繊維学会誌
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43 巻 , 11 号
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  • 第VI報 熱伝達型熱量計による水分収着熱の測定
    福田 光完, 大谷 金子, 岩崎 雅美, 河合 弘廸
    1987 年 43 巻 11 号 p. 567-577
    発行日: 1987/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    被服材料と水との相互作用性を熱力学的パラメータによって考察するため,熱伝達型熱量計を用いて,ビスコースレーヨンおよびナイロン6繊維のぬれ熱Wおよび微分収着熱Qを,水分収着率αの関数として30°Cにおいて測定した。
    W(α=0)の値は,ビスコースレーヨンおよびナイロン6繊維についてそれぞれ23.4±0.5および5.8±0.3 cal/gram of dry material,またW(α)の実験式の微分, -dW(α)/dα≡QL(α)より得られるQ(α=0)の値は,それぞれ273±4および218±18 cal/gram of liquid waterと観測された。
    これらの値は既報の文献値とよく一致する。さらにQL(α)より算出される収着水の過剰エネルギー(TΔSL)は,絶乾状態においていずれの試料もほぼ100cal/gram of liquid waterと見積られ,これらの値は氷の融解潜熱に近い。
    W(α)の飽和における値W(α=αs)は,いずれの試料においても微小であるが,従来予測されたような零値ではない。またQL(α=αs)および飽和における(TΔSL)も共に有限値をもち零値ではない。この結果は飽和蒸気圧に近い状態で収着された水は,液相水に比較してなお若干の秩序状態にあることを強く暗示する。
    以上の結果より,本研究に用いられた熱伝達型熱量計は,繊維の吸湿過程における熱力学的諸量の測定に対し充分な精度,安定度をもつと判断される。
  • 松野 一郎, 滝澤 章, 木下 隆利, 辻田 義治
    1987 年 43 巻 11 号 p. 578-586
    発行日: 1987/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    親水性及び疎水性層からなる貼合せ膜の膜面に垂直な方向の一次元拡散について,その正方向(例えば,親水性層→疎水性層)及び逆方向の流束の式を,各成分膜の拡散係数及び溶解度係数のペネトラント濃度依存性を考慮して組立て,二方向の流束比の計算方法を示した。種々の厚さの疎水性(ポリエチレンテレフタレート,ポリ酢酸ビニル)層,親水性(ポリビニルアルコール)層の組合せからなる貼合せ膜の水蒸気透過性測定結果は,各成分単独膜の挙動から計算される結果と一致した。二方向の流束比は,ある相対蒸気圧で極大値を示すが,その相対蒸気圧は,成分膜の収着及び拡散挙動から定量的に推測される。
  • 河 完植, 呉 相均, 金 俊浩, 金 啓用
    1987 年 43 巻 11 号 p. 587-594
    発行日: 1987/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    絹フィブロイン(SF)及びポリアクリル酸(PAA)グラフト共重合絹フィブロイン膜の有機溶剤処理及びグラフト率による表面特性の変化を膜の表面張力の変化の検討により解析した。
    溶剤処理絹フィブロイン膜のIR結晶化度指数の増加とともに,膜の全表面張力及び表面張力の極性,特に水素結合成分が直線的に増加した。これに反して表面張力の分散成分は膜のIR結晶化度指数の影響をほとんど受けない事が明らかとなった。
    一方, SF-g-PAA膜の場合はグラフト率の増加とともに膜の全表面張力,極性及び水素結合成分は増加し分散成分は減少した。
  • 広瀬 重雄, 中村 邦雄, 畠山 立子, 畠山 兵衛
    1987 年 43 巻 11 号 p. 595-601
    発行日: 1987/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    ビス(4-フルオロフェール)フェニルホスフィンオキシド(BFPO)と2, 2-ビス(4-ヒドロキシフェール)プロパン及び4, 4′-ジヒドロキシビフェニルのアルカリ塩との反応によって得られる芳香族ポリエーテル(それぞれポリエーテルI及びII)の合成条件について検討した。アルカリ金属としてカリウムを用い.ジメチルスルホキシド(DMSO)中で185°Cでの重合によって,対数粘度(ηinh)が0.64 (ポリエーテルI)及び0.48 (ポリエーテルII)の高分子量ポリマーが得られた。
    示差走査熱量測定(DSC)及び熱重量測定(TG)によってポリエーテルの熱的性質について検討した。X線回折によりポリエーテルI及びIIが無定形であることが明らかとなった。DSC測定においては,ポリエーテルI及びIIについてガラス転移が認められ,その温度(Tg)はそれぞれ197及び225°Cであった。さらに, TG測定において観察されたポリエーテル及びIIの窒素中における熱分解開始温度(Td)はそれぞれ505及び535°Cであり,積分法によって求められた分解の活性化エネルギー(E)はそれぞれ164及び217kJ/molであった。
  • ロイコーモノアミノナフトキノン誘導体の合成と構造決定
    菊地 正志, 中野 幹清
    1987 年 43 巻 11 号 p. 602-607
    発行日: 1987/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    ナフタザリンに由来する新規なロイコーモノアミノナフトキノン誘導体を合成した。これらのロイコ化合物は空気中,有機溶媒において安定であった。数種の可能な互変異性体のうち1H, 13C-NMRによりロイコ化合物の携造を厳密に決定し,各々の炭素を帰属した。
    ナフタザリンのロイコ化合物は2, 3-ジヒドロ-5, 8-ジヒドロキシナフタレン-1, 4-ジオンであり, 2-ブチルアミノナフタザリン, 5-ブチルアミノ-8-ヒドロキシナフトキノンのロイコ化合物は各々6-ブチルアミノ-2, 3-ジヒドロ-5, 8-ジヒドロキシナフタレン-1, 4-ジオン, 5-ブチルアミノ-2, 3-ジヒドロ-8-ヒドロキシナフタレン-1, 4-ジオンであった。
  • 草桶 秀夫, 磯 晋八, 広瀬 邦彦, 桜井 武尚, 木村 一雄
    1987 年 43 巻 11 号 p. 608-613
    発行日: 1987/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    酵素固定化用新規担体として,飽和カルボン酸中キトサンとカルボン酸無水物との反応によって部分的N-およびO-アシルキトサンゲルを合成し,これにインベルターゼの固定化を試みた。インベルターゼは,架橋剤としてグルタルアルデヒドを用いて,アシルキトサンゲル上に包括一架橋法によって固定化された。アシル基の置換度1.05のアセチルキトサンを用いた固定化インベルターゼは,ショ糖を基質としてpH42, 40°で20分間反応させたところ,最も高い活性収率(37.7%)が得られた。固定化インベルターゼの至適pKは,生酵素に比べ酸性側に移動した。また,固定化インベルターゼの至適温度は60°Cであり,生酵素のそれ(50°C)より高い値を示した。カラムによる固定化インベルターゼの連続反応では, 20日間以上使用しても,活性の極端な低下は認められなかった。
  • 非イオンアゾ色素の結合-結合平衡に対する縮合度の影響
    渋沢 崇男
    1987 年 43 巻 11 号 p. 614-621
    発行日: 1987/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    水に溶解したモデルアゾ分散染料(Dye1)とβ-ナフタレンスルフォン酸ホルマりン縮合物ナトリウム塩(βNSF)との相互作用を高分子電解質に対する色素の結合平衡として取り扱い,結合平衡に対する, βNSFの縮合度(N)の影響を結合平衡の熱力学関数値から検討した。結合定数(K)は15-40°Cで分光法で測定した。βNSFは合成品からN=2, 3, 4, 5, 7.2, 12 (N>9), 40(N>9)の成分を分離して用いた。
    Kの値はN≈10迄はNの増加と共に急激に増加し,その後次第に頭打ちとなった。これはΔS°の寄与による。ΔS°の値はNと共に増加し, N=2, 3, 4では負であるが, N=12, 40では正となった。ΔH°はN=2-40まですべて負であったがその絶対値はNと共に減少した。これより,結合反応に対するDye1とβNSFの疎水部分との間の根互作用の寄与がNの増加と共に増加してΔS°が増加すると推論された。
    N=3, 12, 40の成分に対して結合反応に対する電解質添加の影響を調べた。N=3の成分では添加電解質濃度が増加しても結合反応の熱力学関数値は殆ど変化しないがN=12, 40では,電解質濃度が増加するとΔH°, ΔS°共に減少する。特にΔS°は正から負に変化する。これはN=12, 40の成分が水中で高分子電解質として挙動する特性から説明された。
    電解質濃度の低いところではβNSF(N=12, 40)の分子鎖は伸長したコンホメーションをとり, βNSFのナフタレン核はなるべく直線状に並ぼうとするので編長い形をしたDye 1と, βNSFとの間の疎水結合の形成には好都合となる。添加塩の濃度が高まると分子鎖はコンパクトなコンホメーションとなり,疎水結合の形成には不利となるのでΔS°は減少する。Nの大きな, βNSFではナフタレン核がなるべく直線状に並ぶコンホーメイションをとるとき結合反応に対する疎水結合の寄与が大きいと推論された
  • 木村 裕次, 濱田 州博, 飯島 俊郎
    1987 年 43 巻 11 号 p. 622-625
    発行日: 1987/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    カルボキシメチルセルロース,スルホエチルセルロース,およびリン酸エステル化セルロース膜などの含水荷電セルロース膜中におけるカチオン性ニ卜ロオキサイドスピンプローブの回転運動性をESR測定によって検討した。これらの膜中のスピンプローブの運動性はほぼ等方的であった。また,この運動性は水中の場合の30~50%となり,これは膜中の水の状態および固定荷電基の影響のためと考えられた。含水膜中での回転の相関時間, τRは乾燥膜中に比べて103~104小さくなった。
  • 今井 淑夫, 大石 好行
    1987 年 43 巻 11 号 p. P435-P441
    発行日: 1987/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 田中 三千彦
    1987 年 43 巻 11 号 p. P442-P448
    発行日: 1987/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 加藤 康夫, 山下 祐彦
    1987 年 43 巻 11 号 p. P449-P455
    発行日: 1987/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 遠藤 剛
    1987 年 43 巻 11 号 p. P456-P462
    発行日: 1987/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
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