本研究は, 生物環境を早期に創造する効果のある, 連続空隙を有するコンクリート (NFC) の性質と, その内・外部表面へ付着する海洋生物の遷移を検討した. NFCが海に沈漬されると, その粗い表面と同様に連続した内部空隙は, 水に暴露され早期に中性化し, 海洋微生物が付着・繁殖し, 生物膜層の形成へと繋がる. その結果, これは海水中の有機物を分解し無機化を進行させると同時に, 藻類の成長やバクテリア, 動物類の付着を速めバランスのとれた生物環境を早期に創造する材料として有効である.
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