繊維学会誌
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44 巻, 6 号
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  • 潘 雲龍, 尾鍋 史彦, 臼田 誠人
    1988 年 44 巻 6 号 p. 265-270
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    歪み与ええた紙のサイズ特性をステキヒトおよびコッブサイズ度試験法により測定を行なった。酸性紙の場合,サイズ効果は歪み処理により低下するが,中性紙の場合は逆に増加し,紙の種類には関係せず,サイズ効果が歪みの大きさに依存している現象が認められた。Lucas-Washburnの式に基づき歪前処理により影響される紙の厚さ,シートの空隙構造およびサイズ剤の繊維表面での分布などの因子に着目し,サイズ効果への影響を検討した。その結果サイズ剤の繊維表面での定着力およびサイズ剤の繊維表面での分布が歪みを与えた紙のサイズ特性にとって重要であることがわかった。
  • 潘 雲龍, 空閑 重則, 臼田 誠人
    1988 年 44 巻 6 号 p. 271-274
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    広範囲にサイズ度を変えて作ったロジンサイズ紙および中性サイズ紙についてダイナミク超音波法およびBristow法によって水による紙の濡れと浸透の挙動を調べた。市販紙についての以前の研究で得られた両法で測定される特性値間の相間が確認された。両方法での濡れ時間の相関関係は0.92と高く,比例係数は1.07であって,二つの量はほぼ等価であることが示された。研究室で調製した紙に比べ,市販紙についての結果の違いは仕上げ処理によるものと思われる。
  • 須澤 利郎, 佐々木 雅彦
    1988 年 44 巻 6 号 p. 275-279
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    Interfacial electrical properties of the surface of nylon 6 fibers ungrafted and grafted with acrylic and methacrylic acid were investigated. The isoelectric point (ζ=0) shifted into acidic side with increase in the amount of grafting.
    In neutral and alkaline solution, saturated values of ζ-potential of fibers decreased with increase in the amount of grafting. Stern potential (φδ) and the position (t) of slipping plane in the electric double layer of the fiber surface were estimated. φδ of grafted fibers decreased with increase in the amount of grafting and the value of t for grafted fibers was greater than that for ungrafted fiber.
    It was suggested from these facts that the grafted nylon 6 fiber swelled remarkably in solution and that the hydrogel layer was formed at the surface by grafting of the fiber surface.
  • 草桶 秀夫, 仁平 俊也, 草野 久, 木村 一雄
    1988 年 44 巻 6 号 p. 280-287
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    10%酢酸とメタノール中キトサンとアルデヒドとの反応によって得られるキトサンーアルデヒドを担体として用いたβ-ガラクトシダーゼの固定化法について調べた。架橋剤としてはグルタルアルデヒドを用いた。酵素活性の高い固定化酵素を得るために,種々のアルデヒドから得たキトサンーアルデヒドゲルを用いて,酵素の固定化を試みたところ,キトサンーホルムアルデヒドゲルを担体として用いた場合に,もっとも活性の高い固定化酵素が得られた。90unitsの酵素とキトサンーホルムアルデヒド水和ゲルlOgを1%グルタルアルデヒドを用い, pH5, 1hr,室温にて処理することによって67%の高い活性収率を得た。キトーサンーホルムアルデヒドゲルを用いた固定化酵素の至適pHは5,至適温度は50°Cであり,遊離酵素に比べ, 60°Cまで熱安定性が向上した。キトサンーホルムアルデヒドゲルに固定化したβ-ガラクトシダーゼは,カラムによる20日間の連続反応を行っても,活性の顕著な低下はなかった。
  • 渋沢 崇男, Yutaka Yamaguchi
    1988 年 44 巻 6 号 p. 288-295
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    ストップドフロー法および温度ジャンプ法で, β一ナフレタンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩(βNSF)に対する四種類のモデルアゾ分散染料の結合速度を検討した結果,結合速度はβNSFの縮合度(N)およびβNSFの高分子電解質としての分子鎖の挙動によって変化する事が分かった。
    ストップドフロー法による観測では, N>6のβNSFでは結合速度は装置の不感時間(約, 1ms)以内で終了する速い過程と,それに引き続く遅い過程の二段階で進む。一方, N<5のβNSFでは結合の全過程は,速い過程のみで完結する。N>6のβNSFの遅い過程は擬一次反応速度に従った。この時,見かけの結合速度定数はkapp=0.016-0.23s-1であった。測定されたkappの値は染料およびβNSFの濃度には依存しなかった。
    ストップドフロー法の不感時間内で完結する速い結合速度を温度ジャンプ法で検討した。N>5のβNSFでは, Dye-βNSFの結合平衡の緩和は極めて速い緩和過定(τ1=ca. 15-25μs)とそれに続く遅い緩和過程(τ2=ca, 60-70μs)とが起こる。これに対して, N<4のβNSFでは最初の極めて速い過程のみで緩和は完結する。N=40(N>9)のβNSFとの結合平衡ではτ1とτ2は染料およびβNSFの濃度,試料溶液のpH,染料のpKaには依存しないようであった。
    βNSFはN>5から高分子電解質的な分子鎖として振舞うことなどから,得られた結果は,染料分子を受け入れる為のβNSFの分子鎖のコンホメーション変化が結合反応の律速段階に関与していることを示唆していると考えられる。
  • 渋沢 崇男, 内田 泰子
    1988 年 44 巻 6 号 p. 296-302
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    β-ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩(縮合度, N=40,以下βNSFと略記)と単分子状に溶解した分散染料との相互作用を高分子電解質に対する染料の結合反応として検討した。モデルアゾ分散染料として構造が類似し, β-位のアゾ基窒素の塩基度が異なるもの3種を用いた。
    βNSFは塩化ナトリウムの濃度が0.1M程度の水中では極めてコンパクトなコンホメーションをとる。このときのβNSFに対するアゾ色素の結合定数(K)のpH依存性を分光法によって測定したほか, pH=5010におけるKのナトリウムイオン濃度依存性などを測定した。
    その結果, βNSFとアゾ色素の結合反応は,まず最初に緩衝液に含まれる弱酸から解離したH+が染料のβ-位アゾ基窒素に付加して微量の色素カチオン(DH+)が生成し,次いでDH+がβNSFのスルホン酸(-SO3-H+, -SO3-Na+)にイオン交換反応によって結合するとすれば,測定結果を最もよの説明できることが分かった。
    測定結果から見積もられたイオン交換定数は25°C, pH=4.126-4.950およびpH=5.010-5.508の範囲でKHDH=0.14-0.60, KNaDH=3.8-9.2×10-4であった。KHDHの値がかなり大きいことはコンパクトなコンホメーションをとるβNSF(N=40)のスルホン酸基は水中で弱酸のように部分的に解離していることを示唆する。
  • 森田 全三, 田中 和弘, 本村 洋美
    1988 年 44 巻 6 号 p. 303-311
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    アニリン誘導体をカップリングしたH酸を染料母体として持つ6種の,モノ-及びジクロルトリアジン系,ジクロルキノキサリンカルボニル系,及びトリクロルピリミジン系反応染料のセルロース中における拡散とセルロースとの反応(その擬一次反応速度定数Kc)を,セロハン巻層法で調べた。logKcとpHとの関係は, C. I. Reactive Red 41 (1)については直線, Red 1 (2)とRed 2 (3)については, Ingamellsらがこれらの加水分解で見いだした特有の形,高温で実験したRed 3とRed 12及びRed 17については飽和形が,それぞれ得られた。
    (1), (2)及び(3)の表面濃度は, pHの上昇と共に低下した。セルロースとの反応及びセルロース中の拡散の活性化エネルギは,反応性基に,特にモノクロルトリアジン系染料ではトリアジン環の置換基に依存した。種々の反応性基を持つ反応染料の拡散及び反応挙動を検討した。
  • 磯貝 明, 石津 敦, 中野 準三
    1988 年 44 巻 6 号 p. 312-315
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    三置換したベンジルセルロースを0°Cと-30°Cでオゾン処理したところ,それだけで効率よくベンジルエーテルがベンゾイルエステルに酸化された。置換基の脱離による水酸基の出現があるが,その程度はグルコース単位あたり0.5以下に押えられた。また,重合度の低下もある程度検出された。一方,ベンジル基にメトキシル基を持つ3置換p-メトキシベンジルセルロースのオゾン処理では,対応するエステルが得られず,複雑な反応生成物が得られた。このことは,オゾンによるエーテルのエステル化反応がベンジルエーテルに特有の反応であることを示している。
  • 朝倉 哲郎
    1988 年 44 巻 6 号 p. P192-P195
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 江口 恵二, 吉田 栄久夫
    1988 年 44 巻 6 号 p. P196-P201
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 小山 清人, 大東 弘二
    1988 年 44 巻 6 号 p. P202-P206
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 田川 高司
    1988 年 44 巻 6 号 p. P207-P210
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 石田 英之
    1988 年 44 巻 6 号 p. P211-P218
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 斉藤 肇
    1988 年 44 巻 6 号 p. P219-P223
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 和夫
    1988 年 44 巻 6 号 p. P224-P227
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
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