繊維学会誌
Online ISSN : 1884-2259
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42 巻, 2 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 水町 浩
    1986 年 42 巻 2 号 p. P33-P43
    発行日: 1986/02/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 中川 威雄, 柳沢 章
    1986 年 42 巻 2 号 p. P44-P50
    発行日: 1986/02/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 広瀬 重雄, 畠山 兵衛, 畠山 立子
    1986 年 42 巻 2 号 p. T49-T53
    発行日: 1986/02/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    リグニンの酸化分解生成物の1つであるバニリンから,メトキシベンザルアジン骨格及びヘキサメチレン(C6)ならびにオクタメチレン(C8)基を脊するポリエーテル及びポリエステルを合成した。これらのポリマーの熱的性質を示差走査熱量測定(DSC)によって検討した。
    DSC測定により,ポリエーテルは溶融状態からの冷却曲線において結晶化の発熱ピークが認められ,また溶融状態からの等温結晶化が観察された。Avrami式による結晶化挙動の解析及び偏光顕微鏡による観察によって,結晶が3次元的に成長することが示唆された。
    重合したままのポリエステル試料については, DSC昇温曲線において融解による吸熱ピークが認められた。ガラス状態からの昇温測定においては, C8誘導体についてのみ低温結晶化による発熱ピークが観察された。溶融状態からの等温結晶化は認められなかった。しかし,ガラス状態からは,低温結晶化に相当する温度領域での等温処理によって結晶化した。C8誘導体の等温結晶化挙動のAvrami式による解析によって,結晶の成長が2次元的であることが示唆された。
  • 蓮池 牧雄, 河崎 尚志, 村上 浩二
    1986 年 42 巻 2 号 p. T54-T60
    発行日: 1986/02/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    パルプシート光学的性質の紙層構造依存性を, Scallan-Borchの層状理論を用いて定量的に解析した。
    シートの比散乱係数と坪量から推定した光学的有効層の数は,パルプの漂白程度の差異にもかかわらず,層状理論を用いて推定した値にほぼ一致し,光学的性質に関与する紙層構造パラメータとして用い得ることが判明した。さらに,シートの光学的有効層の数をシート断面の厚さ方向の繊維層数と繊維層の配向度から推定した結果,それらの値と光学データから得られた値との間に良好な対応関係が認められた。
    したがって,シートの構造と光学的性質を光学的有効層数を用いて定量的に対応づけ得ることが判明した。
  • 清水 融, 田畑 功, 堀 照夫, 川村 良久
    1986 年 42 巻 2 号 p. T61-T68
    発行日: 1986/02/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    ポリエチレンテレフタレート(PET)基質中での分散染料の結合状態を知る自的で,研究が行われた。モデル分散染料として, 10種のアントラキノン誘導体を用いた。PETに対するこれらの化合物の平衡収着量は封管法で気相染色することによって求め,これらの値から,収着熱を算出した。必要に応じて,収着熱はp-ニトロアニリンアクセシビリティーを用いて補正され,昇華熱と比較した。
    その結果,用いた染料とPET基質間の主な相互作用は分散力であり, 2-ヒドロキシアントラキノンのようなプロトン供与性基を含む染料では水素結合も重要な役割を演じていることが明らかになった。
  • 脇田 登美司, 河村 晴夫, 韓 礼元, 金 景煥, 後藤 徳樹, 高岸 徹
    1986 年 42 巻 2 号 p. T69-T73
    発行日: 1986/02/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    ポリエチレンテレフタレート(PET)織物の低温酸素プラズマ処理について検討した。プラズマ処理をする前に,まずPETと相互作用の強い溶媒,ジメチルホルムアミド(DMF)で処理した。そしてDMF前処理のプラズマ処理におよぼす効果について検討した。プラズマ処理した試料はESCAおよび走査型電子顕微鏡によって調べ,また液滴浸透時間および重量減少率も測定した。DMF前処理したPETは前処理を行なわない試料よりも,プラズマ処理によって酸化をうけやすく,表面も粗になり,ぬれやすくなる。さらに, DMF前処理試料はプラズマ処理によってエッチングをうけやすく,重量減少率も大きくなる。DMF処理の後,プラズマ処理を行なうと,表面形態は大きく変化し,これはDMF処理によって生ずる可塑化が,プラズマ処理に大きい影響をおよぼすためである。
  • 飛田 満彦, 吉田 紘子, 荒井 貞夫
    1986 年 42 巻 2 号 p. T74-T83
    発行日: 1986/02/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    アゾニアベタイン色素2a~2cおよび4-ニトロアニリン類3および4を指示薬として,有機溶媒中における水の挙動について検討した。有機溶媒中に水を添加した際の,これら色素の最大吸収波数変化を, Onsagerキャビティ中にある溶質に対する水および溶媒の競争的選択溶媒和モデルを仮定して解析した。その結果,次のことが明らかとなった。
    アセトン,アセトニトリルのような非プロトン性溶媒中での色素3および4のまわりの水はクラスター様の状態で溶媒和する。一方,色素2a~2cに対しては同じ溶媒中小量の水は分子様の離散状態で溶媒和する。同様な選択溶媒和モデルにより非プロトン性溶媒とアルコールとの混合溶媒系を解析し,水の場合と比較した。
    また,これらの溶媒中における反応場をTaftらの提案したLSER (線型溶媒和エネルギー関係)を用いて解析し,それぞれの色素に対する溶媒の反応場について考察した。
  • 渋沢 崇男, 内田 泰子
    1986 年 42 巻 2 号 p. T84-T91
    発行日: 1986/02/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    一連の4-アミノアゾベンゼン類について,水溶液中からセルロースに吸着されるときの吸着熱(ΔH°d)と双極子モーメント(μ)との関係を検討した。ΔH°dの値は染料-繊維の結合エネルギーを表わす尺度とした。
    得られた結果はΔH°dはμの増加とともに減少することを示した。即ち,染料-繊維の結合エネルギーはμとともに増加する。この事実はそれらの染料がセルロースに吸着されるとき,双極子間力の寄与があることを示している。
    その事実はセルロース内のそれぞれ異なる領域に水と染料が吸着される,即ち,その染料分子は水の存在しない領域に吸着されるとして説明された。
  • 森田 全三, 河村 吾郎, 本村 洋美
    1986 年 42 巻 2 号 p. T92-T101
    発行日: 1986/02/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    モノクロルトリアジン系反応染料のセルロース中における反応-拡散挙動を75, 80および85°C, pH6.8~11の範囲で調べた。セロハン巻層法で求めた固着染料および活性染料の濃度分布を,擬一次反応を伴う拡散方程式によって与えられる両成分の理論濃度分布によって解析し,測定した濃度分布への理論分布のcurve-fittingにより,拡散係数D,反応速度定数kc。および表面濃度C0を求めた。その結果,拡散の活性化エネルギーとC0は染料によってかなり異ること,反応の活性化エネルギーは130~200kJmol-1の範囲にあることがわかった。また,モノクロルトリアジン系染料は,用いたもの全てほぼ同じ解離定数(pKa〓10.5)を持つこと,染料母体を含めてトリアジン環の置換基効果が非常に大きいことなどが明らかになった。
  • 織田 博則, 北尾 悌次郎
    1986 年 42 巻 2 号 p. T102-T106
    発行日: 1986/02/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    全照射下(λ>300nm)における染料の耐光性改善を目的として,可視光照射下(λ>400nm)において顕著な染料の光安定化をもたらすスルホン酸のニッケル塩を紫外線の吸収が可能な蛍光染料の分子内に導入した化合物, 4, 4′-ビスアセトアミドスチルベン-2, 2′-ジスルホン酸のニッケル塩(BAAS-Ni)を合成し,その添加効果を溶液中と固相上で検討した。また同時にp-トルエンスルホン酸のニッケル塩(NTS)あるいは染料分子内にスルホン酸のニッケル塩をもつ染料の耐光性についても同様検討した。その結果C. I. Acid Blue 74, C. I. Acid Blue 45およびC. I. Acid Green 25はBAAS-Niの添加により溶液中および固相上とも,その退色の加速がみられたがローズベンガル(C. I, Acid Red 94)の退色はその添加により著しく抑制された。またNTSあるいは染料分子内へのクエンチャーファンクシ〓ンの導入はいずれの染料においてもその退色の抑制効果を示した。
  • 佐藤 守正, 木下 隆利, 滝沢 章, 辻田 義治
    1986 年 42 巻 2 号 p. T107-T110
    発行日: 1986/02/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    側鎖にトリフェールメタン系染料の一種であるパラローズアニリン構造を有するポリ(L-グルタミン酸) (Rose-PGA)を合成し, UV照射に基づくこのポリマーの二次構造変化を解析した。pH=9.7の水溶液においてRose-PGAは,ランダムコイル構造をとるがUV照射により一部α-ヘリックス構造が形成されることがわかった。また同系のpH=5.7で同様な測定を行なったが,二次構造には何ら変化は生じなかった。一方pH=9.7の水溶液におけるUV測定の結果,パラローズアニリン側鎖はUV照射により光異性化しトリフェニルメタンカチオンを生成することが確認された。したがってUV照射によるポリマーの二次構造変化は側鎖パラローズアニリンの光異性化に基づいていることが裏付けられた。つまりUV照射に伴い側鎖パラローズアニリンが光異性化(トリフェニルメタンカチオン生成)し,グルタミン酸側鎖間の負電荷間の反発を抑制し, α-ヘリックス構造が安定化されると結論づけられた。
  • 小島 盛男, J. H. Magill
    1986 年 42 巻 2 号 p. T111-T114
    発行日: 1986/02/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    PBFPは約90°C[T(1)], 240°C(Tm)に転移点をもち, 2温度間の中間相領域ではhexaticな構造を作る。分子量に依って成長する斜方晶(α型),単斜晶(β型)結晶はT(1)以上に加熱後室温に冷却されると別の斜方晶(γ型)構造に転移する。溶液成長直後のPBFP球晶は共球心で層状にかさなったうすい板状結晶で構成され, Tm以下の温度で加熱してもこの形態はほとんど変らない。しかし,この構造は溶融により消滅し,冷却後は新しい板状結晶の不規則な配列形態に変る。球晶破断面にイオン衝撃後,走査型顕微鏡で観察される微細な規則的縞状模様は分子鎖が球晶切線方向に沿って配列することを示す。このことはPBFP球晶の半径方向は結晶の[a]軸方向に平行であるという従来の観測結果と矛盾しない。
  • 一條 久夫, 末広 哲朗, 長沢 順一, 山内 愛造, 提坂 道明
    1986 年 42 巻 2 号 p. T115-T118
    発行日: 1986/02/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    E. Coli由来のβ-ガラクトシダーゼを,アミノ化又はスルホン化したポリビニルアルコール極細繊維(SFF)上にイオン結合法で固定し,ジメチルアミノ化SFF (D-SFF)が最も優れた担体である事を明らかにした。遊離及びD-SFF上に固定されたβ-ガラクトシダーゼの至適pH,至適温度,熱安定性を測定比較し,それらの値が固定化の影響をほとんど受けない事を確認した。また, D-SFF上に固定されたβ-ガラクトシダーゼをガラスカラムに詰め,連続的に乳糖の加水分解を行った。そして,酵素反応が長期間安定に継続し,活性半減期は約1ケ月であるとの結果を得た。
  • 手代木 琢磨, 大友 輝雄
    1986 年 42 巻 2 号 p. T119-T122
    発行日: 1986/02/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    微結晶性セルロース粉末を濃厚な苛性ソーダ水溶液中, N, N′-ビス(2-クロロエチル)ピペラジン塩酸塩あるいはN, N′-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピペラジンとエピクロルヒドリンとで処理し,新しいセルロースイオン交換体を製造し,滴定曲線をもとめた。さらにそれらの牛血清アルブミンの吸着能をカラム法およびバッチ法で求め,市販品のDEAE-セルロースの結果と比較した。
  • 瀬尾 利弘, 神原 貴樹, 飯島 俊郎
    1986 年 42 巻 2 号 p. T123-T125
    発行日: 1986/02/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    キトサンの化学修飾による機能発現を目的として,カルボン酸無水物によってN-アシル化して各種キトサンゲル粒子(50~300μm径)を得てそのD, L-アミノ酸光学分割の可能性を検討した。トリプトファン水溶液(1×10-5~2×10-3mol・dm-3)中, 30°Cにおける平衡収着量を測定した。N-ドデカノイルキトサンはその疎水基間相互作用のために密なゲル構造をとって元のキトサンよりもL-トリプトファンの収着量は減少したが,より長鎖のN-オクタデカノイルキトサンは,鎖の立体障害によって密なゲル構造をとり得ずトリプトファンの収着量は保持される。置換度0.45のN-ドデカノイルキトサンは, D, L-トリプトファン混合水溶液1.015×10-2mol・dm-3からL体を選択的に収着し,その収着量比(L/D)は60:1に及ぶことがわかった。
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