脳卒中
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40 巻 , 4 号
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原著
  • 新井 直幸, 笹原 篤, 米山 琢, 関根 千晶, 菊池 麻美, 高橋 祐一, 横佐古 卓, 𠮷村 知香, 大渕 英徳, 広田 健吾, 萩 ...
    2018 年 40 巻 4 号 p. 243-248
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/25
    [早期公開] 公開日: 2017/07/11
    ジャーナル フリー

    今回,我々はbranch atheromatous disease(BAD)の初診時のCT 灌流画像の平均通過時間における梗塞巣の左右差ならびにMRI による梗塞巣のサイズ,危険因子について検討を行った.その結果,レンズ核線条体動脈領域の梗塞については,症状の増悪は梗塞巣のサイズによらず,症状の増悪例は全例MTT にて左右差を認めており,このような症例は症状の増悪に備えた治療が必要であると考えられた.

  • 梶本 隆太, 下田 健太郎, 加納 利和, 古市 眞
    2018 年 40 巻 4 号 p. 249-254
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/25
    [早期公開] 公開日: 2017/08/09
    ジャーナル フリー

    脳動脈瘤に対するクリッピング術は,長期の再出血防止効果を有すると知られているが,少数ながら再発例が存在する.再発例に対するコイル塞栓術の効果について検討した報告は少ない.1998 年から2016 年の間に当院にてコイル塞栓術を施行したクリッピング術後再発例を対象とし,脳動脈瘤の特徴,周術期合併症,再発までの期間,塞栓の程度および転帰について検討した.6例中4 例で完全閉塞を達成し,手技による合併症を認めなかった.初回治療から再発までに約5 年間,破裂までに約15 年間を要することが示唆された.クリッピング術後の再発瘤に対するコイル塞栓術は安全で有効な治療法と考えられた.クリッピング術後も長期のフォローアップが必要である.

  • 山路 千明, 前島 伸一郎, 中川 裕規, 稲本 陽子, 渡邉 誠, 園田 茂
    2018 年 40 巻 4 号 p. 255-259
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/25
    [早期公開] 公開日: 2017/08/09
    ジャーナル フリー

    日常会話で明らかな問題を示さない軽度の失語症を見過ごさないために他の神経心理学検査を用いた代わりの方法について検討した.対象は標準失語症検査(Standard Language Test of Aphasia: SLTA)総合評価尺度が10 点であった脳卒中患者33 名で,失語症に特徴的な症状の有無から失語群と非失語群に分け,種々の神経心理学検査の得点を比較検討した.その結果,失語群は非失語群に比べ,Frontal Assessment Battery とWord Fluency Test で低値を示した.決定木分析を実施したところ,Word Fluency Test の結果により失語症の有無を判別できる可能性が示唆された.

症例報告
  • 植村 順一, 北野 貴也, 城本 高志, 久保 智司, 和田 裕子, 木下 景太, 宇野 昌明, 西村 広健, 八木田 佳樹
    2018 年 40 巻 4 号 p. 260-264
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/25
    [早期公開] 公開日: 2017/07/11
    ジャーナル フリー

    症例は67 歳女性.左手足の動かしにくさを自覚し,当科を初診した.軽度の左片麻痺があり,頭部MRI 拡散強調像で左前頭葉に高信号域を認め,脳梗塞と診断した.脳血管造影検査で右内頸動脈起始部に軽度(North American Symptomatic Carotid Enderterectomy Trial: NASCET 42%)の狭窄性病変を認めた.再発予防として抗血小板療法を開始したが,第81 病日に右中心前回に脳梗塞を再発した.頸部血管超音波検査では頸動脈狭窄部の狭窄度やプラーク形状に変化を認めなかったが,造影超音波検査を追加したところプラーク表面に潰瘍形成を認めた.同部位のプラークはMRI block blood(BB)法ではT1 強調像で高信号を呈していた.プラーク性状より再発リスクが高いと考えられたことから頸動脈内膜剝離術を行う方針とした.剝離されたプラーク表面に潰瘍を確認した.頸動脈造影超音波検査は頸動脈病変に対する治療方針決定に有用であることが示唆された.

  • 橋川 拓郎, 上瀧 善邦, 菊池 仁, 坂井 英生, 中川 摂子, 高橋 研二, 中島 進
    2018 年 40 巻 4 号 p. 265-269
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/25
    [早期公開] 公開日: 2017/07/11
    ジャーナル フリー

    症例は9 歳男児.突然の右不全麻痺,意識障害を呈し当院へ救急搬送され,左被殻出血の診断で入院となった.出血の原因を探るべく造影CT・MRI・脳血管撮影を施行したが,血管異常は指摘できなかった.初診時より異常に血圧が高く,降圧剤持続投与を要し血圧調整に難渋した.2 回目の脳血管造影検査で多発性・微小脳動脈瘤が新たに出現した.二次性高血圧の精査を行うと右腎動脈遠位部の高度狭窄が明らかとなり,腎動脈の経皮的血管形成術を施行.その後血圧は著明に改善し,降圧剤は不要となった.腎動脈狭窄および多発する微小脳動脈瘤の存在から一元的にFibromuscular dysplasia(FMD)を強く疑った.文献的考察を加えFMD が原因と疑われる腎性高血圧症を呈した小児脳出血を報告する.

  • 佐々木 貴浩, 戸村 九月, 岡田 秀雄, 辻 栄作, 林 宣秀, 桑田 俊和
    2018 年 40 巻 4 号 p. 270-274
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/25
    [早期公開] 公開日: 2017/07/11
    ジャーナル フリー

    症例は79 歳女性.3 時間前からの左片麻痺を主訴に救急搬送された.MRI で右中大脳動脈近位部閉塞に伴う梗塞像を認め,rt-PA 静脈内投与とPenumbra システムによる血栓回収術で再開通を得た.翌日のMRI で梗塞巣は放線冠と被殻に限局し,術後10 日にmodified Rankin Scale 1 で自宅へ退院したが,退院2 カ月後に意欲低下を発症した.T2 強調画像,FLAIR 画像で右中大脳動脈灌流領域の白質に新規高信号域を認めた.病変部のmagnetic resonance spectroscopy でcholine/creatine 比の上昇,N-acetylaspartate/creatine 比の低下を認め,神経細胞の破壊,脱落が示唆された.急性期血栓回収術による再開通を得た場合でも,遅発性に白質病変が生じることがあるため,注意深い経過観察が必要と考えられた.

  • 松本 昌泰, 久保 慶高, 幸治 孝裕, 吉田 純, 小笠原 邦昭
    2018 年 40 巻 4 号 p. 275-279
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/25
    [早期公開] 公開日: 2017/07/11
    ジャーナル フリー

    症例は65 歳男性.64 歳時に多発性の脳塞栓症を発症し,Direct oral anticoagulant(DOAC)の内服が開始された.その時の精査にて未破裂脳動脈瘤を認め,クリッピング手術を行った.術前3日目にDOAC 内服を中止し,ヘパリンを投与した.術中は左前頭葉の軟膜血管からの出血を認めたが,その部位以外に脳表の出血は認めなかった.術直後,術翌日のCT において頭蓋内出血を認めなかったため,術後20 時間後にヘパリン投与を行った.また,ヘパリン投与10 時間後にDOAC を再開し,その14 時間後にヘパリンを中止した.ヘパリンブリッジ中止24 時間後(DOAC 再開38 時間後)に突然に失語が出現し,CT にてくも膜下出血,硬膜下出血を認めた.抗凝固療法中止にて,症状は徐々に消失した.

  • 西 憲幸, 山田 與徳, 丸谷 明子, 宮座 静香, 高橋 大介, 小林 潤也, 渡辺 光太郎, 合田 敏章, 池上 剛史
    2018 年 40 巻 4 号 p. 280-284
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/25
    [早期公開] 公開日: 2017/08/09
    ジャーナル フリー

    68 歳男性.特記すべき既往歴なし.胃摘出術後3 日目に突然の後頸部痛と嘔吐を発症し,くも膜下出血(Hunt and Kosnik grade 2)の診断で当科に紹介となった.脳血管撮影で,両側椎骨動脈に狭窄病変や血管壁の不整を認め,MRI のT1 強調画像では,両側椎骨動脈に壁内血腫を示唆する高信号域を描出した.くも膜下出血で発症した両側椎骨動脈解離と診断したが,出血源が左右どちらの椎骨動脈か同定できなかった.出血側の椎骨動脈の治療を行えず,また非出血側を含めた両側椎骨動脈に対する治療も虚血合併症のリスクが高いと判断したため,保存的治療の方針とした.鎮静と降圧治療により良好に経過し,発症2 カ月後に退院した.毎年MRI のフォローを行って,5 年以上経過しているが再出血や解離病変の悪化もなく経過している.出血発症した椎骨動脈解離といえども,治療困難な場合には保存的治療も治療選択肢のひとつになりうる.

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