「高血圧症における神経機構に関する研究」班は, 昭和56年より3年間にわたり, 表1に示す班員により研究が行われた.本研究班の目的は, 中枢および末梢神経がどのような機序で高血圧の発生と維持に関与するかをみることであった.班員の分担研究と共に, 本研究班が組織された背景には, 最近のcatecholamineの測定法の進歩とその評価の問題があることを考え, 共同テーマとして血中catecholamine測定に関する基準を確立することを取り上げた。
高血圧の発生・維持における交感神経系を中枢・交感神経末梢・血管壁・腎を含め検討した.とくに血中・尿中さらに髄液catecholamineやその代謝産物の関連等から, 血漿noradrenalineは, その測定条件等をよく吟味すれぽ, 交感神経活性の指標の1つとなりうることを認めた。また高血圧における交感神経系の関与はその病期により異ることが示され, 更にこれに附随した内分泌性循環調節についても差異のあることが示された.
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