繊維学会誌
Online ISSN : 1884-2259
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46 巻, 10 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 福田 光完, 上田 道子, 江本 アヤ, 河合 弘廸
    1990 年 46 巻 10 号 p. 415-432
    発行日: 1990/10/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    羊毛ケラチン中のアミノ基およびカルボキシル基の水分吸着能を定量化するため,ニュージーランドラスター48s羊毛の部分脱アミノ化(Slyke反応)およびカルボキシル基のエステル化(メチル化反応)を3段階にわたり実施した。未処理原試料を含めこれら処理試料の水分収着率および湿潤熱の測定を,乾燥から飽和収着の全域にわたって30°Cの恒温において行った。化学修飾では完全脱アミノ化およびエステル化物は得られないので,各試料の水分収着率のデータをこれら極性基濃度ゼロへ外挿することによって,完全脱アミノ化およびエステル化物の等温水分収着率曲線を推定した。
    未処理および部分処理試料と完全処理試料との等温水分収着曲線の差曲線をB. E. T.の多分子層吸着式によって解析し,アミノ基およびカルボキシル基当り単分子層吸着様式によって吸着されている水分子数は,極性基の低濃度側において1および1.3個,高濃度側において2.5および2.0個と評価された。カルボキシル基当りの値は妥当と考えられるが,アミノ基当りの値は化学修飾によって生じる水酸基の影響をうけ過少に評価されている可能性がある。
    乾燥状態における湿潤熱測定の結果から,アミノ基およびカルボキシル基当りの水和熱は6.7および9.1kcal/moleと評価された。アミノ基当りの値は上述の理由で過少評価されている可能性がある。また乾燥状態の未処理試料に対して微分吸着熱(水和エンタルピー)の値が4.91kcal/mole of liquid waterと評価され,この値はSpeakemanによる5.8kcal/mole of α waterに比較して若干小さい。
  • 許斐 毅志, 山本 之子
    1990 年 46 巻 10 号 p. 433-440
    発行日: 1990/10/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    The freezing (crystallization) and melting behaviors of the water adsorbed on wholly aromatic polyamides (aramids) were studied by DSC in comparison with that of aliphatic and alicyclic polymers and the mobility of the adsorbed water on aramids was discussed. The crystallization peaks of the bound freezing water in DSC thermograms for Nomex and Kevlar 29 were found for samples with lower water contents and at higher temperature than for aliphatic and alicyclic polymers. Two crystallization peaks, due to free and bound water molecules, of the aramides merged gradually into a single peak at a higher temperature when the amount of the free water was increased. The water molecules adsorbed on aramids seem to behave as more loosely bound molecules than those on aliphatic polyamides. The molar amounts of non-freezing water on aramids and aliphatic and alicyclic polyamides were all nearly equal to the molar amounts of amide groups in their amorphous region. The total molar amounts of non-freezing and bound freezing water molecules on aramids and aliphatic polyamides were estimated as 2.3-2.8 times those of the amide group in the amorphous region.
  • 西尾 嘉之, 広瀬 直人, 高橋 利禎
    1990 年 46 巻 10 号 p. 441-446
    発行日: 1990/10/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    Melt-crystallization behavior of poly (ethylene oxide) (PEO) in its blends with cellulose (CELL) was studied by differential scanning calorimetry (DSC). Blend samples were prepared from solutions in dimethylacetamide-lithium chloride by coagulation in a nonsolvent. Crystallization isotherms obtained at various temperatures for pure PEO and PEO-rich blends were analyzed by the application of a well-known Avrami equation. On increasing the CELL content of the samples, the overall crystallization rate became slower, while the Avrami exponent remained almost constant or tended to be larger, when compared under the same condition of undercooling. The observed dependence of the PEO crystallization kinetics on blend composition is quite similar to that found for other miscible crystalline/amorphous polymer blends. The slower crystallization kinetics of PEO in the blends was explicable in terms of a diluent effect of the CELL component. It was also found that the addition of CELL to PEO resulted in only a little reduction in the surface free energy of folding, σe, of PEO lamellar crystals.
  • 清造 剛, 堤 直人, 好田 充雄, 永田 実
    1990 年 46 巻 10 号 p. 447-451
    発行日: 1990/10/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    新規な規則性ネットワーク構造を有するポリアミド繊維をトリメシン酸クロリドとヘキサメチレンジアミンから反応紡糸とそれに続く後重合によって製造した。すぐれた機械的性質を有する繊維を得るために反応紡糸および後重合の最適条件を検討した。得られた繊維は濃硫酸に不溶であり,多数のボイドの存在が認められた。反応紡糸によって得られた繊維は後重合によって,ある程度の秩序性構造が形成され,そして熱安定性が向上した。
  • 顔 明雄, 陳 建智
    1990 年 46 巻 10 号 p. 452-456
    発行日: 1990/10/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    ウェットキュアあるいはポリセット加工により処理した布中の架橋構造と物性について検討した。ウェットキュア加工した布中の架橋長はパッドドライキュアおよびポリセット加工の場合と比較して長かった。同じ架橋構造のもので比較すると,二段階ウェットキュア加工した布は,パッドドライキュアあるいは二段階ポリセット加工した布よりも良い乾,湿しわ回復性を示した。これは水素結合の保護作用の向上および膨潤度の増大に基づくものと考えられる。ウェットキュア加工した布の乾,湿しわ回復性と膨潤度は処理時の布の吸湿量に依存した。
  • 清水 義雄, 石川 忠, 古川 貴雄, 香山 展重, 鳥羽 栄治, 近田 淳雄
    1990 年 46 巻 10 号 p. 460-469
    発行日: 1990/10/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    人件費の剤減や安定した検反を行うためには,検反工程の自動化が必要である。本研究では,検反対象である布画像をテレビカメラより入力し,パターン認識により,欠陥の有無の判定と欠陥種の識別を行った。同時に複雑なシステムの全体の制御に知識工学的手法の適用を試みた。このシステムは,布画像入力,画像前処理,布面像テンプレートの作成,欠陥特微パラメータ抽出,布欠陥識別,システム推論機構,ユーザーインターフェース等の各モジュールを備えている。これらのモジュールは,その機能を発揮するために,同時生起行列を利用したテンプレートの作成,統計的マッチングの方法を適用した欠陥特徴パラメータの抽出,欠陥特徴パラメータと識別関数による欠陥種の識別等の種々の工夫がなされている。10種類の欠陥布(正常布を含む)を用いた識別結果は,良好であった。!類似した欠陥種間では,誤った結果を導く例もあったが,欠陥特徴パラメータの拡張や面像識別に知識を用いる等の工夫により,より優れた認識結果が期待される。
  • 林 寿郎, 岩月 誠
    1990 年 46 巻 10 号 p. 470-478
    発行日: 1990/10/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    種々の異なる共重合組成からなるコポリペプチド繊維の表面にリポプロテインリパービ(LPL)を共有結合により固定化させ,それらの触媒活性および酵素安定性について検討した。繊維素材としては,コポリ(L一グルタミン酸/L-ロイシン)およびコポリ(L-グルタミン酸メチル/L-ロイシン)を選び,前者はカルボジイミド法で,後者は酸アジド化法で,それぞれ酵素分子を共有結合させ。また,前者ではオリゴグリシンをスペーサーとして用い,酵素活性に及ぼすスペーサー効果についても検討した。低分子基質には, P-ニトロフェニルラウレート(pNPL)を選んだ。共有結合による固定化にもかかわらず,酸アジド化法によるものでは,未固定の場合に対する相対活性が極めて高く,一方,カルボジイミド法によるものでは,スペーサー効果が顕著に示された。固定化に伴い,ミカエリス定数が変化した!また,固定化することにより,酵素活性のpH依存性が変化した。さらに,耐熱性,反復使用に対する耐久性,保存安定性などは,いずれも,固定化によって大きく改善された。
  • 宮坂 啓象
    1990 年 46 巻 10 号 p. P431-P443
    発行日: 1990/10/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 中前 勝彦
    1990 年 46 巻 10 号 p. P444-P452
    発行日: 1990/10/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 辻 啓介
    1990 年 46 巻 10 号 p. P453-P457
    発行日: 1990/10/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 神谷 義紀
    1990 年 46 巻 10 号 p. P458-P461
    発行日: 1990/10/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 多田 宰
    1990 年 46 巻 10 号 p. P462-P465
    発行日: 1990/10/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 生川 洋, 野口 栄重
    1990 年 46 巻 10 号 p. P466-P470
    発行日: 1990/10/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 先駆的発明以来10年を経過して
    井口 正俊, 京谷 裕子
    1990 年 46 巻 10 号 p. P471-P476
    発行日: 1990/10/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
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