地理学評論
Online ISSN : 2185-1719
Print ISSN : 0016-7444
55 巻 , 5 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 田中 博
    1982 年 55 巻 5 号 p. 281-291
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    対流圏における準停滞性超長波の季節変動には,年による差異が見られる.この原因を明らかにすることは,大気大循環および長期予報において重要であるが,そのためには,年による差異の実態を明らかにする必要がある.本研究でぽ,半旬平均500mb高度データを用いて,はじめに準停滞性超長波の平均的季節変動を明らかにした.次いで, 500mb高度の標準偏差を計算することにより,年による変動の地理的・季節的差異を求め,さらにアジア大陸東岸のトラフの位置について,年による差異の実態を統計的に解析した.その結果, 500mb高度の年による変動は冬季において大きく,アリューシャン・バフィン島・スカンジナビア半島の3ヵ所に最大変動域が見出された.また,アジア大陸東岸のトラフの位置は30°Nにおいて,冬季・夏季とも経度にして約30°の変動幅を持つのに対し,50°Nにおいては,冬季に約30°,夏季に約90°の変動幅を持つことが示された.
  • 田 京淑
    1982 年 55 巻 5 号 p. 292-312
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    韓国において, 1960年代以降の経済成長は著しく,地域住民の日常的な生活行動の範囲,すなわち生活圏は大きな変化をみせている.それに伴い,住民の生活において重要な機能を果たしてきた定期市もまた変容している.これら生活圏および定期市の変容過程を究明するのが本研究の目的である.
    調査方法はアンケート調査を主とし,それに資料分析と実地調査を加えた.調査地域として忠清北道を選定し, 1940, 1955, 1965, 1980年の4時期における変容を調査した.その結果,次のことがわかった.高次の指標である高級品の購入行動,慰楽行動,農業特産品の出荷行動において変容が著しく,高次中心地の選択が目立っている.定期市は,生活水準の向上に伴ってある段階まで数的に増加するが,やがて交通の著しい発達などにより減少する.さらに,常設市・商店街の増加によって,定期市の機能も変容している.生活圏および定期市の分析から,本地域内において4段階の中心地階層構造が得られた.
  • 田中 和子
    1982 年 55 巻 5 号 p. 313-333
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    空間的自己相関の研究史の展望を行ない,「統計的ノイズから空間的パターンの形成者へ」という概念の拡大に伴って,空間的自己相関概念に基づく,諸係数の計測技法の精緻化と適用分野の拡張とが並行して進展してきたことを指摘した.今後のパターン研究の発展のための課題として,とくに現実のパターンに即した空間構造の特定と,その基本的空間因子(方向性と不連続性)のウェイト・マトリックス中への操作的導入の必要性を明らかにした.大阪市の経済特性に関する,都心部集中型と都心周辺部型の空間的パターンを例にとって,それらの示す都心から外縁へという拡散的な方向性と,円およびリング状の「図」の「境界」部分の不連続性とを検定した.その結果,本稿で採用したアプローチは,空間的自己相関検定に際して,分析上の有効性と可能性を持ち,さらに,一般的なパターン研究にも大きく寄与しうるものであることが確かめられた.
  • 斉藤 享治
    1982 年 55 巻 5 号 p. 334-349
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    集水域面積100km2, 500km2前後の集水域と,土石流が発生しやすい地質(深成岩,凝灰岩,集塊岩)からなる集水域では,扇状地の形成される集水域の占める割合が大きいことを明らかにした.これらの扇状地が形成されやすい集水域の地形・地質条件を解釈することによって,扇状地堆積物の供給・運搬様式を考察した.
    集水域面積200km2以下の集水域では,土石流等によって河床に堆積していた砂礫が,洪水時に一気に谷口まで運搬され,堆積して扇状地を形成する。特に,100km2前後の集水域では,洪水発生頻度が高いので扇状地ができやすい.200km2以上の集水域では,河床堆積物が何回もの洪水によって谷口まで運搬され,掃流砂礫が低地に満遍なく堆積して扇状地を形成する.この場合,集水域が大きすぎても,河床勾配が緩くなり,粗粒の岩屑が運搬されにくい.その結果, 500km2前後の集水域では,扇状地が形成されやすくなったと考えられる. 200km2前後の集水域では,荷重量の相対的に小さい洪水流が発生したときに,谷口に堆積していた岩屑が,侵食・運搬されることもあるので,扇状地ができにくくなったものと思われる.
  • 1982 年 55 巻 5 号 p. 350-357
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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