土木学会論文集
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2004 巻, 763 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • Martin FISCHER, John KUNZ, 矢吹 信喜
    2004 年 2004 巻 763 号 p. 1-31
    発行日: 2004/06/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    We present the case for information technology to support the design, construction, and operation of capital projects through the concurrent and integrated use of formal and visual computer models of the physical project scope, the organization carrying out the project, and the process that will deliver the facility. We call this approach to design and manage a project Virtual Design and Construction. We review several commercial and research prototype software tools that provide some of the functionality needed for Virtual Design and Construction and summarize benefits firms are achieving today from the use of these tools.
  • 石原 靖弘, 小林 剛, 狩野 正人, 亀井 正博, 谷平 勉
    2004 年 2004 巻 763 号 p. 33-42
    発行日: 2004/06/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    著者らは鋼橋の代表的な接合構造である高力ボルト摩擦接合継手の耐久性に着目し, 供用後, 長年月経過した実橋を中心に残存ボルト軸力やすべり係数の調査を行ってきた. その結果, 残存ボルト軸力が予想以上に低く, かつ軸力のばらつきも大きい継手が存在することがわかってきた. これらの低残存軸力やばらつきは高力ボルト摩擦接合の耐荷性に大きな影響を及ぼすものと考えられる. そこで, 残存ボルト軸力が低く, かつ軸力にばらつきを有する高力ボルト摩擦接合継手の終局耐力を把握するため, 桁載荷実験ならびに解析的な検討を行った. その結果, ボルト軸力の低下やばらつきが継手のすべり耐力に及ぼす影響を明らかにするとともに, 高力ボルト摩擦接合継手のすべり以降の終局耐力についても言及した.
  • 中山 隆義, 奥野 三郎, 浜田 元, 吉武 勇, 進士 正人, 中川 浩二
    2004 年 2004 巻 763 号 p. 43-52
    発行日: 2004/06/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    不良な地山におけるTBM掘削時の主要支保部材として開発したTBM用鋼製ライナー (ロックライナー) の適用範囲の拡張を図る目的から, ロックライナーにコンクリートを併用するRCロックライナーの開発を行った. 本報告は, RCロックライナーの設計法の確立を目的に実施した実大載荷試験から得られた知見を示すものである. その結果, 主桁部を鉄筋とみなしてRC断面計算を行ったところ, 理論計算値は実験値によく整合し, 耐力向上・変位量抑制効果が確認された.
  • 岡田 仁, 中村 益美, 笠井 靖浩, 栗原 美津雄, 山本 稔
    2004 年 2004 巻 763 号 p. 53-69
    発行日: 2004/06/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    開削工事に伴う地盤のリバウンド現象ならびにこれによる既設トンネルへの影響について簡易的に事前予測する手法を提案した. 地盤のリバウンド量の予測については, スタインブレナー式を用いて地盤の変形係数のひずみ依存性を考慮できる手法を提案した. また, 既設トンネルへの影響予測については, 地盤をばね・既設トンネルを梁とした二次元フレームモデルを用いて同トンネルの変位・応力を予測する手法を提案した. これらの手法による予測値と三次元FEM解析値ならびに実測値との比較を行って, 本手法の妥当性を検証した. さらに, 施工期間中における既設トンネルへの影響について, 変位計測値にもとづいた既設トンネルの応力をリアルタイムに予測して同トンネルの安全確認を行う計測監視手法を提案し, 三次元FEM解析値との比較を行ってその妥当性を検証した.
  • 野口 達雄, 杉山 友康, 木谷 日出男, 岡田 勝也
    2004 年 2004 巻 763 号 p. 71-86
    発行日: 2004/06/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    従来用いられている落石や岩盤崩壊に対する評価は, 専門技術者の持つ技術やノウハウを最大限に駆使し, その思考プロセスに基づいている部分が多いと考えられる. そこで筆者らは軟岩斜面について, 専門家による判断基準を要因別に数量化し, この結果を組み込んだ安定性評価手法を既に提案した. ここでは, 硬岩斜面に着目し, 軟岩斜面と同様な現場データの収集とそれを用いた数量化解析を実行した. その結果に基づいて, 落石や岩盤崩壊の発生に直接寄与し, これにより斜面が明らかに不安定であると判断できる素因 (決定的素因: CPC) を抽出し, 現在・過去・将来の安定性を評価するための要因を求め, 新しい安定性評価手法を提案した.
  • 伊藤 哲男, 馬場 弘二, 城間 博通, 吉武 勇, 中川 浩二
    2004 年 2004 巻 763 号 p. 87-93
    発行日: 2004/06/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 矢板工法からNATMに至るまで, いくつかの山岳道路トンネルにおける覆エコンクリートのひび割れ調査を通じて, コンクリート片の剥落に及ぼす各種要因の整理を試みたものである. 特に, 本研究では, ひび割れ方向性を定義し, これをもとに覆工コンクリートに生じたひび割れを分類するとともに, その発生頻度や交差角度, ひび割れ幅等の調査を行った. さらに, 剥落塊の形状を調べるとともに, コンクリート老朽化の一指標となる中性化深さを調べ, 剥落危険性の評価の基礎データを示した.
  • 赤石沢 総光, 福島 誠一郎, 安田 登
    2004 年 2004 巻 763 号 p. 95-106
    発行日: 2004/06/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    巨大地震の発生は企業の存続や経営の安定に多大な影響を与えることから, 自社設備を抱える企業にとって, 地震に対するリスクマネジメントを適切に実施することが重要である. 本研究では, リスクを企業外部に移転する手法として基本的で実績も多い地震保険に着目し, リスクマネジメントを行う主体である企業経営者の視点に立ち, 地震リスクが企業財務へ及ぼすインパクトの大きさを考慮することにより, 工学的な見地から地震保険の要否さらには保険によってカバーすべきリスク移転範囲の評価手法を示した. 検討の中では, シナリオ地震を想定し, 企業側の被る地震損失の期待値および標準偏差に基づくリスク移転の評価手法を示すとともに, 具体事例により評価手法の有効性も併せて示した.
  • 川村 洋平, 氏平 増之, 青島 伸治, 伊藤 史人, アクメトフ ダウレン
    2004 年 2004 巻 763 号 p. 107-117
    発行日: 2004/06/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ダンプトラックやパワーショベルといった重機は土木建設現場や資源開発現場において不可欠な存在である. 現在, 簡易で確実かつ迅速に失火気筒を判定できる実用的判定法の開発が望まれている. 本研究ではエンジンブロックの2箇所から計測した加速度波形をウェーブレット解析することにより簡易, 確実, 迅速に失火気筒を判定できるかどうか調べた. 実験の結果, エンジンをベンチに設置した基礎実験により人為的に発生させた12気筒すべての失火状態を時間-周波数マップから読み取ることが可能となっている. 実際に不調が認められている実機の実条件下でのフィールド実験においても, その失火気筒の判定が可能であったことを示す.
  • 吉本 正浩, 信岡 卓, 笠井 靖浩, 大塚 正博
    2004 年 2004 巻 763 号 p. 119-132
    発行日: 2004/06/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文は, 地中送電用シールドトンネルの耐久性を保証する設計方法として, 鉄筋コンクリート製セグメントの構造細目と曲げひび割れ幅の制御方法を既設トンネルの劣化調査結果に基づいて提案したものである. まず, 構造細目は主鉄筋を配力鉄筋よりもセグメント本体断面の内側に配筋することを原則にした上で, 耐久性を保証するかぶりの厚さを内陸性環境と海洋性環境条件とに分けて定めた. 次に, 土水圧等の永久荷重作用時の曲げひび割れが要因で生じる配力鉄筋の腐食に対し許容できるひび割れ幅を内陸性環境と海洋性環境とに分けて定めた.
  • 渡邊 明之, 石橋 忠良, 西島 和男, 栗栖 基彰
    2004 年 2004 巻 763 号 p. 133-149
    発行日: 2004/06/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    新しい交差構造物の構築工法を開発した. この工法は, 鋼製エレメントを特殊な継手で繋ぎ合わせて地盤中に掘削貫入し, 構造物を構築するものである. 本論文の対象は, この工法の閉合部の構造である. 既施工のエレメント間を最後に継手で繋ぎ合わせる閉合部は, 施工誤差を吸収でき, 小さいスペースで接合できる構造とする必要があるため, 施工性に留意し, 閉合形状に曲げ加工した鉄筋同士の重ね継手の鉄筋コンクリート構造とした. 本論文は, この特殊な継手の特徴とともに, 鉄筋によりコンクリートブロックに支圧力を作用させた場合の耐力, 曲げ加工された鉄筋の定着力に関する基礎的な実験, そして, 閉合形状に曲げ加工された鉄筋の重ね継手を有する梁形状の試験体による曲げ試験を行い, この重ね継手の耐力を明らかにした.
  • 建山 和由, 平井 伸吾, 矢野 隆夫, 片見 俊宏
    2004 年 2004 巻 763 号 p. 151-162
    発行日: 2004/06/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    土中に掘削した直径10cm程度の小孔の内部に発破等により衝撃荷重を載荷する場合を想定する. このとき小孔の孔壁周辺の土は急激に圧縮され, 地盤内には, 高密度の土の孔壁で囲まれた空洞が出現する. この考えを実際のトンネル施工や基礎工事に応用すると, 最小限の排土で, かつ最小の覆工で地下空間を構築することができる. 本論文では, 衝撃的な載荷による地下空間構築技術の実現可能性について数値計算と室内実験により考察を行った.
  • 田崎 和之, 広沢 規行, 今福 健一郎
    2004 年 2004 巻 763 号 p. 163-173
    発行日: 2004/06/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    地中連続壁を本体利用する場合, 鉄筋コンクリート床版との接合が不可欠になる. 地中連続壁が鉄筋コンクリート地中連続壁工法であればその設計手法は確立されているが, 鋼材を利用した地中連続壁においてはその床版接合法は未解明な点が多い. 本研究では鋼製連壁部材 (NS-BOX) を使用した鋼製地中連続壁の床版接合部の構造特性を解明するために実大実験を行った. その結果, 床版接合部における耐力および変形性能を確認し, 隅角部の鉄筋応力, ひび割れ状況を考察することにより, 常時および地震時における配筋の考え方をまとめることができた. これらの結果により, 鋼材を利用して本体利用する地中連続壁の床版接合隅角部の設計法を提案するものである.
  • 建山 和由, 片見 俊宏, 平井 伸吾, 伊東 繁, 長野 司郎
    2004 年 2004 巻 763 号 p. 175-183
    発行日: 2004/06/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    土中に掘削した直径10cm程度の小孔の内部に発破等により衝撃荷重を載荷する場合を想定する. このとき小孔の孔壁凋辺の土は急激に圧縮され, 地盤内には, 圧縮土の孔壁で囲まれた空洞が出現する. この考えを実際のトンネル施工や基礎工事に応用すると, 最小限の排土で, かつ最小の覆工で地下空間を構築することができる. 本論文では, 衝撃的な載荷による地下空間構築技術の実現可能性についで爆薬を用いた室内実験と現揚実験により考察を行った.
  • 松田 好史, 中村 敏晴, 宮川 豊章
    2004 年 2004 巻 763 号 p. 185-203
    発行日: 2004/06/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    日常点検や地震発生時等の緊急点検においては, 劣化や損傷が容易にかつ迅速に点検できることが重要であり, 耐震補強等が維持管理の妨げとなることは好ましくない. この視点に立ち, 著者らは既設RC柱の4面にコンクリート製のセグメントを張り付け, その外周を亜鉛めっき鋼より線で巻立て補強する工法を考案し, 縮小試験体を用いた正負交番載荷試験を行ってきた. 本研究は, 既往の耐震補強工法との対比において, 本工法によるひび割れ視認性や補強効果を実験的に明らかにするとともに, 変形性能の評価を行い, 鉄道ラーメン高架橋の既設RC柱の耐震補強工法として有効であることを確認したものである.
  • 西川 和良, 新井 英雄, 三上 博, 近藤 二郎, 石川 眞, 石川 和秀
    2004 年 2004 巻 763 号 p. 205-221
    発行日: 2004/06/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    管渠推進工法では, 内径3000mmを超える大口径管による施工実績が極めて少ない. これは, 工場で製作した推進管を工事現場まで運搬する際, 道路交通法施行令に基づく積載高さの規制を受けるからである.
    一方, 推進工法は, 現行の積算基準によれば, 都市トンネル工法のなかでも経済性に優れている. このため, 運搬上の制約を技術的に克服し, 大口径に対する適用拡大を図れば, 建設コストの縮減に寄与できる.
    本研究では, 2等分割半円形の管体を工場製作して運搬し, 現地でプレストレストコンクリート構造により一体化した後, 通常の推進管として使用する工法を開発する. 今回, 基本性能確認試験を通じて, 日本下水道協会が規定する標準管と同等以上の性能が確認されるとともに, 適用に際しての知見が得られた.
  • 三木 茂, 進士 正人, 吉田 幸信, 中川 浩二
    2004 年 2004 巻 763 号 p. 223-228
    発行日: 2004/06/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    近年, トンネル弾性波探査にトモグラフィ的解析法 (トモグラフィ法) が用いられる事例が増加したが, 解析に際しては初期速度設定方法が課題となる. 初期速度設定方法として, (1) 解析実績に基づく深度-速度関係を用いる方法, (2) 一様速度を与える方法, に加えて, (3) 簡易ミラージュ層解析結果を用いる方法, (4) 簡易層構造解析結果を用いる方法を提案し, さらに (5) 層構造解析 (はぎとり法解析) 結果を用いる方法, をとりあげ, 切羽強度指数一致率による評価を行った. 検討トンネルにおいては, いずれの設定法も顕著な差は見られなかったが, (3) および (4) が比較的実用的な方法であると考えられた. ここでは, トモグラフィ的解析法における初期速度設定方法とその評価について報告する.
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