繊維学会誌
Online ISSN : 1884-2259
Print ISSN : 0037-9875
43 巻, 3 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 田中 信行, 矢倉 敏司, 岡田 宏行
    1987 年 43 巻 3 号 p. 125-129
    発行日: 1987/03/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    The melting point depressions of nylon-66 and 610 films by methoxymethylation were investigated by DSC measurement. In the case of the films of both nylons annealed at 100°C, the melting peak temperatures Tm in 1st- and 2nd-runs were depressed with increasing the number of methoxymethyl substituent groups, in accordance with a modified Flory's equation for random copolymers. Therefore it is not likely to occur the continuous substitution of methoxymethyl groups for hydrogen atoms of two amide groups in a structural unit. In the case of the films annealed at 200°C for nylon-66 and 151°C for nylon-610, the decrease of Tm depression was observed, arising from the disturbance of the reorganization of crystalline regions by methoxymethyl groups in 1st-run and from the formation of blocks composed of methoxymethylated structural units in 2nd-run.
  • 広津 敏博
    1987 年 43 巻 3 号 p. 130-137
    発行日: 1987/03/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    ベンゼン環がフッ素置換されたヘキサフルオロベンゼンをベースモノマーとして用い,これにN2, H2O等のコモノマーを加えた条件下にプラズマ重合を行った。ヘキサフルオロベンゼン自体プラズマ下に重合し易いが,高い放電出力下にはむしろ分解の傾向が見られる。コモノマーを加えることによって分解が抑制されるとともに,それらの成分が取り込まれ共重合した。これら生成の挙動を種々条件への堆積速度の依存性から検討した。また,生成物についてはIRおよびESCAを用いて構造の解析を行った。重合にともなうヘキサフルオロベンゼンのベンゼン環の開裂, C-F結合の変化などについて知見が得られた。生成物の性質については,まず表面エネルギーを求めたが,親水基導入の効果はなく疎水的であった。また,パーベーパレーション法による水-アルコール分離について検討の結果,わずかながらエタノール濃縮の効果が認められた。
  • 石井 穆
    1987 年 43 巻 3 号 p. 138-143
    発行日: 1987/03/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    シノン織物をプロナーゼP,パパインC-400,プロテオリクィファーゼで処理すると,シノン繊維中のタンパク質成分が除去されるにともない,ミクロボイドが導入された。これら処理シノン織物に対する酸性染料の90°Cにおける等温吸着曲線を,スキャチャードプロットにより解析した。酸性領域(pH3.3及び4.0)で, C. I. Acid Orange 7, Red 249の最大吸着量(DFmax)は,酵素の種類に関係なく,繊維中のタンパク質の減少とパラレルに減少した。しかし,中性近辺でのDFmaxは,酵素処理に殆んど影響されなかった。一方,ナイロンやエクスランのDFmaxは, pHに影響されなかったが,絹や羊毛のDFmaxは,酵素処理シノンの場合と同じように, pHが高くなるにつれて明らかに減少した。さらに,シノンに対する染料の親和定数(K)は,酵素処理に影響されず絹や羊毛と同程度の値を示したが,ナイロンやエクスランよりも小さかった。
  • 菊地 正志, 松岡 昌弘, 中野 幹清
    1987 年 43 巻 3 号 p. 144-147
    発行日: 1987/03/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    ナフトキノン建染染料の染色性について人間の毛髪のモデルとして羊毛繊維を用い検討した。ロイコナフタザリンは穏和な条件下,染浴に還元剤,強アルカリなしで室温下,羊毛繊維を効率良く染色し,酸化剤を添加しなくても発色することを見い出した。染着率は30°C, 2hで70.2%であった。洗たく堅ろう度は良好であり,還流条件下. 25%ピリジン溶液で処理しても脱着しなかった。ロイコナフタザリンに反して,ロイコキニザリンは羊毛繊維を全く染色しなかった。
  • 粟野 美千子, 石川 欣造
    1987 年 43 巻 3 号 p. 148-154
    発行日: 1987/03/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    The most important function of clothing is to protect the wearer from the environment and to feel comfortable in as wide a range of environment as possible. The suitable clothing for any conditions requires the passage of moisture and heat through clothing.
    This paper deals with the water vapor permeabilities through fiber beds and fabrics. The principal measuring way is humidity gradient method and is compared with weighing method using a cup. The humidity gradient method is useful for the evaluation of the moisture-transfer through clothing which is putted on.
    The following results are obtained;
    (1) The vertical distributions of relative humidity over samples change linearly in the region up to 10mm height above. This region is considered as the diffusion layer.
    (2) The rate of moisture-transfer depends on the air gap between water surface and sample. Therefore it is important to keep a constant air gap for correct measurement.
    (3) A protective cover is used to avoid disturbing the diffusion layers over sample. Height of cover influences the rate of moisture-transfer, and especially in the presence of air movement, rate of moisture-transfer about no cover of a sample without cover cannot be evaluated precisely by humidity gradient method.
    (4) To obtain sufficient correspondence between humidity gradient method and weighing method needs a protective cover with adequate height.
  • 粟野 美千子, 白井 真理, 石川 欣造
    1987 年 43 巻 3 号 p. 155-160
    発行日: 1987/03/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    布の水分に対する性能は衣服の快適性に影響を及ぼす重要な因子である。特に暑熱環境下において発汗が生じた場合,衣服が汗を吸湿・吸水しさらに蒸発・乾燥させる機能の有無は衣服の快適感を大きく左右する。
    そこで,本研究では布の吸水・蒸発特性を同時に評価する目的で,バイレック法(JIS-L 1096)を基に布を移動する水分量(蒸発量)を試料別に測定する方法(吸水・蒸発特性評価法)を考案した。実験は17種の試験布について,吸水上昇高,吸水量(布の保持水分量),蒸発量を測定した。その結果, (1)吸水上昇高,つまり蒸発に関与している面積と蒸発量の相関は高く,吸水上昇高は有効な指標である。(2)吸水量と上昇高との関係を検討すると布の構造によって異なった分布を示す。(3)水分の移動に適した織物構造を持ち,蒸発に関与する繊維間隙・表面積がより大きい布は吸水・蒸発性能が良好であるなどが明らかとなった。
    以上より,本評価法は簡便に各種衣料素材の吸水・蒸発特性を検討する方法として有効と考えられる。
  • 磯井 佳子, 風間 健, 中村 智子
    1987 年 43 巻 3 号 p. 161-165
    発行日: 1987/03/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,衣服が着用者に似合う程度を,衣服と着用者の顔の要因により表すことにある。そのために各要因の加法性に基づくモデルを提案した。
    似合う程度の測定には,ハーフミラー上に着用者の顔とスライドの衣服とが合成される装置(アリスミラー)を用いた。衣服は,カジュアルで個性的な感覚のものを21点選んだ。着用者は,女子大生30名とした。
    衣服は, 8対のイメージ用語で表現された。また着用者の顔は,目・鼻など10項目の形態的要因で表現された。
    以上の実験結果を解析し,次の結論を得た。
    1) 似合う程度は,衣服と着用者の顔を要因とするモデル式であらわされ,その各要因と,目的変数になる似合う程度は,実験結果から求められた。
    2) 似合う程度は,統計的に検定され, 3名の判定者間に共通の判定基準の存在が認められた。
    3) 衣服のイメージの判定結果は因子分析され, 3因子で説明できて,衣服は6グループに分類できた。
    4) 着用者の顔の表現は,数量化理論2類で計算され,似合う程度に強い影響を与える4因子が抽出された。
    5) 衣服と顔の組合わせごとに,似合うものと似合わないものとに区分した。組合わせの例を示し,またモデル式により似合う程度を数量的に例示した。
  • 池田 功夫, 山内 肇, 鈴木 公宏
    1987 年 43 巻 3 号 p. 166-170
    発行日: 1987/03/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    クロロアセトアルデヒドによるポリビニルアルコール(PVA)のアセタール化を均一及び不均一系反応で行った。次いで生成したクロロアセタール化PVA (ClAcPVA)とポリエチレンイミン(PEI)の反応を行い,グラフトまたは架橋構造をもつ共重合体(PVA-co-PEI)を合成した。溶媒にジメチルホルムアミドを用いると共重合体が容易に生成し,共重合体のPEI含有量はPVAのアセタール化度及びPEI分子量の増大とともに増加した。しかしClAcPVAに結合するPEIの見かけの分子数はPEIの分子量が増大するほど減少した。得られた共重合体の機能として,重金属イオンの吸着及びα-アミラーゼの固定化を検討した。
  • 北尾 悌次郎
    1987 年 43 巻 3 号 p. P75-P78
    発行日: 1987/03/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 田中 恒雄
    1987 年 43 巻 3 号 p. P79-P82
    発行日: 1987/03/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 電子写真への応用
    佐藤 英夫
    1987 年 43 巻 3 号 p. P83-P89
    発行日: 1987/03/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 平沢 豊, 松永 代作
    1987 年 43 巻 3 号 p. P90-P94
    発行日: 1987/03/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 入江 正浩
    1987 年 43 巻 3 号 p. P95-P100
    発行日: 1987/03/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 中西 八郎
    1987 年 43 巻 3 号 p. P101-P107
    発行日: 1987/03/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 西栗 正夫
    1987 年 43 巻 3 号 p. P108-P113
    発行日: 1987/03/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
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