栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
29 巻, 7 号
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  • 真杉 文紀, 中村 哲也
    1976 年 29 巻 7 号 p. 361-368
    発行日: 1976/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
  • 臥位安静時代謝の逐時的変化について (第2報)
    大中 政治, 一寸木 宗一, 前川 昭男
    1976 年 29 巻 7 号 p. 369-376
    発行日: 1976/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    健康な女子学生5名を被験者として, 基礎代謝測定後それと同条件下で, 臥位安静時代謝を24時間にわたり経時的に測定し, また同時に血中サイロキシン, FFA, TG, ヘマトクリットあるいは脈拍数, 体温等の生理的諸機能をもあわせ測定した (空腹実験)。
    つぎに, 臥位安静状態を維持するに最低限必要と思われる体表面積1mm2当り500kcal/日の食餌を3等分して8時, 11時半, 16時半に与え, 空腹実験時と同様の測定を行った (摂食実験)。
    得られた結果は, つぎのようである。
    1) 空腹実験における臥位安静時代謝は, 基礎代謝測定後3時間目頃から逐時的に増高し, 20時には基礎代謝量の19.3%増に当る最大の亢進を示した。その後もほとんど低下を示さず, 翌朝においてもなお基礎代謝量の13.5%増の亢進がみられた。また空腹状態を持続すると, R. Q. は0.7前後あるいはそれ以下となり, またFFAも経時的に増大することなどから, 体脂肪がおもなエネルギー源であることが明らかとなった。この際みられた代謝亢進は, 空腹や脱水等に起因するストレス状態によりサイロキシンの分泌が亢進し, このため体脂肪の過剰分解がおこったためであることが推察された。
    このような傾向は, 前報の男子の場合とほぼ一致していた。
    2) 摂食実験における臥位安静時代謝は, 19時までは特異動的作用の影響で空腹実験よりも高く, かつ摂食に伴う三相性の変化を示した。しかし翌朝には, ほぼ基礎代謝と同様の値にもどった。R. Q. や血糖もこれと同様な変動を示したが, サイロキシンはこのような変化を示な変動を示したが, サイロキシンはこのような変化を示さなかった。このことは, サイロキシンがSDAの発現と関係のないことを示すものである。
  • 幼若ならびに成熟シロネズミによる差異
    山田 和彦, 森内 幸子, 高瀬 幸子, 細谷 憲政
    1976 年 29 巻 7 号 p. 377-381
    発行日: 1976/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    幼若ならびに成熟シロネズミを, タンパク質を一定とし, 糖質を30, 50, 60, 70%と変化させ, 脂肪で重量当たり等カロリーとした4種の飼料で飼育した場合の, 小腸粘膜のマルターゼ活性, ショ糖水解活性, アルカリフォスファターゼ活性, およびロイシルナフチルアミダーゼ活性を観察した。
    1. 成熟シロネズミでは, どの酵素活性も, 糖質30%群に比べて60, 70%群において増大していた。しかしながら, 幼若シロネズミでは, ショ糖水解活性のわずかな増大, ロイシルナフチルアミダーゼのわずかな減少がみられたものの, 食餌中の糖質による誘導効果は明らかでなかった。
    2. 成熟シロネズミにおいて, 高い活性を示した場合と低い活性を示した場合の, マルターゼ活性ならびにショ糖水解活性のKm値およびVmax値は, いずれの酵素においても, Vmax値は異なるが, Km値には変化はなかった。
  • 井上 寿子, 中村 正
    1976 年 29 巻 7 号 p. 383-390
    発行日: 1976/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    体育を専攻している女子学生2グループについての夏季7日間の水泳合宿訓練期の栄養摂取状況と血液値を測定した。そして栄養摂取量が低かった初年度のグループと, それより摂取量が高かった次年度のグループで比較し, 運動と摂取栄養, 血液値の3者間の関係について追求した。なお次年度には, 鉄剤の投与も試みた。その結果の大要は, 次のとおりである。
    1) 合宿期の体重当りの摂取エネルギー, たん白質, 動物性たん白質は, それぞれ初年度のグループでは45.2±2.2Cal/kg, 1.2±0.1g/kg, 0.45/±0.03g/kg, 次年度のグループではそれぞれ49.6±4.6Cal/kg, 1.6±0.1g/kg, 0.91±0.05g/kgであった。
    2) Hb量, Ht値, 血清たん白量の合宿末日値を初日値に比べると, 初年度のグループではいずれも有意に低下したが, 次年度のグループでは低下しないで, Ht値はむしろ上昇した。この違いは, 1) の栄養摂取の差に主因するものと考えられる。
    3) Hb量, Ht値は, いずれもその合宿初日値と末日値の変動との間に負の相関関係を示し, 末日の低下は初日に高い者では大きく, 初日に低い者ほど小さいという, いわば生体のホメオスターシス的現象がうかがわれた。回帰線の高さや傾きの度合には両年度グループで差があり, 栄養摂取の良好な次年度グループが高位にあり, 傾きも小さかった。この結果から著者は, このような回帰線の比較によって訓練の負担度や栄養の効果を総合的に評価する試みを提唱した。
    4) 血液指数 (MCHC) は, 合宿中にHb量その他の血液値が低下した初年度のグループにおいて, かえって上昇の傾向を示した (この点で著者は既報の文献値を併せ考察し, 運動負荷に対し栄養の摂取が不十分でHb量が低下する場合に血液指数を高めるような, なんらかの機転がおこることを推論した)。
    5) 鉄剤の影響 (硫酸鉄160mg) は, 少なくとも合宿7日間では認められなかった。
  • 饒村 護, 篠原 力雄, 石黒 伊三雄
    1976 年 29 巻 7 号 p. 391-396
    発行日: 1976/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    脂肪を8%含む飼料にショ糖をカロリー比で0% (対照), 10% (S-10), 20% (S-20) および50% (S-50) となるようにデンプンと置換した飼料を12週間, Wistar系雄ラットに投与して体内代謝の変動を観察し, 次の結果を得た。
    (1) 体重増加, 飼料摂取量ならびに飼料効率は, ショ糖摂取により軽度の低下傾向をみた。また, 肝および腎重量の体重に対する比率は, ショ糖摂取量に応じて増加する傾向にあったが, 両者とも有意差ではなかった。
    (2) 血清ならびに肝の脂質量の変動は, リン脂質を除いて両者が逆の傾向にあった。すなわち, 血清中の総脂質は, ショ糖の各投与群とも対照群のそれに比べて, それぞれ28%, 34%, 38%の高値を示し, いずれも有意差が認められた (p<0.05)。このうち, コレステロールが最も高い上昇率を示し, S-10で36% (p<0.05), S-20で42% (p<0.01), S-50で55%の増加率であった。この際, エステル型および遊離型ともに増加していた。また, トリグリセリドは17~32%の増加傾向がみられた。一方, リン脂質量には変化が見られず, ショ糖添加により低下傾向を示した。これに対して肝の脂質量は, 総脂質量, 総コレステロール量, トリグリセリド量のいずれもショ糖添加により低下する傾向が認められた。しかし, 肝のリン脂質量には変化がなかった。
    (3) 血清ならびに肝の総たん白量は, いずれのショ糖投与群においても軽度な上昇がみられた。血清たん白分画比では, A/G比の低下, α2-グロブリン比の上昇とβ-グロブリン画分の変動が認められた。
    (4) いずれのショ糖投与群も空腹時血糖には差異がなかったが, 血清アミラーゼ活性は有意な上昇が認められた。
  • 和三盆糖に関する研究 (第2報)
    松井 年行
    1976 年 29 巻 7 号 p. 397-400
    発行日: 1976/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    和三盆糖の原料であるさとうきび汁と白下糖の成分分析を行ない, 以下のことを明らかにした。
    1) 白下糖製造の際, 石灰清浄法でたん白質, 無機質, 有機酸の減少が著しく, その減少率は各々58.7%, 65.6%, 72.4%となり, 夾雑物を除去するという所期の目的をかなり果たしていると考えられる。
    2) 搾汁液, 白下糖も遊離アミノ酸中アスパラギン, アスパラギン酸の量は著しく多かった。3) 糖ではシュークロース, グルコース, フラクトースを検出した。
    4) 有機酸では, 搾汁液, 白下糖ともにcisアコニット酸が全有機酸中47.6%, 32.8%を占めた。ピログルタミン酸は搾汁液で痕跡程度, 白下糖では全体の24.9%を含有していた。
  • 松山 恒明
    1976 年 29 巻 7 号 p. 400-403
    発行日: 1976/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    食習慣がどのように作られ, 伝えられていくかを考える一助として, ハワイ在住の日系人のなかで, 幼少期の経験, 現在の生活環境の似ている6名の婦人について, 面接調査を行なった。
    46品目の食品の摂食回数から, 頻度の多い21品目について, 調理方法との関連をみると, 2群にわけることができ, ある種の食品は調理方法と結びついて摂食されていることがうかがわれた。
    さらに1家系の食事カレンダーから, 食生活に及ぼす生活環境の問題を考えるうえで, 個人の帰属している家族以外の集団の影響と, 家系として伝えられる食習慣とをわけて考える必要があると思われ, 今後検討を続けたいと考えている。
  • 香辛料の抗酸化性に関する研究 (第2報)
    斉藤 浩, 木村 雄吉, 坂本 知紀
    1976 年 29 巻 7 号 p. 404-408
    発行日: 1976/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1. 27種の香辛料の中から抗酸化効果のあるものを見出すために, Lea法の改良法によりそれらのPOVを測定し, BHAおよびトコフェロールの抗酸化効果と比較した。
    2. 香辛料の粉末を0.1%の濃度でラードに添加した場合, 強い抗酸化効果を示すものから, ほとんど効果を示さないものまで, 香辛料の品種により異なることがわかった。
    3. 香草系香辛料 (ハーブ・スパイス) に属する香辛料は, 一般に抗酸化効果を示すものが多く, なかでもシソ科に属するセージ, ローズマリー, タイム, マジョラム, オレガノなどは, 強い抗酸化効果を示した。クローブとジンジャーを除く香辛系香辛料 (スパイシー・スパイス) は, 概して抗酸化効果を示すものが少なく, またメースを除く種子系香辛料 (シード・スパイス) には, 抗酸化効果を示すものがほとんどないことが明らかとなった。
    4. 香辛料中に存在するトコフェロールの含有量は, きわめて少なく, 香辛料を粉末の状態で0.1%程度の添加濃度では, 当該香辛料の抗酸化効果に影響を与えるほどではないことがわかった。
    5. 最も顕著な抗酸化効果を示した香辛料は, セージ, ローズマリー, メースであり, BHA 0.1%添加の場合に匹敵する効果を示した。ついでタイム, クローブ, マジョラムは, BHA 0.02%添加の場合と同等の効果を示し, オレガノ, ジンジャーはトコフェロール0.1%添加の場合以上の抗酸化効果を示した。
    以上の結果から, 粉末の状態で強い抗酸化効果を示す香辛料として, セージ, ローズマリー, メース, タィム, クローブ, マジョラム, オレガノ, ジンジャーの8種類が選定された。
  • 浅川 具美, 松下 雪郎
    1976 年 29 巻 7 号 p. 408-409
    発行日: 1976/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    In the case of POV test paper which we have made before (this journal, 28, 403 (1975)), the effect of glass fiber seems to depend on its acids properties. Because, the surface of glass fiber forms Lewis acid, and it was capable of being acid catalyzer for hydroperoxide-potassium iodide reaction. Similarly, silica, alumina, asbestos, etc. can also be used as the acid catalyzer by applying them on a piece of paper or plastic film together with potassium iodide and starch.
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