栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
14 巻, 5 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • BHA抗酸化剤の食品への抗菌性利用について
    梶本 五郎, 笠村 貴美子, 遠藤 義臣
    1962 年 14 巻 5 号 p. 371-377
    発行日: 1962/01/30
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    1. BHAの異性体2-terlおよび3-terlとその混合物サステンについて, 抗菌性を比較した結果, 3-terlBHAが最も抗菌性が強く, 次いでサステンであった。
    2. サステンの0.5%アルコール溶液に, ソーセージ, カマボコ, チーズ, 鯨肉などを浸漬し, また噴霧し, その抗菌性を調べたが, いずれも抗菌性を示し, それらのうち, カマボコが最も抗菌性をよくあらわし, 次いで鯨肉, ソーセージ, チーズの順であった。
    3. サステン溶液にソーセージ, カマボコ, チーズ, 鯨肉などを漬け, 浸漬時間と抗菌性を調べたが, 数分間の浸漬で十分抗菌性を示した。
    4. カマボコ, ソーセージにサステン粒状物を0.01%, 0.001%添加し, その抗菌性をみたか, いずれも抗菌性を示した。しかし加熱することにより, 抗菌性は減少していく。
    5. 0.5%サステン処理のソーセージ, 鯨肉を室内に50日間放置しても抗菌性を有していた。しかし放置日数が長くなるほど, 僅かであるが抗菌性は減少する。
    6. 0.5%サステン処理および未処理ソーセージ, 鯨肉を室内に20日間放置後, 100mlのビーカーにそれぞれを29ずつとり細粉し, 腐敗を早めるため水10mlを加え室内の腐敗菌の繁殖状況を調べた。未処理ソーセージ, 鯨肉は2日月から臭気を強く感し, 腐敗菌も繁殖した。これに対しサステン処理物は7H過ぎでも臭気, 菌の繁殖をほとんどみなかつた。
    7. サステン処理および未処理ソーセージ, 鯨肉, アジを室内に放置し, 腐敗度を揮発性塩碁性窒素量, アミノ態窒素。溶解性および溶液のPHより判定しに。
    その結果, 揮発性塩基性窒素は表処理ソーセーシで, 53mg/g, 未処理鯨肉で65mg/100g, 未処理アジで80mg/100gで, アミノ態窒素量ソーセージで0.01%, 鯨肉でO.14%, アジで0.06%, 溶解率は未処理ソーセージで58%, 鯨肉で23%, アジで21%であった。
    これに対し, サステン処理物の塩基性窒素量は, ソーセージで15mg, 100g, 鯨肉で28mg/1009, アジで30mg/100gで, アミノ態窒素鉱はソーセージで0.01%, 鯨肉で0.10%, アジで0.05%, 溶解率はソーセージで65%, 鯨肉て40%, アジで48%であった。
    8. 00.5%, 0.1%, 0.05%ザステン処理鯨肉, 20日用間放置後の揮発性塩基性窒素妻アミノ態窒素, 溶解率およびその溶液のpHを調べた結果, サステン処理濃度か薄くなるにしたがい, 揮発性塩基性窒素, アミノ態窒素量は多くなり, 溶解率は減少した。
  • BHA抗酸化剤の防カビ性及び防虫性について
    梶本 五郎, 笠村 貴美子, 遠藤 義臣
    1962 年 14 巻 5 号 p. 378-383
    発行日: 1962/01/30
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    1. 0.5%のHQ, BHA, BHT, NDGA, IG PGの六抗酸化剤のアルコール溶液に, 1cm2の木綿布を1時間浸漬処理したものについて, 青カビに対する防カビ性を調べた結果, NDGA, BHAが防カビ性を有し, BHT, HQ, IG, PGなどは防カビ性を示さなかった。
    2. 0.5%, 0.05%のBHA溶液にソーセージ, 鯨肉, カマボコなどを1時間浸漬処理し, 防カビ性を調べたが, いずれも防カビ性を示した。
    3. ソーセージ, カマボコに0.01%にたろようBHA粉末を添加し, 混和後防カビ性を調べ, いずれも0.01%で十分防カビ性を示すことを知った。
    4. 鯨肉を乳鉢にてすりつぶしたものにHQ, BHA, BHT, NDGA, IG, PG, などの六酸化防止剤の粉末を0.1%, 0.01%添加し, よく混和後室内に放置し, ハエの幼虫の発生状態を比較したが, 無添加鯨肉とPG添加鯨肉は, 放置後7日目で幼虫の発生を見, 8日目でIG, 9旧目でHQ, 10日目でNDGA, 11日目でBHT, 12日目でBHA添加鯨肉にハエの幼虫の発生をみたしたがって最も防ハエ性のあるものはBHAで, 次いでBHT, NDGA, HQ, IGの順である。
    5. 02%BHA溶液に30分間浸漬処理したソーセージ, 鯨肉を末処理物と共に並べ, その中心上5cmの位潰にハエの幼虫を20匹並べ, 嫌避性を調べたその結果BHA処理ソーセージ, 鯨肉を嫌避し, 未処理物の方に進んだ。
    6. 0.2%BHA溶液に30分間浸演処理しソーセージ, 鯨肉, カマボコおよび未処理物を油虫と共に容器中にいれ, 摂取性をみた。未処理ソーセージでは10%摂取され, BHA処理ソーセージでは1%とわずかに摂取きれ, 鯨肉, カマボコはいずれも摂取しなかった。
  • サルモネラ菌および好塩菌に対する酸化防止剤の抗菌性について
    梶本 五郎, 笠村 貴美子, 遠藤 義臣
    1962 年 14 巻 5 号 p. 384-390
    発行日: 1962/01/30
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    BHA, BHT, HQ, NDGA, PGおよびIGなどの6酸化防止剤について, サルモネラ菌, 好塩菌に対する抵抗性試験をHalo testで求めた。
    1. S. narasanoに対しては, PGが最も抗菌性強く, 一次いで, NDGAで, HQ, BHA, IG, BHTは同程度の抵抗性を有し, S. gullanarumに対しては, HQ, BHA, IGらが抵抗性強く, 次いでPG, NDGAの順である。S. senbtenbergに対しては, PGが最も抵抗性強く, 次いでNDGA, IGの順で, HQ, BHA, BHTけいずれも抗菌性を示さなかった。
    2. 好塩菌の滝川株については, PGが最も抵抗性強く, 次いでIG, BHA, HQ, NDGA, BHTの順で, 有馬株F16-2に対してはIG, PGらが抵抗性強く, 次いでBHA, HQ, NDGA, BHTの順であった。
    3. BHAとHQ, BHAとPG, BHAとHQとPGなど, 等量ずつ混合した3種類について, 好塩菌の滝川株に対する抵抗性を調べた結果, BHAとHQの混合は, HQおよびBHAを単独に使用するより抵抗性を増したが, BHAとPG, BHAとHQとPGの混和は, 単一使用と, その抗菌性は変わらなかった。
    4. 0.5%BHAおよびHQのアルゴール溶液に, イカ, ソーセージ, カンピョウを30分間浸漬し, 好塩菌に対する抵抗性をHalo testで調べたが, いずれも抵抗性を示した。
    5. ソーセージに0.01%になるよう, フレーク状のBHAを添加し, よく混和後, 好塩菌に対する抵抗性を調べた若干の抗菌性を認めた。
    6. HQ, BHA, PGの各0.5%液にカンピョウを浸漬したものと, HQとBHA, BHAとPG, BHAとHQとPGの三つの混合物の0.5%液にカンピョウを浸漬したものについて, 抗菌性を比較した。その結果, 好塩菌およびブドウ状球菌に対し, 単一および混合でも, 抗菌性には差がなく, むしろBHAとHQとPGの混合物に抗菌性がやや劣った。
  • 穀類のカルシウム, マグネシウムおよびリンの形態について
    橋本 慶子, 近末 貢
    1962 年 14 巻 5 号 p. 391-393
    発行日: 1962/01/30
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    1. 数種の穀類食品とその玄米, 玄麦糠と麩につき, Ca, MgおよびPの総量と水に抽出されたそれらを定量した。
    2. 掲精により各無機成分は滅少するが米にいちじるしく麦類は比較的残っている
    3. 麦類の市販食品は漂白剤の稀釈にリン酸カルシウムや炭酸カルシウムを用いるためCa含量が高かった。
    4. Caを1.0とした場合葉菜類ではMgもPもほうれんそうの例外を除いてCaより低い比率を示したのに穀類では非常に高い値を示した。しかし麦類の市販食品はCa含量が高いためMgおよびPの比率は低くあらわれた。
  • 関 博麿, 新井 養老
    1962 年 14 巻 5 号 p. 394-396
    発行日: 1962/01/30
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    Calcium and magnesium contents of vell water (drinking water) in Tokyo-to were determined by chelatornetry.
    1. The calcium contents of 200 samples of well water in wards (in Japanese“Ku”) were 2-55 ppm and those for magnesium were 1-31 ppm These results were given in Figures1, 3, and the correlation between calcium and magnesium was tabulated in Table1.
    2. The calcium contents of 200 samples of well water in suburbs were 5-47 ppm and those for magnesium were 1-17 ppm. The results were given in Figures2, 4, and the correlation between calcium arid magnesium was tabulated in Table 2.
  • 1962 年 14 巻 5 号 p. 395
    発行日: 1962年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
  • 市販食用油を加熱した場合
    秋谷 年見, 石井 清之助, 酒井 寿江, 荒井 君枝
    1962 年 14 巻 5 号 p. 397-400
    発行日: 1962/01/30
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    To obtain the information about nutritive value of frying oils, commercial edible oils were heated at 200°C for 12 hours and both the physical and chemical characteristics and nutritive values were investigated.
    Characteristic changes were rather slow until an elapse of 9 hours' heating, though remarkable changes were found after 12 hours' heating. Among the items tested, the change of viscosity was most remarkable. As heating time was increased, viscosity increased and viscosity index decreased.
    Different results were obtained about nutritive value of different kinds of heated oils. Both heatd soy bean and rice bran oils were as nutritive as respective original oils, while rape seed oil lost its original nutritive value by the heating.
  • 小柳 達男, 鷹觜 テル, 及川 桂子
    1962 年 14 巻 5 号 p. 401-403
    発行日: 1962/01/30
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    1) キヤベツ中のVCはクラウト製造中に酸化型になってしまうが原料中に含まれた総VCの約半雛が残っている。
    2) 普通のつけものに比しザウエルクラウト中には食塩含量が低にのでネズミに与えても血圧の上昇はつけものの場合より低い傾向がある。
    終りにネズミの血圧測定をされた晴山信一助教授に感謝する。
  • 良質茸当不良化 (腐敗) に伴う窒素成分当変動
    井上 伊造
    1962 年 14 巻 5 号 p. 404-410
    発行日: 1962/01/30
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    自生する良質松茸蕾のpHは6.1の弱酸性であるが, 腐敗の初期に5.7の最低となり, 腐敗が進むと逆に増加をたどリアルカリ性となる。すでに酸性側にある松茸の自家消化は, 他の場合より促進されやすい状態にありこれが進むにつれて遊離アミノ酸は増加する。松茸が自家消化するとき, 酸性アミノ酸の増加やKendallらのいうProteinsparing effectがおこって, 含有する糖質の分解により有機酸が生成したと考えられ, pHは低下をたどり, 環境は酸性側に傾き, それにつれて存在している細菌は増殖しつつ種々の脱炭酸能を獲得したものと思われる。脱炭酸酵素は, 細菌の増殖時に培地がpH5.0~6.0にあると活性となり, アミンの形成能ははなはだ強くなるといわれており, アミノ酸に相当する各種アミン類の生成や, オキシ酸, アンモニアの生成によりアルカリ性になると考えられる。
    一般にアルカリ性の培地では, 細菌による分解が旺盛で, 腐敗は進行しやすく, アミノ基脱離はpH7.5~8.5において最も旺盛であるといわれている。このことよリアミノ基脱離とカルボキシル基脱離は時間を異にしておこると考えられるので, 松茸の腐敗において, 初期の段階で, アミノ基脱離は考えられない。松茸を食品として利用するとき, 極度に腐敗したものは食用としないことより, 松茸中毒が腐敗の初期段階においておこると思われるので, アミノ基脱離の結果できた産物による松茸中毒は考えられない。またKendallによると, 糖質が存在するときは蛋白質やアミノ酸などの窒素化合物の分解は抑制されるといわれており, 極度の腐敗による蛋白質やアミノ酸の分解産物による中毒も公算は少ない。
    松茸中毒が腐敗の第1段階といえる初期におこることは, 恐らく自家消化により, すでに存在する遊離アミノ酸の脱炭酸でアミンの生成がおこるためであろう。
    本実験は内地留学として, 滋賀大学学芸学部に派遣され研究したもので, 御指導を賜わり, また御校閲下さった理学博士堀太郎教授に深謝します。
  • 豆みそのアミノ酸
    杉村 敬一郎, 平 宏和, 蛯沢 春枝, 桜井 芳人
    1962 年 14 巻 5 号 p. 411-413
    発行日: 1962/01/30
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    The eighteen kinds of amino acid of soybean “Miso”(fermented soybean paste) were observed on three kinds of sample differing in the material soybean and in the conditions of ripening [(l)“Miso” made from whole soybean, warmed ripening, (2) natural ripening, and (3), from defatted soybean, warmed ripening].(I) total amino acids (acid or alkali hydrolysates) and (II) free base (lactic acid bacteria available, in water eluted fraction) were determined, where the microbiological assay techniques were employed throughout the study. The general components were shown in Table 1 (each % raw material), and the results of amino acids in Table 2 (each % protein computed from total nitrogen being multiplied by 5.71), the numbers in blackets in this summary being in coincidence to those in the Tables. Throughout the samples conducted, arginine, cystine and lysine [(I) in Table 2] gave inferior values in comparison with those of soybean [(4) in Table 2] and those appearing in the existing literatures. The rate of liberation (values of free base % total)((III) in Table 2) varied in each amino acid, where proline, methionine and arginine showed higher rate (more than 50%) and cystine markedly low (less than 10%). The necessity of further studies regarding the soybean preparation and “Miso” ripening was emphasized.
  • 豆みそ製造工程におけるアミノ酸量の変化
    杉村 敬一郎, 平 宏和, 蛯沢 春枝, 桜井 芳人
    1962 年 14 巻 5 号 p. 414-419
    発行日: 1962/01/30
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    The eighteen kinds of amino acid of the following specimen taken in the course of “Miso” processing were determined by microbiological assay technique:(1) material soybean, (2) soybean immersed in tap water, (3) steamed soybean, (4) spent liquor of steamed soybean, (5) finished “Koji”, (6) specimen obtained at the starting stage of ripening, (7) several stages of warmed ripening (a) to (f)(depends on days of ripening), and (8) several stages of natural ripening (a) to (f), numbers in blackets being in coincidence to those appearing in the Tables. Free amino acids (water-extracted fraction) were also assayed as well as the total (acid or alkali hydrolvsates). Total amino acids are shown in Tables 1 and 2, and free amino acids are in Tables 3 and 4, values being expressed as the percentage of each acid in protein (computed from the Kjeldahl nitrogen being multiplied by 5 71) through Tables 1 to 4. Tables 5 and 6 show the rate of liberation (the free amino acid per cent total). It was found that the values of total lysitie and cystine decreased by steaming (Table 1) and further decrease was seen in these amino acids at the ripening stage (Table 2). Total arginine value decreased also in the ripening stage (Table 2). No remarkable difference was observed between material soybean and “Miso” except the above mentioned acids. Proline and methionine showed the highest rate of liberation, but the former was liberated at rather ealier stage of ripening (Table 4 and 6), while cystine was, on the contrary, liberated at rather delayed stage of the ripening. No remarkable difference in total arid free amino acid patterns between warmed and natural riperiings was observed.
  • 小石 ナカ
    1962 年 14 巻 5 号 p. 420-437
    発行日: 1962/01/30
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    年齢4~10才の養護施設児童ならびに一般家庭児童392名(男子のみ)の全対象を一群20ないし50名を単位として, DL-トリプトファン, L-リジンあるいはDL-スレォニン各05~0.69/日を1958年10月1日より14ガ月間にわたり連日内服させ, その日常食餌への補足が児童の成長におよぼす効果について検討し, つぎの成績をえた。
    1.まず6~9才学童にトリプトファンを補足した場傷その補足による14カ月間の体重増加量は, これを実験開始時体重に対する成長比率としてみた場合, 対照群に比べて平均約20%大となり, 有意な補足効果がみとめられた一しかし身長における補足効果は体重の場合ぼど明らかではなかった。
    2.つぎに8~10才学童にリジンを補足した場合, その14カ月間における体重増加比率は対照に比べて平均約13~19%大であり, これもまた有意な補足効果であったただし身長における効果はトリプトファンの場合同様体重におけるほど明らかな差としてみとめられなかった。
    なおスレオニンをリジンに追加補足した場合の効果については本試験条件では認められなかった。
    3.以上トリプトファンあるいはリジン補足の効果は成長速度, ことに体重増加として証明できたが体力検査成績あるいは血液蛋白性状などに影響を与えなかった。
    4.学童の日常摂取食餌をみると摂取栄養素量はほぼ十分であるが, その必須アミノ酸組成はこれをFAO規。準配合対比としてみると, トリプトファン76~78%, 含硫アミノ酸75~83%でともに蛋白価の制限因子となる。またリジン対比は117~128%となったが, 質的に良好な蛋白摂取にあっては, リジン摂取は約154mg/kg, FAO規準対比約150%であり, この点からはまだ不十分な摂取量であるとみなされた。
    5. 以上の成績から, トリプトファンあるいはリジン補足はわが国学童の成長促進に役立つものであり, その理由が日常摂取食餌中のトリプトファンあるいはリジンの相対的不足に帰因するものであろうと推論した。
  • 松下 アヤコ
    1962 年 14 巻 5 号 p. 438-441
    発行日: 1962/01/30
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    小麦および大麦の苗および種子について, それらの成育および成熟過程における遊離アミノ酸の分布状況を, イオン交換樹脂およびPCを用いて追跡し, また遊離アミノ酸含有量の変化状況はJ.AwaparaのPCによるアミノ酸の呈色班抽出比色法を用いて定量した。成育過程における麦苗および成熟過程における麦種子中の遊離アミノ酸は不変のものでなく, 成育および成熟の段階のすすむに伴って, その種類および含有量に変化を生じることが認められた。
    本実験にあたり, 有益な助言と便宜を与えられた本学教授九谷昇薬学博士, 伊勢田駿理学博士, 山田晃教授およぴ分光光度計の使用にあたり便宜を与えられた熊本逓信病院臨床検査室主任竹屋医学博士, また黄重な試料をご恵与下さった, 熊本県立農業試験場種芸主任江藤慶一技師の方々に厚く感謝の意を表する。
  • 酵母添加魚肉ソーセージの退色, 腐敗の原因とその防止法
    石井 隆一郎, 岡村 一弘, 清田 亮夫
    1962 年 14 巻 5 号 p. 442-444
    発行日: 1962/01/30
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    The cause of putrefaction and color fading of the fish-sausage containing food yeast, and also how to prevent these were investigated.
    An artificial pigment, New Cocchi, was used on the fading test of the sausage, as the color of the sausage depended more upon the added artificial pigment than on the natural pigment in the raw materials, fish-meats.The results obtained were as follows:
    Food yeast gave no effect on the fading, and also on the putrefaction so for as this was used after washing in water.The color fading of the sausage was generally caused by NO2-added.
    The bacterial counts, both aerobic and facultative anaerobic, in the yeast-sausagei ncreased tenfold as compared with that of control, while they increased ten to thousandfold by the addition of polyphosphates mixture.
    Food yeast seemed to stimulate the bacterial growth, but the prewashed food yeast did not.The stimulative effect of the polyphosphates mixture was much more than that of food yeast.
  • 炭酸カルシウムが生地の粘弾性および生地醗酵にこおよぼす影響
    佐藤 友太郎, 小柳 妙子, 渡辺 修
    1962 年 14 巻 5 号 p. 445-447
    発行日: 1962/01/30
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    炭酸カルシウム強化が, パンの品質にいかなる影響を与えるかを検討する目的をもって, まず粘弾性と生地の醗酵および膨張におよぼす影響について検討を加えた, その結果, 1.0%添加すれば, 好ましくない影響を与えるようになるが, (1.5%位までの添加では, これらの性質に顕箸な悪影響を与えないことを確認した。
  • 炭酸カルシウムがパンの品質に及ぼす影響
    佐藤 友太郎, 小柳 妙子
    1962 年 14 巻 5 号 p. 448-450
    発行日: 1962/01/30
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    炭酸カルシウムは, 醗酵による生地のpH低下現象を抑制するたぬ, 酵母の醗酵を一部抑制するとともに, 生地の熟成を若干遅滞させる原因になると考えられるが, 実際の製パミンの結果, 直捏法で0.3%, 中種法では0.5% 位主では強化しても, 製パンの品質にはほとんど影響したいこ旨が認められた
feedback
Top