Hort nにより見出された流域に関する水路数の法則,水路長の法則,流域面積の法則は, Strahlerによって修正された次数の定義にしたがっても,実測された殆んどの流域・また酔歩や位相幾何学の方法によってランダムにつくられた水路網 (channel network) について,概略なりたつことが証明されている.しかし,水路数の法則についてより細かく考察すれば,同一流域内においては次数が大きくなるとともに, 1次違いの分岐比が小さくなる場合が多いことが,これまで何人かの研究者によって指摘されている.
著者はかつて豊平川(北海道)での実測値の統計的分析により,水路数と次数の関係をより正確に表現する式を発表した.本論では,この式に対して,位相幾何学の方法もとりいれて一層の検討を加えるとともに, Hortonの流域面積の法則,水路長の法則も修正してより合理的な式を導き,さらにこれらの式の相互関係を明らかにする.
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