地理学評論
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39 巻, 12 号
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  • 森滝 健一郎
    1966 年 39 巻 12 号 p. 757-786
    発行日: 1966/12/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    戦後,発電・工業・上水道などの用水需要が急速に増大したが,新河川法の施行によりこのような資本主義的水利の河川への本格的な進出に道が開かれ,従来の河川水利秩序は大きく再編成されるであろう.その場合どの河川でどのような問題が生じるかということを予想するためには,まず河川水利秩序の現状を把握しておかなければならない.このような問題意識にたって北海道を除く全国55水系の河川を水利秩序という側面から分類してみた.水利秩序は水利施設相互の諸関係として現われるという見方にたって, (1)主な施設の数, (2)各種水利施設問の制約・被制約関係, (3)各施設のもつ水利権の性格, (4)取水上の定め,の4指標によって,一般に水力発電や公権力の河川水利への介入の進んでいる「東北・関東・北陸型」,慣行的水利秩序の形成の進んでいる「東海・瀬戸内・北九州型」(この2つの地域的類型は支配的大用水の存否などによりさらにそれぞれ3グループに細分できる.),水利秩序形成の遅れている「山陰・西南九州型」の各類型を得た.
  • 小畑 浩
    1966 年 39 巻 12 号 p. 787-801
    発行日: 1966/12/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    従来,山陰地方は段丘地形の発達が乏しい地形だと言われていたが,かなりの河成・海成・湖成の段丘群や火砕流台地があり,これらのほとんどは,褐色の粘土質火山灰(いわゆるローム)に覆われていることが認められた.著者はこの調査によって大山周縁地域の段丘群,火砕流台地,その上の火山灰の実態を明らかにし,かつ,その地形発達史を考えようとしたものである.火山灰の状態は Fig. 1~3に,地形面の分布はFig. 5~7にそれぞれ示した.また,地形発達は火山灰の対比から決められたが,その一部はC14によって絶対年代が明らかになった.これらの資料をまとめたものがTable 1である.
  • 白井 哲之
    1966 年 39 巻 12 号 p. 802-819
    発行日: 1966/12/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    米代川流域の低位段丘砂礫層を用いて,水中堆積した浮石質砂礫の堆積状態を観察し,これを堆積させた水流の状態を解釈することを試みた.まず段丘地形の分布や形態を調べ,これから当時の水流の状態を推測した.ついで段丘砂礫層を観察し,これを粒径や礫種を中心にして5つの層相に分類し,従来の堆積相についての解釈を適用して,これらの層相を解釈した.その結果からみた水流の状態と地形からみたそれとの間に矛盾があることを指摘した.この矛盾は浮石質という水に対して特徴をもつ砂礫の性質を考慮しないために生じたと考えた.それ故,浮石質の特質を考慮した砂礫分析を行ない,その分析にもとついて各層の解釈を行なった.その結果,地形と段丘砂礫層との間に存在した矛盾は解消した.水中に堆積した浮石質砂礫層にあっては砂礫層よりも大きな流速のもとで形成され,石質砂礫層の場合とは異なることが判明した.
  • 1966 年 39 巻 12 号 p. 820-826,1_2
    発行日: 1966/12/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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