けるが温和で優しい」というイメージを共通して抱いている.
    (3) 各国の老人イメージの特徴としては, 日本の場合「非生産的」, 「遅い」, 「弱々しい」などの世の中の進歩に取り残された老人の否定的なイメージが強いことがあげられる.韓国の学生の老人イメージの中からは, 「偉大性」因子が特徴的なものとして抽出され, 「立派で, 賢く, 偉大な存在」というイメージがあることが明らかにされた.台湾においては「不自由な-自由な」, 「内向的-外向的」, 「弱々しい-たくましい」などの項目に対する評価が日本や韓国に比べてかなり肯定的であり, 自己を積極的に表現していくようなイメージが読み取れる.
    (4) イメージを規定する要因を1元配置分散分析により検討したところ, 韓国においては「祖父母との同居経験」, 日本においては「祖父母との会話」, 「祖父母の思い出」の影響が強く認められ, 社会が近代化するにつれて, イメージを規定するものは規範的要因から個人的愛着による要因へと変化することが明らかになった.
    (5) 老人イメージを形成する重要な要因として3力国に共通してあげられるのは「老人や老人問題への関心」である.この要因は, 産業化の度合いや敬老思想の強弱にかかわりなく老人イメージを規定する重要な要因である.
    今後, 台湾・韓国においても産業化, 都市化が急速に進むと思われる.現在両国の大学生の老人イメージを規定している規範的要因が, 今後の社会の変化の中でどのように保たれていくのか, あるいは日本と同様に個人的要因に取って代わられるのか, さらに注目していきたい.
  • 紫外線照射によるキノコ類の効果的利用 (第3報)
    桐渕 壽子
    1991 年 42 巻 5 号 p. 415-421
    発行日: 1991/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    日光や紫外線照射によるビタミンD2含有キノコの呈味に関係のある遊離アミノ酸含量について検討し, 調理上利用できるか否かを検討し次のような結果を得た.
    (1) 本研究で使用したシイタケ, ヒラタケ, エノキタケのうちで遊離アミノ酸含量の最も多いのはヒラタケで, 次いでエノキタケ, シイタケの順で, それぞれ乾物あたりで, 6,370, 2,730, 2,180mg%であった.いずれのキノコもグルタミン酸が最も多く含まれている点が共通しており, アミノ酸組成のパターンは比較的類似していた.
    (2) 3時間日光に曝すと遊離アミノ酸は増加したが, アミノ酸組成間に顕著な変化はなかった.そして大まかにみると, うま味や甘味を呈するアミノ酸の量がやや増加し, 苦味を呈するアミノ酸の割合がやや減少している傾向がみられた.
    (3) 紫外線照射 (3時間) ではエノキタケでは遊離アミノ酸は増加したが, 日光の場合より少なく, シイタケ, ヒラタケでは減少した.いずれのキノコもアミノ酸組成間の顕著な変化はなかったが, この場合もうま味や甘味を呈するアミノ酸の割合はやや増加し, 苦味のアミノ酸はやや減少していた.
    (4) 熱風乾燥, 天日乾燥により遊離アミノ酸量は著しく増加し, 天日乾燥のほうがいっそう顕著であった.とくにシイタケではグルタミン酸の量に著しい増加がみられた.
    (5) 紫外線照射したキノコは数日間はアンモニアの生成量に変化はなく, 鮮度を保つのに効果があるように思われた.
  • 柴田 克己
    1991 年 42 巻 5 号 p. 423-426
    発行日: 1991/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    When various kinds of meats were fried at around 200°C, the nicotinamide contents in deep-fried meats decreased compared with those in fresh meats. It was found that this was due to leaking the nicotinamide contained in meats into oil, but not the destruction of nicotinamide. The leak of nicotinamide into oil did not occur when the oil containing meat was kept at room temperature. When a test tube containing around 2 g piece of meat was added into 5 ml of corn oil and put into oil bath (200°C) for 5 min, 10-20 % of nicotinamide contained in meat was leaked into the oil.
  • 中村 泰彦
    1991 年 42 巻 5 号 p. 427-433
    発行日: 1991/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    普通の大豆とエイジング処理した大豆に対する塩の軟化効果を試験し, 以下の結果を得た.
    (1) 試験した陰イオンにはいずれにも軟化作用が認められ, その効果は概して陽イオンよりも大きかった.陰イオンの中では, 炭酸水素イオンが群を抜いて軟化作用が強く, つづいて多価カルボン酸, 1価カルボン酸の順であった.
    (2) 陽イオンでは, アルカリ金属はいずれも軟化作用を示したが, アルカリ土類金属は組織を硬くするように作用した.2価の鉄は普通の大豆に対しては軟化促進的に働くが, エイジング大豆では逆に組織を硬くした.
    (3) 食塩や第一鉄塩は単独では軟化作用はそれほど強くなかったが, 両者を組み合わせると軟化の強い相乗効果が認められた.
    (4) 塩溶液浸漬による豆からのCa2+の溶出の程度と煮豆の軟らかさとは比例関係にあったが, 炭酸水素塩や第一鉄塩は特異であった.
  • -低温貯蔵中の品質劣化に対する食塩の抑制効果-
    大羽 和子, 勝 孝子, 小野 真知子
    1991 年 42 巻 5 号 p. 435-440
    発行日: 1991/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    (1) シロギス鮮魚肉のATP, ADP, AMP, IMPの総量はヌクレオチドおよび関連化合物の総量の85%に当たる7.9μmol/gであり, その内IMPが90%以上を占めた.イノシン (HxR) とヒポキサンチン (Hx) の合計量は1.4μmol/g (総量の15%) であった.すり身を冷蔵するとHxRやHxが徐々に増大し, 13日後にHxの量が約90%を占めた.食塩添加すり身を貯蔵した場合はHxRの生成はあったが, Hxの生成は抑制され, 13日後も全体の40%であった.ソルビトール添加すり身の値は無添加すり身と食塩添加すり身の値の中間値であった.冷凍貯蔵の場合, ソルビトールの添加の有無にかかわらず食塩無添加すり身ではヌクレオチドの減少も少なく, HxRやHxの増加も少なかった.食塩添加すり身では10日頃からHxRの増加がみられたが, Hxの生成はなかった.
    (2) すり身を食塩無添加で冷蔵, 冷凍貯蔵すると, 魚肉だんごの破断応力が新鮮魚肉で作っただんごの50~60%に低下したが, 食塩添加すり身で貯蔵すると破断応力の低下はまったくなかった.ソルビトールの添加効果は顕著でなかった.
    (3) 魚肉だんごの官能検査の結果, すり身を冷蔵した場合は食塩添加すり身のほうが歯ごたえ, 弾力, きめ, 総合評価で無添加のものより高く評価された (p<0.01).冷凍貯蔵の場合も食塩添加のものが歯ごたえ, 弾力の点で高く評価された (p<0, 01).ソルビトールの添加効果は顕著でなかった.
    以上の結果から, 魚肉すり身に食塩を添加して貯蔵するとHxRからHxへの分解が抑制されること, また魚肉だんごの物性・食味特性の低下も抑制されることが明らかになった.
  • -新形質米のプロフィル-
    阿久澤 さゆり, 澤山 茂, 川端 晶子
    1991 年 42 巻 5 号 p. 441-450
    発行日: 1991/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    種を異にする米の食味特性と嗜好性を検討する目的で, 米の形状試験, 白飯のテクスチャー測定および, セマンティック・ディファレンシャル (SD) 法による官能評価とその因子分析を行い, 次の結果を得た.
    (1) 米粒の形状は, ジャポニカは丸く, インディカは細長く, 新品種はその中間の粒形だが, 粒幅, 粒の厚さはインディカに近似し, やや細長い形状として分類された.炊飯試験の残存液の性状は, 新形質米のpHは中性であり, 濁度, 溶出固形物は, ジャポニカに比較して低い値であったが, ヨード呈色度は近似していた.
    テクスチャー特性値では, ジャポニカにのみ, 付着性とねばりの特性が認められ, 新形質米は, 弾力性が認められたが, 付着性, ねばりは認められなかった.
    (2) セマンティック・ディファレンシャル (SD) 法による白飯の食味特性の強弱および嗜好テストを行ったところ, ジャポニカが外観, 風味, 食感について嗜好性が高いことが示され, インディカと新形質米は近似していた.白飯の食味特性の特徴を因子分析 (主因子法) により抽出した結果, 第1因子は外観, 食感の因子, 第2因子は味の因子であった.また, 嗜好テストでは, 第1因子は味, 食感, 外観, 第2因子は香りの因子であった.また, 第1, 第2因子得点を審査員別, 米の品種別に求め, 2次元空間図上にプロットし, それらの相互関係を知ることができた.
    (3) 米料理の嗜好を調べる目的で, 最もポピュラーなカレーライス, 妙め飯の代表的なバターライス, 冷たい料理としてのサラダを選び, ジャポニカのコシヒカリ, インディカのシャム米, 新形質米の関東154号を用いて嗜好テストを行った結果, ノミターライスでは3試料間に有意の差が認められ, コシヒカリが最も好まれたが, サラダでは試料問の差は認められなかった.
  • 防炎加工わた中におけるタバコ火からの熱の伝播挙動
    中西 茂子, 大河内 文子
    1991 年 42 巻 5 号 p. 451-458
    発行日: 1991/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    This paper deals with burning and smoldering behaviors of flame retardant finished fiber assemblies. The results obtained are summarized as follows :
    On the combustible behavior in fiber assemblies finished with various kinds of flame retardants, both maximum temperatures and heat accumulation are remarkably depressed compared with those of unfinished fiber assemblies, especially in the horizontal direction. The depressed effects of inorganic flame retardants are larger than those of organic ones, especially, combinations of boric acid and borax give the largest effect.
    As to the effect of the flame retardant finishing on cotton/PET blended fiber assemblies, depressed effect of heat transmission slightly decreases with increase in ratios of PET because of ineffectiveness of flame retardant finishing on PET.
    In the case of bedding, flame retardant finishes for both ticking and fiber assemblies are required. to attain sufficient flame retardancy. It has been also confirmed that even inorganic nondurable flame retardants hold sufficient effect against a short time immersion in water and dry cleaning.
  • イメージを構成する主要因子とデザインとの関連
    渡辺 澄子, 川本 栄子, 中川 早苗
    1991 年 42 巻 5 号 p. 459-466
    発行日: 1991/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    若い女性向けの服装雑誌より選んだ服装スタイル写真304サンプルをもとに, 服装のイメージを測定してイメージを構成している主要な因子を抽出し, それらの因子に影響しているデザイン要素について因子分析をもとに検討した結果, 次のような知見が得られた.
    (1) 服装のイメージを構成している主要な因子は, 「カジュアル」, 「目立ち」, 「洗練性」, 「軽快さ」, 「親しみ」の5因子であった.
    (2) 各因子に大きく寄与しているデザイン要素は, カジュアル因子については下衣の形, 上衣のデザインディテール, 上衣の形, 目立ち因子については下衣の形, 上衣の色相, トーン, 洗練性因子については上衣の色相, 下衣の形, 軽快さ因子では上衣の色相, 下衣の色相, 上衣のトーンであった.
  • 田附 きつ
    1991 年 42 巻 5 号 p. 467-473
    発行日: 1991/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    今回, 大薯Dioscorea alata L.および自然薯Dioscorea japonica THUNB.で調製した饅頭の皮のテクスチャー, 膨化性を測定し, 官能評価を行ってこの結果に及ぼすこれら種の組織, 成分, 粘度等の影響を観察検討した.
    (1) 大薯, 自然薯両種とも, すりおろしの流動特性は降伏値をもつ擬塑性であった.両種とも粘性係数μは近似し, 自然薯栽培はわずかに高い.粘性係数μと澱粉含量との相関性はとくに高く, 粗タンパク質のそれもかなり高い.粘度に影響を及ぼす因子として澱粉・粗タンパク質含量があげられる.
    (2) 饅頭の皮のテクスチャーの硬さは両大薯が最も軟らかく, 次に自然薯栽培で, 同自生は最も硬い.保存後には両大薯とも硬くなり, 両自然薯は変わらない.付着性は今回の両種ともナガイモ種よりいちだんと低い.保存後には両大薯はとくに低く, 次いで自然薯自生で, 比較的減少しにくいのは同栽培である. テクスチャー影響因子としては組織の硬軟がある.粘性係数μとテクスチャーの相関性は低かった.
    (3) 膨化性の大きい順は自然薯栽培, 同自生, 両大薯で, 比容積と澱粉, 粗タンパク質, 粘性係数μとのそれぞれの相関性は非常に高く, したがってこの三者は膨化性に密接な影響を及ぼしている.
    (4) 饅頭の皮の官能評価順位表では大薯は泡状, ふくれ, 軟らかさ, ばね状, しなやかさ, 同著者はふくれ, ばね状, しなやかさがいずれも上位で有意であった.両自然薯のいずれも官能評価の順位に有意差はなかった.また官能評価平均順位と硬さとの相関性はしなやかさ, ふくれは非常に高く, 泡状, 軟らかさもかなり高く, 付着性のふくれも同様負の相関性で相当高かった.
    (5) 大薯切片の顕微鏡組織は細胞膜が切断され, 細胞組織が軟らかく, 自然薯自生は同栽培より澱粉は細長く細胞膜は明瞭で最も組織が硬い.すりおろしのそれぞれは細胞膜がゆるみ, 澱粉粒はくっきりと表層部にみられ, 種の切片に準じた差異を示し, テクスチャーに関与している.
  • -中村学園大学-
    楠 喜久枝
    1991 年 42 巻 5 号 p. 475-478
    発行日: 1991/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 1991 年 42 巻 5 号 p. 500
    発行日: 1991年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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