第3報において述べた第2群の纎維即ち低速度働撃域にて破壊エネルギーが速度増加に伴つて直線的に増加する範囲の見られないナイロン,木綿纎維も,重合度を低下せしめると,それらの直線的増加域が出現し,單純な流動型を示すことを認めた。又第1群の纎維(ヴィスコース人絹及び銅アンモニヤ人絹)について重合度低下の影響を研究し,重合度の低下に伴って破壞エネルギーの極大をあたえる速度位置が高速度側に移行すること,内部粘性係數と重合度との間にFloryの得たPolyester熔融液におけると同型の次式が成立することを認めた。
この結果は分子の或る程度の屈曲頗状態を示すものとし,流動單位が非結晶領域分子或は分子部分であるとする我々の從來の考察を支持すものであろう。
尚試みに藤野・河合氏等の測定によるヴィスコース人絹の〓關係から100°C以下の流動の活性化エネルギー
Eとして約700cal/molを得,この値を用いてFlory流に流動Segmentの大きさを概算し,グルコーズ基4個なる値を得た。
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