地理学評論
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42 巻, 5 号
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  • 温泉観光地の研究 第2報
    山村 順次
    1969 年 42 巻 5 号 p. 295-313
    発行日: 1969/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    温泉観光集落の発達と構造に関する一般的傾向の把握を目的とし,東京観光1次圏内の温泉観光地のうち,俳香保・鬼怒川の両温泉を選定して研究を進めた.本稿では,とくに観光資本の性格の差異とその変質過程とを注目するとともに,温泉観光集落の経済的機能の実態把握に努めた.
    近世初期に確立し,歴史性を有した伊香保は,少数の有力地元資本や町当局が温泉地開発のイニシアチブを握って,外来資本に対して閉鎖的姿勢を示し,それゆえ観光産業化のテンポが遅れがちで,観光市場もローカル性で特色づけられた.これに対して,昭和初期に成長した新興の鬼怒川は,地元資本の外来資本導入の開放的姿勢のもとに,交通資本をはじめとする中,観光資本の積極的な観光開発や宣伝活動が展開され,観光産業の高度化や観光市場の広域化を促進させたことが明らかとなった.
  • 大迫 輝通
    1969 年 42 巻 5 号 p. 314-329
    発行日: 1969/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    日本の中心的な養蚕地域における農家の兼業,とくに兼業率・兼業種類について類型分析を行ない,さらにそれぞれの代表地域の事例研究によって,兼業の性格と構造,ならびにそれのもつ意義について比較考察した.これにより,つぎのような事実がほぼ明らかとなった.
    まず,山間養蚕村においては,とくに養蚕と兼業への強い指向がみられるが,この場合の兼業は,自律的兼業ともいうべく,現金収入源あるいは過剰労働力燃焼の手段として,早くから経営の一部に組み入れられ,定着したものとなっている.ここでは,兼業化の進展とその深化は普遍化して,階層的特徴:はうすく,また,その分解ないしは離農・離村と必ずしも結びついていない.
    これに対し,平地の養蚕地域においては,工業発展の影響によって,通勤兼業化が進み,農業の粗放化や養蚕農家率の低下が著しい.都市化ないし工業化の直接的な影響によるこのような他律的兼業化の進展は,一部の零細通勤兼業農家の離農を促進しつつあるが,他方では,専業農家を中心に,養蚕・園芸・酪農等による集約化,多角経営化も進みつつあって,農家間の分極化ないし分解の傾向が顕著にうかがわれる.
    近年,日本の養蚕農家ないしは養蚕地域において,とくに兼業化の進展が著しく,かつての専業(農家)的性格はうすれている.このような養蚕地域における兼業的性格の深化は,日本の養蚕立地重心の平地→山地への漸次的移行に伴う,山聞村の自律的高兼業率地域の養蚕比重の相対的な増大と密接に対応している.そうしてかかる変化は,今後いっそう強まることが予測される.
  • 鈴木 秀夫
    1969 年 42 巻 5 号 p. 330-338
    発行日: 1969/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    毎日の気候資料から,エチオピアの気候像を組み立てた.エチオピアには大小2つの雨季があるといわれてきたが,小雨季は2回あって計3回の雨季に分かれることを明らかにした.大雨季は赤道西風によるものであり,小雨季は2回ともインド洋からの気流の流入による.ただし南西エチオピアで大雨季の長い所では,降水はほとんど1つの山になり,南東エチオピアでは風下のため大雨季がなく,降水の山は2つになる.これらのことを水平的および垂直的分布図で明らかにした.
  • 石水 照雄
    1969 年 42 巻 5 号 p. 339-340
    発行日: 1969/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1969 年 42 巻 5 号 p. 341-347_3
    発行日: 1969/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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