種々の繊維の静的及び動的摩擦係数をレーダー法により, 0~20m/min.の範囲で系統的に測定した。繊維は,ヴィスコースレーヨン,キュプラ,ポリノジック,アセテート,ナイロン4, 6, 11,ノーメックス,ケブラー,ポりエステル,アルカリ処理ポリエステル,ポリエチレン,ポリプロピレン,まゆ型または円型断面をもつビニロン,絹及び羊毛を用いた。断面の形状効果をみるために,種々の形状(円,トリローバル,ペンタゴナル,ぺンタローバル,オクタローバル)をもつポリエステルおよびナイロン単繊維も測定した。用いたすべての繊維は,スケールの方向に測定した羊毛を除き,摩擦係数とシリンダー表面速度の間には同じような関係があった。すなわち,値は速度の増加とともに初期に減少し, 1m/min.で最小値を示し,徐々に増加し, 10~20m/min.で飽和した。羊毛の摩擦方向により値が異った。ポリエステル繊維のアルカリ処理についても検討した。
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