地理学評論
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35 巻, 5 号
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  • 鈴木 秀夫
    1962 年 35 巻 5 号 p. 205-211
    発行日: 1962/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    資料としては,もっとも密度の細かい区内観測所を使用し,方法としては,気候は毎日の天気現象の綜合であるという定義にできるだけ忠実に,日本の気候区分を行なった.その結果,寒帯・中緯度気候帯,裏日本気候区・準裏日本気候区・表目本気候区,多雨区・少雨区の組み合せによって9つの気候区を認め,とくに境界線に注意して区分した。
  • 近世城下町の都市域構造とその変質について (2)
    松本 豊寿
    1962 年 35 巻 5 号 p. 212-223
    発行日: 1962/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    18世紀も中葉以降になると近世城下町の変質が進行する.この変質は型態的なたんなる城下都市域の後期的膨張にはとどまらない,軍営都市を表象する囲郭都市的構成が,都市周辺部においてくずれる点に注意すべきである.城下町変質の内容においてもっとも重要なものとして,ここに取り上げたいのは個有な封建都市的構造の弛緩と解体であろう.本来的な士庶居住区分制は次第に崩壊し,下級侍町は機能的には事実上町屋化する.侍町と町屋の身分的職種的二元原理にたつ双分都市としての近世城下町は,もはや解体への一路をたどるのである.独占的営業制が自由営業制に代り,経済都市への成長が目立つようになる.特権的街区の否定は旧い封建的都市域分化の修正をもたらさずにはおかない.この場合,地理学課題の1つとして問題になるのは城下都心の移動と再編である.
    身分制と特権制都市の変質は城下町近代化への一歩前進を意味し,領主的軍事都市より市民的経済都市への傾斜を準備する.この過程において東北目本と西南目本の地域差が問題となるが,その解明について今後に残された課題がすこぶる多い.
  • 丸井 博
    1962 年 35 巻 5 号 p. 224-241
    発行日: 1962/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    炭田における石炭生産状態を決定する有力な背景として,石炭市場の性格がある.炭田における石炭生産活動のよりよい研究のためには,石炭市場についての理解を欠くことはできない.この意味で,日本における石炭消費と国内炭との結びつきのパターンにみられる地域性の解明を試みた.
    本研究は,まず,日本における国内炭の消費と供給のパターンを明らかにした後, 3規準にもとついて,'国内を16の市場地域に区分した.ついで,各市場に対する九州,北海道,常磐,山口の各生産炭の流入の地域的相違を明らかにした.石炭市場の解明は,生産炭と市場構成因子との結合関係の分析に重点をおいた.各市場の構成因子として,電力,鉄鋼,一ガス,窯素,紙・パルプ,化学を始めとし,食品,繊維,暖房,交通など,17の消費部門をあげ,全国16市場にわたって,流入炭との関係を求めた.そして,各市場因子の組み合わせとその消費比重の相違によって石炭市場の性格と規模がきまり,これに市場の炭田に対する位置関係がからんで,市場と生産炭との流通機構が形成されていることを明らかにした.
  • 1962 年 35 巻 5 号 p. 242-250
    発行日: 1962/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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