現在わが国の水田稲作では耕作者1人当たりの耕作面積の増加により,ICTの利活用による省力化が期待されているが,農家がICT機器の導入を検討するための判断材料を提供することが課題となっている。そこで本研究では,茨城県にある水稲作中心の大規模農業生産法人を対象農家とし,湛水深遠隔監視装置を導入した際の農家の水管理の変化を実証的に明らかにした。特に,湛水深の変化に細やかに対応できるか,水管理労力が削減できるのかの2点を定量的に評価した。さらに湛水深遠隔監視装置が実際に役立った状況とその活用方法について明らかにした。