クモ膜下出血 (subarachnoid hemorrhage : SAH) 患者70例において第1, 4, 7, 14, 21病日に急性相反応蛋白 (acute phase react ant protein : APRP) すなわち血漿total protein (TP), 血清albumin (Alb), α
1-acid glycoprotein (α
1-AG), α
2-macroglobulin (α
2-MG), α
1-antitrypsin (α
1-AT), immuhosuppressive acidic protein (IAP) を測定し, 臨床的有用性を検討した.
発症より第21病日までTP, Albおよびα
2-MGは低下し, α
1-AG, α
1-AT, IAPおよびCRPは上昇する有意な変動を示した.発症時のHunt&Kosnik gradeやFisher分類の重症例および死亡例では, それぞれの軽症例に比しα
1-AG, α
1-AT, IAPおよびCRPは有意に高値を示した.
生体はSAHにより急性相反応を生じAPRPを変動させた.そして重症例ではその反応が強度に生じるためにα
1-AG, α
1-AT, IAPおよびCRPは高値を示すと考えられた.APRPの測定は, SAHがもたらす複雑な病態を把握する上で1つの有益な情報を与えてくれるものと考えられた.
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