高速交通網や情報基盤の整備が進んだ今日では, 地域を隔てる物理的障壁の持つ意味は小さくなり, その境界は不明瞭になりつつある (ボーダーレス化の進展). この結果, このような「物理的条件に基づく地域」差よりも, 各地点がどの地域に属すると認識されているかという「認識」差の方が地域計画上重要な意味を持つようになってきた. 本研究では, このような「認識に基づく地域」を定義し, その範囲を設定する方法を提案する. その際, 指標として実際の各地点における「地名」情報を用い, 地域名選択確率という概念を導入する. また, 本研究で提案した地域設定法を実際に茨城県南部地方に適用し, その実用性を検討するとともに, 社会資本整備をはじめとする地域整備が地域認識に及ぼす影響について検討する.
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