地理学評論
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36 巻, 2 号
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  • 木曾 敏行
    1963 年 36 巻 2 号 p. 87-109
    発行日: 1963/02/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    つぎのような問題を中心として,木曽川流域の地域発達を明らかにしてゆきたいと思う.
    1) 木曽川流域の,阿寺山地,二ツ森山地塊,見行山地塊にみられる,高度を異にするいくつかの平坦面および砂礫層の性格と相互の関係
    2) 恵那盆:地の形成と盆地における木曽川の流路の問題.
    3) 見行山地塊の運動と地形面の変位.
    4) 土岐面の性格。
    5) 土岐面以後に形成された地形.三つの地塊にはそれぞれ三つの平坦面が認められ,阿寺山地では,上位1,400~1,700m,下位900~1,200m(中・下位面の比高が小さく,はつきり区別できない),二ツ森山地塊では800~1,000m, 600m±, 300~400m, 見行山地塊では700~900m, 350~700m, 250~500mである。また上位は山頂平坦面,中位は山麓緩斜面,下位は土岐砂礫層からなる平坦面で, Profile, 比高などからも相互に対比される.上・中位面の形成後,阿寺山地と飛騨美濃高原を分つ阿寺断層崖が形成され,断層崖およびBackslopeを開析する過程で産み出された礫が土岐砂礫層の主要部分を占め,さらに上流から運びこまれるchertなどの礫を含んで,下流地域に堆積している.この土岐砂礫層は最厚80mにおよぶ,層相変化の激しい堆積物であるが,礫径,礫種,累層の追跡によつてひとつづきの堆積物と認められ,主な堆積地域である見行山地塊においては,砂礫層のつくる地形面は,平坦さ,連続などから堆積面と考えられる.土岐面は見行山地塊の傾動によつて,ややSWに傾いている.またこのため木曽川も見行山地塊東部において,先行谷となり,深い峡谷をつくつている.さらに土岐砂礫層の中・下部にあたる部分が堆積後,屏風山断層が活動して,岩村盆地は飛騨美濃高原から分離している.以上のような事実をもとに,さきに発表した「恵那盆地を中心とする二ツ森山地塊の地形発達の研究」, Field survey, 写真判読,図上作業などの結果を合わせて発達史を考察する.
  • 森滝 健一郎
    1963 年 36 巻 2 号 p. 110-128
    発行日: 1963/02/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    「高度成長」下の農業経済の急速な変化の過程で,水資源開発を主軸とする地域開発がどのような意味.をもつかという問題について,愛知用水事業の対象となつた地域を例にとつて明らかにしようとした.愛知用水計画は本来,基本的には農業水利開発による農業の振興を目的にしている.関係地域内の農家は反当6~8万円の負担金を払わなければならない.ところが急速な農民層分化のために,この負担金支払を農業経営発展のための有効な設備投資とみなしうる農家は一部の上層に限られるであろう.経営規模1町歩前後の中農についていえば・愛知用水導入による農業労働日数の削減を兼業労働にふりむける農家が多いものと思われる.関係地域内で多数を占める6~7反歩またはそれ以下の下層農家の大部分にとつて,負担金支払は自給作物の生産費を高めるだけのものとなり,かれらの多くは愛知用水導入を機会に,農業経営を縮少するか,雑農をよぎなくされるであろう.このように,愛知用水事業は現在進行中の農民層分化を促進するものと考えられる.また土地改良事業の通例としてこの事業のうけいれには,農村社会の共同性がある程度必要であるが,商業的農業の発展の結果,'上層農家相互間に経営の個別性,排他性が強くなつており,これが農業水利開発事業の進展を困難にしている・一方・中京工業地域の発展の結果,工業化,住宅地化の波が関係地域の農村に及び,愛知用水「受益」農地の面積を減らすだけでなく,土地価格の高騰を招いて,農地への投資意欲を減退させている.このようにして・地域全体として農業用水への需要は減り,その減り分はなんらかの形で,増大する工業用水需要の充足にあてられるものと思われる.
  • 1963 年 36 巻 2 号 p. 129-140_2
    発行日: 1963/02/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1963 年 36 巻 2 号 p. 141
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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