繊維学会誌
Online ISSN : 1884-2259
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42 巻, 11 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 牧島 邦夫
    1986 年 42 巻 11 号 p. P441-P448
    発行日: 1986/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 配向弾性・粘性定数の精密測定をめざして
    平方 純一, 陳 国平, 福田 敦夫
    1986 年 42 巻 11 号 p. P449-P459
    発行日: 1986/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    表示素子として利用されているネマチック液晶は1軸異方性流体であり,熱運動のために光軸が大きくゆらぐので,非常に強く光を散乱する。このレーリー散乱光の強度およびスペクトル幅を散乱角の関数として測定し,解析すれば,表示素子を設計する際にも重要な材料定数である配向弾性・粘性定数が決定できることを説明する。電場および強度のスペクトルと自己相関関数という概念を明らかにして,スペクトル幅を測定するのに最も能率的かつ精度の高い光子相関分光法につき概説する。他分野への応用が多々考えられるので,測定法についてもやや詳しく述べる。
  • 矢吹 和之
    1986 年 42 巻 11 号 p. P460-P465
    発行日: 1986/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • うらべ まこと
    1986 年 42 巻 11 号 p. P466-P470
    発行日: 1986/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 福田 紘二
    1986 年 42 巻 11 号 p. P471-P476
    発行日: 1986/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 三友 宏志, Peter J. Barham, Andrew Keller
    1986 年 42 巻 11 号 p. T589-T596
    発行日: 1986/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    ポリーβ-ヒドロキシブチレート(PHB)とその共重合本であるポリーβ-ヒドロキシブチレートーβ-ヒドロキシバリレートP(HB-HV)はバクテリアの醗酵によって得られる熱可塑性のポリエステルである。バクテリアから得られるため,PHBとその共重合体は非常に純粋でちる。これらのポリマーの結晶層厚の厚化挙動はほとんど理想的なものであると期待され,熱処理によって小含量成分(HV)が過剰成分(HB)の中でどのようにふるまうかを容易に推定することができる。各温度で熱処理された試料の融点やX線長周期がDSCやX線回折から求あられた。これらのポリマーの基本的な熱力学的諸定数,すなわち平衡融点や折りたたみを含む面の表面自由エネルギーなどが実験結果から提起された。分子鎖内や結晶領域内での両成分の混合状態が考察された。ほとんどランダムに共重合していると考えられるHV成分は全く結晶化できず,HB成分結晶の格子定数に何らの影響を及ぼさないが,共重合体の結晶化特性には大きな影響を与えることが推定された。
  • (1)転移挙動のハード/ソフトセグメント比に対する依存性
    田代 孝二, 平松 正尚, 井伊 忠興, 小林 雅通, 田所 宏行
    1986 年 42 巻 11 号 p. T597-T605
    発行日: 1986/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    ポリテトラメチレンテレフタレート(PTMT)とポリテトラメチレンオキシド(PTMO)のマルチブロック共重会体において,応力誘起固相転移の起ることを見出した。一軸配向試料を延伸軸方向に引張った時, PTMTハードセグメントの結晶領域においては, PTMTホモポリマーの場合と本質的に同じ可逆的構造変化が観測される。ただし,この場合,非常に低いヤング率のPTMOソフトセグメントが共存しているため,相転移発現には,ホモポリマーの場合に比べ,かなり大きな引張り歪が必要となる。一方,室温の未緊張状態では非晶性であるPTMOソフト部分においては,伸びきったtrans-zigzagconformatiormationへの結晶化が引き起こされる。これらハードおよびソフト部分の転移現象は,ガラス転移点以下の低温においては,より明瞭に,そして鋭く起こる。
    これら相転移挙動をPTMTハードセグメント分率の異った試料について比較し,結晶相転移と力学的直列模型をカップルさせた単純なモデルを用いて解釈した。また相転移が急激に起こる,いわゆる臨界応力について,その温度依存性を測定し,転移エンタルピーとエントロピーを評価した。
  • 田中 信行
    1986 年 42 巻 11 号 p. T606-T609
    発行日: 1986/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    共重合体の融解の拡張フローリ式を用いて,アタクチックポリプロピレン(a-PP), E/PおよびP/E共重合体のRISモデルについて,融解温度と組成の関係を調べた。 a-PPは,メソ単位とラセミ単位からなる二成分系共重合体とみなされた。これらのモデルの融点降下におよぼすコンホメーション寄与は,主成分単位の連鎖の長さの関数である主成分単位の連続確率に関係していることが示された。いずれのモデルについても,融点降下は, A-B型では小さく,また, (A-B)n型(n>1) (nはくり返し数)では, nの増加とともに増大し, Tmは,ランダム型モデルのTm-組成曲線に近づいていく。
  • I.異常帯電
    大崎 茂芳
    1986 年 42 巻 11 号 p. T610-T617
    発行日: 1986/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    粘着紙の剥離帯電現象の詳細を明らかにすることを目的として,粘着紙の各種部位において剥離に起因して生ずる表面電荷および表面電位分布をそれぞれ電子写真現像用トナーおよび表面電位計を用いて調べた。その結果,剥離紙シリコーン面の前半部は負に帯電し,末端部は正で,かつ異常に高い電位が観測されるという特異現象を見い出した。また,剥離紙シリコーン面の末端電位およびラベル未剥離部の末端電位は,ラベル長が大きくなるにつれて上昇すること,剥離紙シリコーン面の末端最大電位は,約0.6cm/secの剥離速度で極大値を持つこと及び剥離が進行するにつれてラベル未剥離部の末端電位は著しく上昇すること等を見い出した。これらの結果から,粘着紙の剥離時における特異現象は,剥離に起因して生じた帯電荷が,ラベルおよび剥離紙に電気分極を誘起した結果として説明される。
  • 伊藤 精一, 岡田 千春
    1986 年 42 巻 11 号 p. T618-T625
    発行日: 1986/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    アクリロニトリル/酢酸ビニル共重合体(93/7重量比)をSO2/過硫酸カリウム系レドックス開始剤を用い水系連続重合により製造するに当り,重合条件として水/モノマー比を4.0 (重量比)より1.75の範囲で小さくしていくと,得られたポリマー粒子はち密になり,かさ密度は大きく,生成スラリーのポリマー保水性は小さくなることを既に認めたが,このような見かけ上のポリマー形態の差がポリマーの分子量分布に影響するかどうかを知るため水/モノマー比を4.0より1.75まで変えて得られたポリマーの分子量分布を評価した。分子量分布は粘度及び浸透圧測定より求めた砿〓比並びに既検討の塩を添加したDMF溶媒を用いるGPCより求めた〓比により評価した。ポリマーの分子量分布は広く〓比は4~6の間で変動しているが,水/モノマー比の影響による顕著な差は認め難いものであった。
  • 森田 全三, 本村 洋美
    1986 年 42 巻 11 号 p. T626-T635
    発行日: 1986/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    11種のビニルスルホン系反応染料のセルロース中における拡散と反応を40~60°Cで,フィルム巻層法によって調べた。活性及び固着染料のセルロース中における濃度分布は,理論曲線と一致した。その濃度分布から,セルロースとの擬一次反応速度定数kc,セルロース中の拡散係数Dおよび表面濃度を決定した。log kcとpHとの関係は少数を例外を除いて,勾配1の直線になった。調べた範囲内では, C. I. Reactive Orange 7のkcが最大で, Violet 4のkcが最小になった。反応性基2つを持つBlack 5のkcはOrange 7に匹敵した。これらの染料のセルロースとの反応の活性化エネルギは90-130kJ/mol,拡散の活性化エネルギは30-50kJ/molであつた。
  • 一條 久夫, 末広 哲朗, 長沢 順一, 山内 愛造, 提坂 道明
    1986 年 42 巻 11 号 p. T636-T642
    発行日: 1986/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    lmm程度に切断されたポリビニルアルコール極細繊維(SFF)より濾紙(SFP)を作り,これをメンブランホルダーに組み込んで小型で反応効率の高い酵素反応器を作製した。
    インベルターゼ溶液をSFPを通して循環させたところ,実験開始後12分で酵素の50~60%が固定化された。また,リザバーとSFPを完全混合槽と見なした数式モデルを用いて計算されたSFPによる酵素の吸着速度は実測値とほぽ一致し,このモデルが妥当なものである事が示された。
    濾紙は非常に薄いため,本反応器の空間速度は非常に高く, 30ml/minの流速で基質を流した場合でも1000h-1以上となる。このような高い空間速度の場合でも比較的高い転換率を示すSFPは,従来に無い新しい形状の固定化担体として応用が期待される。
  • 清水 義雄, 清水 裕子, 近田 淳雄
    1986 年 42 巻 11 号 p. T643-T650
    発行日: 1986/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    編織布や紙のような繊維の集合した物体の接触挙動を解明するために,繊維集合体一固体表面間の接触状態を各種圧力下で測定する装置を開発した。この装置はサンプルに圧力を印加する部分,接触状態を検出する部分および検出されたデータを解析する部分からなっている。
    本装置を用いてポリエステルタフタの接触状態の圧力依存性を測定し解析した結果,このような細デニールのクリンプの強い経糸と太デニールの比較的真直ぐな緯糸からなる布では,各種圧力下の接触挙動は大きくわけて次の4つの領域からなることがわかつた。すなわち,圧力の増大とともに(1)弾性接触域, (2)経糸中のフィラメン卜の扁平変形領域,(3)緯糸中のフィラメントの接触領域, (4)接触フィラメントの相互干渉領域の4領域を示す。
    このように本測定装置は,布のような複雑な接触表面をもつものの接触面の解析に非常に有用であることが確められた。
  • 吉川 正和, 鈴木 雅和, 讃井 浩平, 緒方 直哉
    1986 年 42 巻 11 号 p. T651-T653
    発行日: 1986/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    固定キャリヤーとして正荷電基を有する,ポリ(1-アルキル-4-ビニルピリジウム アイオダイド-co-アクリロニトリル) (アルキル:メチル(2),ブチル(3))膜はグリシン(Gly),ロイシン(Leu),フェニルアラニン(Phe)を能動輸送した。これらアミノ酸の輸送は, Br移動を輸送の駆動力とする,逆方向輸送機構によつて行なわれた。これら2種類の膜の3種類のアミノ酸に対する輸送の選択性は2摸ではGly>Leu>Pheであり,一方, 3膜ではGly>Phe〓Leuであった。
  • 磯貝 明, 石津 敦, 中野 準三
    1986 年 42 巻 11 号 p. T654-T656
    発行日: 1986/11/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    非水系セルロース溶剤の一つである標記の系に対するセルロースの溶解機構を, 1H-NMRを用いて検討した。同じ系に溶かしたメタノールの1H-NMRスペクトルと比較することにより,セルロースは三置換亜硝酸エステルとなって溶解していることを明らかにした。
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