日本家政学会誌
Online ISSN : 1882-0352
Print ISSN : 0913-5227
ISSN-L : 0913-5227
39 巻, 4 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
  • 小柳 達男, 佐藤 憲明, 千葉 茂
    1988 年 39 巻 4 号 p. 261-264
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    ラットを4群に分け第1群にVAの不足した基礎飼料を与えて対照群とし, 第2群には基礎飼料からNAを除いたもの, 第3群にはPAを除いたもの, 第4群にはNA, PAの欠乏した飼料を与えた. 3週間で体内のVAが減ったところで1日1頭あたりβ-カロチンを400μg 10日間与え, 11日目に殺して肝臓中のVAを分析し, 血漿の凝固時間を測定した.その結果次の成績を得た.
    1) NA不足のものは対照群のものに比べ1頭あたりVA含量は低い傾向にあり, PA不足のものならびにNA, PA両者欠乏のものは有意に減少した.両ビタミン欠乏では対照に比べ1/3以下になった.
    2) 血速液凝固速度もPA欠乏群は対照群に比べて短い傾向があり, NA, PA両ビタミンの欠乏では有意に短縮された.
  • 石橋 源次, 行実 直美
    1988 年 39 巻 4 号 p. 265-269
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    グァバの葉をクロロホルム可溶部, エーテル可溶部, 酢酸エチル可溶部および水可溶部に分け, これらの各画分がラットの肝臓と血清の各脂質レベルに与える影響について調べた.
    1) グァバの葉の水可溶部は血清 chol, 肝臓の総脂質, 肝臓 chol および過酸化脂質量を減少させた.
    2) 酢酸エチル可溶部は血清 T-chol, 動脈硬化指数と過酸化脂質量を減少させた.
    3) グァバの葉のクロロホルム可溶部を添加した場合, 血清過酸化脂質量, 動脈硬化指数, 肝脂質量および肝臓の過酸化脂質量が減少した. また, エーテル可溶部は動脈硬化指数, 血清 TG, 血清過酸化脂質量が減少した.
  • 新井 貞子, 野島 恵子, 澤山 茂, 川端 晶子
    1988 年 39 巻 4 号 p. 271-277
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    1) ビスコグラフィ, ファリノグラフィによる測定結果から, ヤマノイモ粉添加は, 麺用粉として適性向上の傾向が推測された.
    2) ダイナグラフによるゆで麺のテクスチャー測定値から, ヤマノイモ粉添加によりかたさが増加し, 凝集性に影響が認められず, 付着性は添加量との相関ある傾向が認められなかった.
    3) 引っ張り試験の結果から, ヤマノイモ粉 10% 置換麺が食味的に好ましいであろうと推測された.
    4) 走査型顕微鏡による観察の結果, 生麺では, 小麦粉麺に比べて長芋麺, いちょう芋麺の組織が緻密であり, ゆで麺では, 小麦粉麺に小粒澱粉の残存が多く観察された.
  • 食味評価と米飯のテクスチャーおよび炊飯特性の変化
    田原 モト子
    1988 年 39 巻 4 号 p. 279-287
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    開封状態および冬眠密着包装の状態で, 20℃光照射および30℃フラン器内の条件で保存した胚芽精米について, 保存中の食味の変化を調べるため官能検査を実施し, あわせて炊飯特性, 水分含量および米飯のテクスチャーや糊化度についても保存中の変化を調べ, 食味の変化との関連性について検討した.
    1) 保存前 14.9% であった米の水分は, 開封保存では30℃フラン器内で 8.5%, 20℃ 光照射で 10.1% まで低下したが, 冬眠密着包装の状態では水分の変動はほとんど認められなかった.
    2) 米飯粒のテクスチャーの変化は, 30℃ フラン器内開封保存で最も著しく, 120 日保存でかたさも付着性も凝集性も, いずれも保存前と比べて有意に低下した. 冬眠密着包装でも, 保存 60 日目ですでに凝集性の有意な低下が認められた.
    3) 搗精直後の胚芽精米と開封保存試料と冬眠密着包装保存試料の三者について, 順位法により官能検査を行った結果, 20℃光照射の条件では, 保存 25 日目ですでに開封保存試料が他の二者と比べて嗜好性が低下し, とくに米飯の粘りに差を認めたものが多かった. 30℃ フラン器内の条件でも, 保存 45 日目で開封保存試料が他の二者と比べて好まれず, とくに粘りに差を認めた者が多かった.
    4) 炊飯特性のうち, 加熱吸水率や膨張容積は開封保存試料で変動が大きく, 冬眠米では保存中ほとんど変化しなかった.逆に, 炊飯液中の溶出固形物量や炊飯液のヨウ素呈色度は, 冬眠米のほうが変化が大きい傾向が認められ, とくに 30℃ フラン器内保存の冬眠米では後者の値の低下が著しかった.
    5) 米飯塊のテクスチャーの変化は冬眠米のほうが大きく, かたさの上昇と凝集性の低下が認められ, とくに30℃フラン器内保存の冬眠米は凝集性の低下が最も著しく, 1.5 ヵ月くらいですでに保存前より有意に低くなった.
    6) 3 点識別試験法による官能検査の結果, 開封保存試料のみならず冬眠米の場合でも, 保存 1.5 ヵ月くらいで, 搗精直後のものとの差は識別可能であった.また, 嗜好度の差は, とくに粘りにおいて顕著であった.
    7) 保存前 98% であった糊化度は, 開封保存では水分の減少とならんで低下し, 最低 86% まで低下したが, 冬眠米のほうは変動が少なく, 最終 93 ~ 96% を維持していた. 126 日保存米の米飯を1日冷蔵庫内に放置したさいの老化の程度も, 開封保存のほうが大きい傾向が認められ, 1 日放置後の糊化度が冬眠米では 67 ~ 68% に対し, 開封保存米では 61 ~ 62% にまで低下した。
    8) 以上の結果より, 冬眠密着包装の状態でも 30℃の保存条件では, 保存中にデンプンの性質に何らかの変化が起こり, 炊飯特性や米飯のテクスチャーを変化させ, 食味の低下をひき起こすことが明らかとなった.
  • 勝田 啓子
    1988 年 39 巻 4 号 p. 289-295
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    Scheffe の 3 成分系の simplex lattice designs を用いて団子の粘弾性に及ぼす糯米粉, 粳米粉そして加水量工の相互作用とそれらの温度変化を検討し, 以下のことが判明した.
    1) Quadratic Model で適合性がみられても, 3 成分の相互作用を検討するさいには Special Cubic Model のほうが適当であることが判明した.
    2) 団子のフック体の弾性率は粳米粉が最高水準のとき最大値を示し, 水の水準が最高のとき最小値を示した.そして, 加水量が同一のときには, 糯米粉の水準が 1/2以上のときには粳と糯の配合比が変化しても弾性率はほとんど変化しないが, 糯米粉の水準が1/2以下になると急激な変化を示すこと, 温度が上昇するとこの作用がより顕著になることが判明した.また, 糯米粉最高水準の団子は温度が上昇しても弾性率は一定であったが, その他の団子はすべて減少した.
    3) ニュートン体の粘性率はフック体の弾性率と同様の相互作用を示したが, 糯米粉の水準が1/2以下のとき, 糯と水に相殺作用が現れた.また, 糯米粉最高水準の団子と粳米粉最高水準の団子は温度の上昇と共に粘性率が増加し, その他の団子は減少した.
    4) 塑弾性体の弾性率は糯米粉と粳米粉の問に相乗作用が, 糯米粉と水の間には相殺作用が, そして糯米粉の水準が非常に低いときには粳米粉と水の問に相乗作用があることが判弱した.しかし, 糯米粉と粳米粉のおよび粳米粉と水の相乗作用は温度が高くなると消失した. 糯米粉最高水準の団子は温度が変化しても一定の弾性率を示すが, 温度の上昇によって, 粳米粉最高水準の団子は弾性率が増加し, その他の団子は減少した.
  • -そばつゆ用だし汁の加熱中の成分量の経時的変化について-
    村田 尚子, 畑江 敬子, 吉松 藤子, 小川 安子
    1988 年 39 巻 4 号 p. 297-302
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    そばだしをとるさいの口伝である「だしが帰る」という現象が, 溶出成分と関連があるかどうかを知るため, 60分まで加熱した厚削り鰹節だし汁について, 有機酸, アミノ酸, オリゴペプチド態アミノ酸, 5'-IMP, 5'-AMP, 無機質 (Ca, Mg) を経時的に定量した.その結果, だし汁中に溶出する成分は, 多くは徐々に濃度を高めていることが示され, ここでは「だしが帰る」現象を説明できなかった.だし汁中の 5'-IMP と 5'-AMP, 5'-IMP とMgの溶出量の間には, 高い相関がみられたが, 5'-IMP とCa溶出量の間にはみられなかったことから, 業者の「だしが帰る」という口伝に, もし溶出成分が関連があるとすれば, 「かえし」と馴染まない「帰っている」だし汁というのは, 溶出成分のバランスに問題があるのではないかと思われ, Caの味覚に対する影響が推察された。
  • 消費糸量の違いについて
    福澤 素子
    1988 年 39 巻 4 号 p. 303-311
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/04/23
    ジャーナル フリー
    同一布地を同じ縫製条件で縫製した場合でも, 縫い糸によって消費糸量が異なることが実験結果として明らかにされていたが, その理由は不明確であった.そこで, 縫い糸の太さや性状と消費糸量との関係を検討して, 縫い糸間で消費糸量に差が生ずる主な要因が何であるかを見いだす試みを行った.その結果得られた知見のおもなものは次のとおりである.
    1) 14番ミシン針を用いた場合の消費糸量は, 50 番絹ミシン糸≅80番綿ミシン糸<60番スパンポリエステルミシン糸≅50番綿ミシン糸の順であった.
    2) 縫い糸間の消費糸量の差はおもに, 縫絡点での糸の消費の違いと縫い糸の太さの違いに原因がある.
    3) 縫い目での布地の厚さを主体とした楕円部分の形に影響する要因は, 消費糸量にあまり大きな差をもたらさない.
    4) 普通の縫製条件では, 縫い糸の伸びの違いによる消費糸量の差は小さい.
  • 田川 美恵子, 後藤 景子, 岡村 好美, 辻井 康子
    1988 年 39 巻 4 号 p. 313-318
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    Capillary wetting and hygroscopicity in fibrous assemblies were investigated from the practical viewpoint.using a device newly developed. The change in electric conductivity by capillary rising of aqueous solution with time was measured using plugs of cotton, wool, nylon and polyester fabrics as well as untreated and siliconized cellulose filter papers in a cylindrical Teflon cell. Their hygroscopicities were also examined as the change in electric resistance using the same cell and the Super Megohmmeter by keeping the water head in the position of 5 mm below the plug. It was found that the difference in their wettabilities and hygroscopicities was generally understood in terms of their chemical structures. The wool fabric and the siliconized cellulose filter paper were found to have hygroscopicity in spite of their water repellency. Thus, the device will be available for practical tests of capillary wetting in fibrous assemblies and hygroscopicity of fibers.
  • -夏期寒冷暴露下の場合-
    福田 明子, 大野 静枝
    1988 年 39 巻 4 号 p. 319-326
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    This report examined the effects of human facial cooling by wind on some physiological reactions in summer.
    Four healthy female subjects were dressed with a test wear which perfectly protected the whole body except the face. In a test chamber kept at 15 or 10°C, the wind (5. 4 m/sec) was blown on sedentary subject's face for 30 min. Skin temperatures on 21 points, rectal temperature, oral temperature, plethysmograph were measured. The subjects described their feeling of warmth and discomfort.
    The results were as follows :
    1) During facial cooling by wind, facial skin temperatures decreased rapidly and after that, recovered rapidly. The temperatures cooled by wind were in the order forehead (warmest) > malar_??_cheek_??_tchin >noes (coldest). Individual difference was remarkable at the nose skin temperature.
    2) The facial cooling influenced the skin temperatures of shoulder, forearm, hands, finger tip and leg part.
    3) Oral temperature decreased at the cooling. Rectal temperature was stable and no remarkable variation was observed.
    4) Pulse wave height had a high correlation with mean skin temperature or mean facial skin temperature.
    5) At facial cooling by wind, subjects described cool feeling and their discomfort feeling increased.
  • 椅坐・着装と仰臥・寝具内着装における布おむつとの比較
    平松 園江, 甲斐 今日子, 才田 眞喜代
    1988 年 39 巻 4 号 p. 327-334
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    1) Cotton diapers covered respectively with non-transporting synthetic water-proof cloth (NC), moisture-transporting water-proof cloth (MC), air-transporting water-proof cloth (AC), and wool flannel (WC), were worn inside dressings in sitting posture. Temperature and humidity inside diapers were measured, at front and back, and the diapers were weighed before and after tests to obtain weight-change, which was then compared with the result of our previous experiments on disposable diapers (non-transporting (ND) and moisture-transporting (MD)).
    The order of humidity inside diapers at 30°C were ND > NC > MD > WC _??_ MC _??_ AC. The correlation between final humidity inside diaper and weight-change was 0. 82.
    2) ND, MD, and WC in dry and wetted states (with 10, 20, 40 g of water) were worn under beddings in lying posture for 7 hr. As to dry materials, the weight increased highly in ND, and in lesser degrees in MD and WC. As to diapers wetted with 40 g of water, wet-remain was 90 % in ND, 50 % in MC, and 10 % in WC.
    3) Dry ND, MD, and WC were worn under beddings in lying posture for 3. 5 hr. Humidity was measured at front, back, and gluteal cleft. The result was ND >MD > WC, and in each case humidity was highest at the cleft. The correlation between final humidity inside diaper and weight-change was O. 99. Weight-change test proves trustable. Gluteal cleft is found to be an important spot for the measurement.
  • 桐渕 壽子
    1988 年 39 巻 4 号 p. 335-338
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    1) 野菜, くだものともに冷凍時および解凍によって総アスコルビン酸の量に変化はなかった.
    2) アスコルビン酸酸化酵素活性の強いものでは冷凍および冷凍保存中に酸化型が増加した.また自然解凍のさいにもさらに酸化型が増加した.
    3) 市販冷凍野菜中のアスコルビン酸は生に対して70~80%は残存しているように考えられ, アスコルビン酸の損失は少ない.
  • 生野 晴美, 竹内 茂子, 岩崎 芳枝
    1988 年 39 巻 4 号 p. 339-344
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 高田 昌子, 野口 駿
    1988 年 39 巻 4 号 p. 345-348
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 斎藤 瑠美子, 勝田 啓子
    1988 年 39 巻 4 号 p. 349-356
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 木村 友子, 加賀谷 みえ子, 福谷 洋子, 小杉 信之
    1988 年 39 巻 4 号 p. 357-366
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 青木 生子
    1988 年 39 巻 4 号 p. 367-368
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • -脱皮・新構想を-
    奥田 眞丈
    1988 年 39 巻 4 号 p. 368-369
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 松田 岩男
    1988 年 39 巻 4 号 p. 369-370
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 諸井 虔
    1988 年 39 巻 4 号 p. 370-371
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 縫田 曄子
    1988 年 39 巻 4 号 p. 371-372
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • インドネシアの都市カンポンと住宅
    布野 修司
    1988 年 39 巻 4 号 p. 373-379
    発行日: 1988/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
feedback
Top