地理学評論
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32 巻, 9 号
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  • 井関 弘太郎, 幸島 荘八郎
    1959 年 32 巻 9 号 p. 457-468
    発行日: 1959/09/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    標準貫入試験をともなう100本以上の試錐をもとにしたわれわれの研究により,濃尾平野海岸地帯の冲積層の下には3段の侵蝕面のあることがわかつた.(1)現海面下0~10mにある上位面は,濃尾平野の南東部にみられる.この面は冲積世中期以後に形成された海蝕棚と思われる.(2)地表面下20~30mにある中位面は,海面が現在のそれより約40m低位にあつた洪積世後期に,河川侵蝕により形成されたものと思われる.(3)下底面は同平野の西部にみられ,現海面下40~55mにある.この面は,最終氷期の最低位海面時における,冲積世前木曽川穿入谷の谷底である.
    濃尾平野における上記の埋没地形は,京浜地方および浜松地方におけるそれと一致し,またH. N. Fiskが研究したミシシツピー下流部冲積谷とも非常によく似ている.
    これらの地域における地形の類似性は,それらの地形が洪積世後期ないしはその後における海面の変動に制約されていることを暗示している.これらの地形の存在は,洪積世後期における海面が次のような過程で変化したことを示したことを示している.(1) 洪積世の高位海面期後,海面は現海面下30~40mの深さまで低下した(A期).(2) つぎに洪積世後期の最低水準まで,海面はふたたび低下した(B期).
    埋没支谷の上流部まで回春がおよばなかつたことからみて,穿入谷の存続期間は比較的短期間に限られていたことは明らかである。A期はB期より短かかつたと思われる.
  • 千葉 徳爾
    1959 年 32 巻 9 号 p. 468-480
    発行日: 1959/09/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    野生大型哺乳類の分布は,それらを人類の居住空間における競争者とみなすとき,地理的に意義がある.動物を熊・羚羊・鹿および猪に限り,地域的には最も資料の豊富な九州島の北半においてこれを検討した.とくに,国東半島については種々の資料と実地調査とにもとづいて,野獣の生態と環境の歴史的変遷の吟味を行なつた.
    得られた成果を要約すれば,銃器の進歩によつて人類の攻撃による個体の減少が,その増殖数を上回つてきた場合には,地形的にこの地方で人類が農耕によつて生活しうる限界(距離1kmにつき起伏量300m)以上の急峻な部分の存在すること,およびそのような地域に生活しうるか否かの生態的条件を各動物がもつかどうかの2つが,最も重要な分布決定要因となることが確認された.急峻な地形に生存し,かつ分布の最も広いのは鹿であり,この限界以下の緩傾斜地のみに生態的条件によつて居住を制約される猪は,居住空間が人類と完全に重復するために,量的ならびに面積的減少の速度がいちじるしい.
  • 堀江 正治
    1959 年 32 巻 9 号 p. 480-488
    発行日: 1959/09/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 川崎 逸郎
    1959 年 32 巻 9 号 p. 489-493
    発行日: 1959/09/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    (1) 1958年8月10日の浅間火山体東斜面は表層の安山岩角礫層と下部の粗粒軽石層の2層から作られていた.この2つの層から採取した2mm以下の試料について粒度組成を明らかにすることができた.
    (2) 1/2φ目盛の篩の試用結果は本調査では適当と認められたが,できれば1/3φ目盛を使用したい.
    (3) Mdφ, Qdφ, Pdφ,ともに高さによる変化は明らかでないが,同一地点でも地表と-50cmの試料には採取地点によりいちじるしい差を認めた.概して地表部分が-50cmより小さい値となつている. MdφがSt.10 (2,124m)の平坦地付近を境として変化しているほかPdφ, Qdφともに地形との関係は明らかでない.
    (4) 地表の安山岩礫と-50cmの粗粒軽石の中にそれぞれ混在する2mm以下の細粒は異質のものであり,また第4図にみられる地表と-50cmの粒度組成状態のずれとを併せて考えると,浅間山の火山活動の規模による堆積が-50cmの付近に不連続面を作つたものと考えられる.
  • 1959 年 32 巻 9 号 p. 494-506_2
    発行日: 1959/09/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1959 年 32 巻 9 号 p. 506
    発行日: 1959年
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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