本研究の主目的は實用試驗の結果によく合うような摩擦試驗方法を見出すにある。筆者等はかねてから實施中の着用實驗の摩耗状況を研究し,その摩耗形式は織物の片面が椅子鐵棒土砂等による摩擦によるものと判斷した。この摩擦形式はアムスラー型試驗機のような繰返し曲げの作用は全然なく,シヨツパー型試驗機の摩擦形式とよく似ているので,研究目的に從つて後者の試驗機を使用した。此の實驗計畫による結果は着用實驗結果によく合うことが證明された(第2報)ので,更に此の方法による研究を進めている次第である。
本報告紅於では既定の實驗計畫に從つて行つた有効荷重と組織破壊迄の摩擦回數との關係,摩擦の進行に伴なつて生ずる破裂強力の厚さAの變化,下敷の摩擦抗力に及ぼす影響等について述べる。
抄録全体を表示