発症後72時間以内に入院し, CTにより確定診断された脳出血43例, 脳梗塞78例をもとに, 数量化理論第2類の手法に基づき, 脳出血と脳梗塞の計量的鑑別診断表の作成を試みた.
診断表には, 病歴, 臨床所見より, 項目間の相互関係を加味した解析の結果, 年齢, TIAまたはRINDの既往, 脳出血または脳梗塞の既往, 心疾患の既往, 発症時の状況, 嘔吐, 膀胱障害, 拡張期血圧, 痙攣, 項部硬直またはKernig徴候, 外眼筋麻痺, 対光反射, の12項目の組合わせを採用した.
正診率は, internal checkでは脳出血90.7% (39/43), 脳梗塞87.2% (68/78) であり, 別に脳出血36例, 脳梗塞63例を用いたexternal checkでは脳出血80.6% (29/36), 脳梗塞79.4% (50/63) であった.
従来提唱されている鑑別表での正診率と比較し, 本法の有用性が確かめられた.
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