土木学会論文集
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2003 巻, 749 号
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  • 柳田 良徳
    2003 年2003 巻749 号 p. 1-20
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 梶間 厚邦, 竹本 大昭, 春口 孝之, 佐々木 康, 奥園 誠之, 古川 浩平
    2003 年2003 巻749 号 p. 21-32
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本調査地では, 地すべり地内に道路盛土等を行うことにより, 誘発される地すべり防止目的とした効果的な地下水位低下を図るために, 地下水の流動状況を適確に把握する必要が生じた. そこで, 本調査地では, ボーリング孔を利用した基礎調査をはじめ流向流速, トレーサー調査等の地下水動態調査を実施し, 地下水の流動状況を把握した. これらの調査結果及び水質分析, 間隙水圧測定等により明らかとなった被圧地下水を集中的に排除する方針を地下水排除計画に反映させた. その結果, 地すべりブロック内の地下水位は大幅に低下し, 効果的な地すべり対策を実施することができた.
  • 佐藤 恒夫
    2003 年2003 巻749 号 p. 33-47
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    2000年8月に現地着工した中部国際空港の建設地は愛知県常滑市沖合の伊勢湾海上で, その用地造成にあたっては, 良質な土砂の確保が困難になってきていることから, 名古屋港の浚渫土を埋立材の一部として有効活用することとした. 対象とする浚渫土は軟弱であり, そのままでは埋立地盤の早期供用に適さないことから, セメントを添加・混合する管中混合固化処理工法により改良を行うこととした. 今回の空港用地造成における管中混合固化処理工法の適用は, 大量の浚渫土を短期間に改良処理する大規模埋立工事として初の事例である. 本稿では, 配合管理や船団管理などにいくつかの新しい取り組みを行いつつ進めてきた工事に関し, 本工法の効果, 施工管理上の特徴について報告する.
  • 西垣 誠, 木佐貫 徹, 山下 知之, 渡邉 雄二
    2003 年2003 巻749 号 p. 49-62
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    大規模な線状地下構造物を建設する場合, 地下構造物によって地下水流動が阻害され, 数々の周辺環境への影響が重要な課題となり, これまで数々の地下水流動阻害対策工が実施されてきた. 本報告ではこの対策工の合理的な設計方法提案するため, 既往の対策検討や設置後の計測結果等の事例を基に, 対策工を基本的工法原理で分類し, 適用上の留意事項について検討し, この留意事項を踏まえた開削工法での集復水井形式を用いた対策工の設計方法を提案し考察したものである.
  • 香月 智, 上田 稔, 安井 英穂
    2003 年2003 巻749 号 p. 63-71
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 送電用鉄塔の実務設計に遺伝的アルゴリズムに基づく最適設計技法を応用した効果について報告するものである. 本研究では, 従来の実務設計においてその設計・解析結果が送電用鉄塔の設計コードに細部に至るまで適合することが認証された既存設計ツールを使用している. しかし, 既存ツールが鉄塔の幾何学的形状については, 人間系の判断に依存していたことに着目し, この点について遺伝的アルゴリズムの適用を試みた. 本研究で提案する手法によって, 熟練技術者によって最適とされている既存設計結果に比較して, 4%程度の鋼材料軽減を得られることを明らかにした.
  • 吉川 正, 三井 隆, 真鍋 智, 福田 昌弘, 三谷 典夫, 中川 浩二
    2003 年2003 巻749 号 p. 73-86
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    油圧ジャッキによる揺動式掘削機構と伸縮式ロッドによる隅角部掘削機構を組合せた新しい矩形シールド掘削機を考案し, その掘削機構, 隅角部の掘削性能, 必要カッタトルク, 土砂攪拌機構, 切羽土圧制御について検討を行うとともに, 室内実験, 土砂流動数値解析により, その適用性を検証した. 次に揺動式掘削機構および隅角部掘削機構を組合せた矩形シールド掘削機を用いて世界で初めて約40m2の矩形断面のトンネルを構築し, 得られた計測データを先の検討結果と比較・考察した.
  • 盛武 建二
    2003 年2003 巻749 号 p. 87-98
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    土木工事の大部分は国, 地方公共団体が発注する公共工事である. 工事の計画を立てるうえで, 公共工事に対する国民の信頼性の確保と工事の経済性の追求は重要な要素である. この目的を達成するには入札・契約手続を把握する必要がある. 平成6年, 新しい入札・契約制度が導入された. 本稿では, 新入札制度がその趣旨に沿った導入・実施がなされているか否かを分析するとともに, 従来型の指名競争入札における現況を検討した. その結果, 新入札制度は経済性, 競争性の確保に一定の効果が現れており, その実施の促進が重要であることが確認できた.
  • 小島 尚人, 大林 成行, 北村 良介
    2003 年2003 巻749 号 p. 99-110
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, シラス自然斜面の崩壊危険箇所評価支援を目的とし, 崩壊誘因の広域逆推定問題への衛星熱赤外域情報の活用方法について提案したものである. 地理情報と衛星熱赤外域情報を素因 (説明変量) とし, 降雨 (誘因) に伴って発生した崩壊地データを目的変量とした. 誘因を未観測情報 (潜在変量) とし, 共分散構造分析法を介して, これを逆推定する. 1) ケース1: 地理情報のみ使用, 2) ケース2: 地理情報+衛星熱赤外域情報, といった2つのケースを設定し, 誘因影響図を比較した. 検討の結果, ケース2に対応するパスモデルの適合度が向上し, 衛星熱赤外域情報の有用性が裏付けられた. さらに, 衛星熱赤外域情報の使用の有無に伴う誘因影響図上の違いを抽出した「差画像」を最終成果図として提示し,「崩壊危険側・安全側」といった評価が展開できることを示した.
  • 江口 忠臣, 室 達朗, Dang Thai TRAN
    2003 年2003 巻749 号 p. 111-121
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は建設車両の高精度車両制御に資するため, 地盤上における建設車両用タイヤの制動特性および駆動特性を明らかにするものである. タイヤと地盤の接触作用は非線形力学の最も困難な問題のひとつであり, 半実験的方法によって性能予測が可能となる. そこで, 供試地盤上において載荷, 制駆動試験を行い, 3種類のタイヤ空気圧設定における特性について調査した. 純粋転動時と同様にタイヤ空気圧設定による地盤表層破壊抑制効果が明らかになり, スリップ率の変化に伴う制駆動特性の詳細が判明した. また, 離散化タイヤモデルによるタイヤ変形形状を基にしたシミュレーション方法を提案し, それに基づく数値解析の結果と実験値との比較を行うことによって走行性能予測の精度について検討した.
  • 緒方 健治, 松山 裕幸, 天野 淨行
    2003 年2003 巻749 号 p. 123-135
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文では転石や浮石の振動特性に着目し, 定量的・客観的評価が行える落石危険度の判定法を提案する. この方法は, 調査対象の転石や浮石とそれを支える地盤に振動計を設置し, 両者の振動特性の違いから危険度の判定を行うものである. まず初めに, 現地実験結果を用いて模擬実験との相関を確認し, 危険度判定図を作成した. さらに, 現場で行った亀裂調査と危険度判定との結果を比較し, 本手法の信頼性を確認した.
  • 廖 金孫, 松井 繁憲, 串田 守可, 篠原 正, 藤野 陽三
    2003 年2003 巻749 号 p. 137-148
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    鋼橋建設コストの低減を目的として, 塗装の代わりに除湿機を箱桁内部に設置し, 湿度を制御することにより, 箱桁内面の腐食を防止する工法が検討され, 実用化されている. しかし, この防食方法には電源が必要不可欠な上, 除湿機の設置・運転費用もかかる欠点がある. これらの欠点を解決するため, 取扱いが容易で安価な除湿剤に着目し, 除湿剤による箱桁内部の湿度制御効果について検討した. 本文では, 北海道および沖縄に架設された実橋を対象とした鋼製箱桁内部の環境腐食性の調査結果および, 腐食環境が厳しい沖縄の実橋鋼製箱桁内部における除湿剤の湿度制御効果を解析し, 鋼板の腐食発生挙動に及ぼす不純物付着量の影響を明らかにした上で, 除湿剤を使用する鋼製箱桁内部の防錆システムを提案した.
  • 青山 要, 宮森 建樹, 脇山 哲也
    2003 年2003 巻749 号 p. 149-163
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    地盤改良の現場配合は, 室内試験の改良土の一軸圧縮試験結果から目標強度や施工上の安全等を配慮して決定されることが多い. 改良土の強度特性は改良材の配合条件が同じであっても, 土の種類や状態により大きく異なる. また, 施工後の改良土の強度においても室内配合試験結果と大きく異なっていることがある. 筆者らは, 室内配合と現場採取の改良土の強度差の要因として考えられる土圧等の環境条件を除き, 改良対象土の粒度特性と改良土の体積変化に着目し, ガラスビーズと現場採取土を用いた室内配合試験を実施した. その結果, 土の細粒分含有率によって異なる改良土の体積変化および強度特性等から改良土の配合を検討する上で有用な知見を得ることができた. これらを背景に配合決定のフローについて提案した.
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