地理学評論
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43 巻, 9 号
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  • 菊地 利夫
    1970 年 43 巻 9 号 p. 517-526
    発行日: 1970/09/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    近世において,片品川流域の山村は二面的性格を持っていた.現代の山村は「山間における農業集落」という性格だけである.近世山村は,ある期間には林業集落となり,林業がおとろえると農業集落になるという二面的性格の半面をかわるがわるに展開させた.しかも林業集落の時期には人口収容力が大きくなり,人口も戸数も農業集落の時期より約2倍にも増加し,食料需要が大きくなり,焼畑がさかんに開拓されたP林産がへると人口が減少し,焼畑は耕作放棄されて林業集落から農業集落に変っていった.
    片品川流域において,近世に「林業集落から農業集落へ」という変化が2回も出現した.片品川流域の主な歴史的事象一真田藩の寛文検地,茂左衛門の直訴,幕府領としての貞享検地,土岐藩の「みどり事件」一は山村の2面的性格の出現過程において理解しなけれぽならない.封建的林野制度の下につくられた山村には現代資本主義的林野制度の下の山村とは異なる性格があったことを知れば,林野制度を変えれぽ未来の山村の性格も現在の山村と異なるものになるだろうことも考えられる.
  • 西沢 利栄
    1970 年 43 巻 9 号 p. 527-534
    発行日: 1970/09/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    流量 (Q) と流域の面積 (A) との関係は,一般にQ=jAmで表わされているが, Aで表現される流域の幾何的特性を,各水流次数の総延長におきかえ,流量と流域の幾何的特性の関係を求めた.さして,神流川流域と庚申川流域における流量観測の結果から,表面流出のない場合についての理論の検討を行った.
  • 井口 正男, 町田 貞
    1970 年 43 巻 9 号 p. 535-547
    発行日: 1970/09/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    鹿島海岸沖浜帯における浮遊砂の拡散係数の検討を行った.浮遊砂の採取は1968年6月~11月に捕砂竹を繰返し設置して行った.
    単位時間当りの平均捕砂量qと海底からの高さyとの間には,q=ay-bの関係が得られたが,捕砂竹設置期間中の波の強さの平均値が大きいと,y<1mqが急激に大きくなる傾向があるようにみえた.
    しかし,捕獲砂の粒度組成と捕砂竹設置期間中の波とを検討した結果,捕獲砂の粗粒部が強い波のとき,細粒部が波の弱いときに捕獲されたとみることが妥当なようである.このように考えると,浮遊砂の拡散係数は海底面の影響をも考慮した式(8)の海水の運動量輸送係数とよく一致した.
  • 青木 英一
    1970 年 43 巻 9 号 p. 548-566
    発行日: 1970/09/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    本研究は,工業の地域的作用について,主として雇用関係の面から,四日市市を事例として考察したものである.
    第2次世界大戦後,外来の大工場とりわけ石油化学コンビナートによって労働市場を圧迫された地元の中小工場は,労働力確保のため,郊外の農家労働と雇用関係を結ぶようになり,工業地域の拡大が行なわれた.しかし,農家の完全な脱農化は進まなかった.工業と農家との間の雇用関係をみると,経営耕地面積の比較的大きい農家では大工場へ勤めるものもみられるが,小さい農家ではほとんどが中小工場へ勤めるのみで,夫婦共かせぎ世帯も多い.
    一方,賃労働者は,まず,地元出身者と他からの転入者とに区別される.一般的に,地元出身者は中小工場へ,転入者は大工場へ勤める傾向を示している.そして,親が中小工場へ勤める世帯の子供は,親と同様に中小工場へ勤めることが多く,親が大工場へ勤める世帯の子供は,大工場や市外の工場へ勤めることが多い.
  • 矢田 恒晴
    1970 年 43 巻 9 号 p. 567-571
    発行日: 1970/09/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1970 年 43 巻 9 号 p. 572-579_2
    発行日: 1970/09/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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