顯微鏡を用いて凝固浴中の口金孔に近い部分のビスコース流の形を觀察した。次の如き結果が得られた。
(a)引張りをかけない場合,ビスコースの流徑(口金出口におけるビスコース流の直径)は口金孔徑より大でビスコースに加えた壓力に直線的に比例する。
(b)通常の酸性紡糸浴中で引張りをかけると流徑は紡糸速度と共に變化し紡糸速度がある値をこえると,孔徑より小となる。そして紡糸浴が口金孔内に入り込むが如く觀察される。この現象はビスコース流の再生反應と關係がありNH
4Cl10%溶液を凝固浴として使用した場合には起らない。
この現象は「口金塞り」の一原因であると考えられる。
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