地理学評論
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43 巻, 8 号
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  • その緩慢化現象の地域差について
    籾山 政子, 片山 功仁慧, 福田 勝久
    1970 年43 巻8 号 p. 445-463
    発行日: 1970/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    現代の死亡の季節変動形態は,大別して“冬季集中型”と“緩慢型”とになり,前者は日本及び西欧諸国に,後者は北欧及び北米大陸にみられる.しかも両形態は歴史的にみれば,それぞれ変遷を示し,冬季集中型はますます集中化し,後者は一層緩慢化する傾向にある.
    一般にこれら地域の暖房様式の違いが,変動形態の相違を招来したと考えられる.即ち緩慢型地域は冬季の気温が零度以下の低温に達し,大規模暖房なしには環境に適応し得なかった.集中暖房,地域暖房による人工気候造りが,社会の進展につれて,本来の冬山低下,即ち緩慢化の形成を招来した.一方,冬季集中型地域は冬季も比較的温暖なため,室内の人工気候は却って寒:冷に経過し,相対的に冬山低下をはぽんでいる.夏山の克服につづく,冬山克服への努力が要望される段階に来ている.
    また,詳細な地域的考察を行うと,見事な緩慢型を示すアメリカも文化的地域では緩慢化が著明だが南部の後進的地域,ことに黒人は冬季集中型を呈するなど地球差は顕著である.
  • 横山 勝三
    1970 年43 巻8 号 p. 464-482
    発行日: 1970/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    姶良カルデラ北方に分布する入戸火砕流堆積物の堆積面は,v般のカルデラの場合と異なり,その噴出源である姶良カルデラの内側へ向って緩傾斜で低下している.堆積面のこうした高度分布の原因を知るために,堆積面の形態,堆積物の産状,地質構造などを調べ,溶結作用および地盤運動の影響などを検討した.
    溶結に伴う堆積物の収縮量(堆積面の低下量)は,最大でもせいぜい30mであり,堆積面の全体的な高度分布を著しく変えるほどの量ではない.
    入戸火砕流の堆積後,それを変位させたような顕著な地盤運動が起こった証拠はない.
    堆積面の全体的高度分布,火砕流堆積物全体の厚さ,溶結部の厚さ,溶結程度などは,全体として姶良カルデラの方へ向って開いた湾状の基盤地形と良く対応して変化する.
    以上の事実から,入戸火砕流堆積物の堆積面がその噴出源の方に向って傾いている原因は,この火砕流がおおまかな基盤地形に対応して堆積した結果であると考える.
  • 井上 茂
    1970 年43 巻8 号 p. 483-496
    発行日: 1970/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    西南日本内帯の丹波山地や中国山地には,山頂や山腹そして山麓部に種々な小起伏面が存在し古くから研究の対象とされてきた.そして近年はこれらが気候地形の立場からも問題とされるにいたっている.筆者はこの中の山麓部に存在するものについて若干の考察を行なったのでここに報告する.
    研究地域は丹波山地の西南部で,兵庫県篠山盆地の西南にある.この地域はほとんどが流紋岩質の凝灰角礫岩を主体とした酸性の火山岩類である.また東北-南西,ついで南-北の方向の構造線が著しく発達していて,山麓緩斜面はこれらの構造線に沿って発達している.山麓緩斜面は,急傾斜の山腹斜面との間に明瞭な遷急点をもって境され,凹形の縦断形を示す.平面的には谷の方向に沿って細長くのびている場合が多い.構成物質は基盤岩石の風化生成物や崖錐状堆積物である.また緩斜面はこれらの構成物質の堆積面ではなくて,概括的に言って,基盤岩石が風化・侵蝕を受けたところの侵蝕面である.
    山麓緩斜面の形成営力や機構,そして形成年代については将来の研究によって解明したい.
  • 杉村 暢二
    1970 年43 巻8 号 p. 497-501
    発行日: 1970/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1970 年43 巻8 号 p. 502-506,513_2
    発行日: 1970/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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