地理学評論
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53 巻 , 10 号
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  • 杉浦 芳夫
    1980 年 53 巻 10 号 p. 617-635
    発行日: 1980/10/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    心理学における尺度構成法の一つである多次元尺度構成法 (MDS) は,距離メトリックの変換による空間分析を可能とするものである.本稿では,まず,認知空間 (Cognitive-space),時空間 (Time-space) 等の多次元表現に用いられてきた,ノンメトリックな(非計量的) MDSの一種であるM-D-SCALを紹介した.続いて,名古屋とその隣接主要都市でのアジアかぜ(1957年)の流行を事例としながら,時空間において拡散問題を検討してみた.M-D-SCALによって復元された2次元の時空間座標を用い,アジアかぜ発生月日の地:域傾向面分析を行なった結果,2次地域傾向面によって全変動の約75%が説明されることがわかった.これは,物理空間 (Physical space) において十分抽出しえなかった距離成分の抽出を可能にしたことを意味するとともに,空間的枠組に現象を近づける従来の分析とは異なり,現象に空間的枠組を近づけるといった,距離メトリックの変換による空間分析の有効性を示すものである.
  • 野上 道男
    1980 年 53 巻 10 号 p. 636-645
    発行日: 1980/10/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    段丘崖の斜面発達について, Hiranoのモデル(1975)のうち次の式(2)を基礎方程式として採用し,その正当性を実測値から検証した.
    従順化係数aの計算・算出法は平野(1969など)によって原理が述べられているが,ここでは次のような簡便法・迅速法によった.(イ)解析解による方法では,式 (2) の解である式 (5) の値を正規分布表から求め,実測値との残差平方和が最小となるような(最小自乗法)aを求めた.なお経過時間tは崖下の段丘面の時代から与えられる(野上, 1977).
    (ロ)正規確率紙による方法では実測断面形をプロットし,標準偏差σを読みとると式(7)からaの値が求められる.
    a2/2t (7)
    この方法は原点x=0における勾配のみを用いる方法よりは迅速性に欠けるが,実用上十分な精度が得られる.
    解析解による方法で求めた十勝平野の扇状地礫層の従順化係数aは崖高13.4~50.7mの範囲の16サンプルで,平均5.9×10-3(m2/yr),標準偏差1.5×10-3(m2/yr)であった.これらのサンプル断面形については理論断面形への適合性がきわめて良好であり,式 (2) によって表わされるモデルが妥当であることを示している.なお適合性が悪くなる原因について若干の考察を行なった.すなわち,モデルで想定しているものと異なるタイプのプロセスである滑落がみられる場合には,確実に適合性が悪化する.時間の経過と共に適合性が次第に悪化するのは凹斜面部の占める割合が増加することと対応している.また従順化係数aの値が初期条件としての崖高u0に依存するという傾向がみられる.これらの事実は,式 (2) によって表わされる斜面発達モデルの有効性を検討する際に重要な意味を持つが,その解決は将来の問題として残された.
  • 田中 正
    1980 年 53 巻 10 号 p. 646-665
    発行日: 1980/10/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    地下水面の低下量とそれに伴う貯留変化量との関係から,関東ロームの比産出率を明らかにした.調査地点は,栃木県今市扇状地の畑地および水田で,表層約7mを関東ロームが覆っている.この地点で1973年4月から1974年1月まで, 7日~10日に1回の割合で中性子水分計を用いて,深度0.2~7.2mまでの土壌水分を20cm間隔で測定した.また,同じ地点においてガンマ線密度計を用いて関東ロームの湿潤密度を測定した.これらの野外観測とは別に,関東ローム構成土粒子の真比重と関東ロームの水分特性曲線を室内実験によって求めた.これらのデータに基づいて,関東ロームの水分特性に関する主要なパラメーターを計算した.その結果,以下の結論が得られた. (1)地下水面の低下量とそれに伴う貯留変化量との関係から求められる比産出率の平均は17%である.また,間隙率と比残留率の差として求められる比産出率の平均は19%であり,両方法によって求められた比産出率の値はほぼ一致する. (2)地下水位の上昇時には封入空気現象が顕著に見られる.この封入空気量から求められる吸水可能間隙率は12%である. (3)関東ロームのヒステリシス現象は毛管水縁の部分において顕著である. (4)関東ローム層中に生起する土壌水の挙動に関するいくつかの現象は,関東ロームの水分特性との関連において矛盾なく説明することができる.
  • 末包 昭彦, 榧根 勇
    1980 年 53 巻 10 号 p. 666-671
    発行日: 1980/10/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    Response of groundwater table to rainfall in a diluvial upland is analyzed by the weighted mean method developed by Tsuboi (1941). This method employs the Fourier series based on the assumption of periodic waves of the input and output. The groundwater level has been used as an output for analysis in previous studies (e. g. Hirata, 1971). The authors employ the amount of groundwater :recharge as :the output because it is the amount of groundwater recharge that directly causes changes in groundwater level. The analysis is also carried out using the groundwater level as the output and the results are compared with that using the amount of groundwater recharge.
    Results obtained are as follows:
    1. The time lag between the rainfall and the amount of groundwater recharge is about 10 days for wells whose groundwater levels are about 70 to 80 meters below the surface.
    2. The groundwater level is affected by rainfall with a time lag of about 3 months. This coincides with a theoretically derived phase difference of π/2.
    3. It may be said that results mentioned above give support to the pressure transmission theory as one of the important groundwater recharge mechanisms.
  • 1980 年 53 巻 10 号 p. 672-676,678
    発行日: 1980/10/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 53 巻 10 号 p. 677
    発行日: 1980年
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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