土木学会論文集
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2002 巻, 708 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • Xiaochun LI, Zhishen WU, Manabu TAKAHASHI, Kazuya YASUHARA
    2002 年2002 巻708 号 p. 1-11
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    Anisotropic stresses may induce anisotropic permeability of rocks. The present study aims at establishing the relation between permeability tensor and principal stresses for Shirahama sandstone within the pre-yield range. The effects of three principal stresses on the permeability are experimentally investigated using a Mogi-type true triaxial apparatus and transient pulse technique. Stress sensitivity coefficients of permeability are defined to describe the influence coefficients of stresses, which are found to be independent of stress states and loading paths. Based on these observations, we proposed a linear relation between the logarithm of the principal components of permeability tensor and the principal stresses.
  • 京谷 孝史, 欧陽 立珠
    2002 年2002 巻708 号 p. 13-23
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    著者らは, 実務においても入手が容易な岩石コアの力学特性と不連続面分布の画像情報を用いて, 不連続性岩盤の巨視的な変形強度特性を推定し, それを用いた極限荷重解析によって岩盤構造物の安定性を評価する方法を提案している. 本研究では, 複数の専門家によって「危険」と判断された道路脇岩盤斜面に提案手法を適用して, 斜面の安定性についての定量評価を実施し, それを通して提案手法の妥当性および実用化の可能性を検証している.
  • 足立 紀尚, 木村 亮, 岸田 潔, 鮫島 竜一, 岩崎 喬夫, 河野 定
    2002 年2002 巻708 号 p. 25-40
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    プレキャストトンネル構造は, 構造上土被り荷重そのものが覆工構造に作用するものと考えているため, 土被りが大きくなる高盛土では作用荷重を大きく想定し覆工を必然的に厚くせざるを得ない. そこで本研究では, アルミ棒積層体2次元降下床実験を実施し, 埋め戻しにより覆工に作用する荷重・モーメントを計測し, 埋め戻し過程および土被りがプレキャスト構造に与える影響について検討を行う. また, 低剛性材料を覆工構造周辺に設置することで, 低剛性材料が埋め戻しに伴って変形することにより荷重の緩和材としての効果の検証を行う. 実験結果より, 低剛性材料を導入することで, 土被り荷重を軽減できることが確認できた.
  • 柳沢 賢, 堀井 秀之, 星谷 寛
    2002 年2002 巻708 号 p. 41-52
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    地盤の破壊問題においては, 変形の局所化・進行性破壊・すべり面の不安定進展といった現象が支配的であり, ピーク荷重およびピーク荷重後の挙動に多大な影響を与える. 本研究ではすべり面の不安定進展に着目し, J積分を用いた不安定進展開始条件の提案を行う. 不安定進展開始条件としては, すべり面の進展に伴い解放されるエネルギーが, 完全な破壊面を形成するのに必要なエネルギーに達することとした. 提案する条件を適用し有限要素解析を行った結果, 上載荷重の異なるせん断試験における破壊挙動を再現し, せん断試験・進行性破壊試験におけるすべり面の不安定進展現象を再現できることを示した.
  • 西江 俊作, 王 林, 沓沢 貞雄, 兵動 正幸
    2002 年2002 巻708 号 p. 53-68
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 自動制御型K0三軸装置を用いて, 応力履歴や二次圧密が不撹乱海成粘土のK0圧密挙動に及ぼす影響と二次圧密中における非排水せん断特性について調べたものである. 本研究に用いた試料や試験条件の範囲では, (1) K0値は, 年代効果による構造の発達や応力履歴の影響を強く受けること, (2) 二次圧密中のK0値はあまり変化しないことがわかった. また二次圧密が進行中, (3) ダイレタンシー特性やひずみ軟化型の応力-ひずみ関係に支配されて特徴のある有効応力経路を示すこと, (4) qmaxE50は圧密時間とともに増加するが, 限界状態線への到達点は圧密時間にあまり依存しないこと, (5) qmaxp′-q平面上で固有の直線上にあり, さらに (6) qmaxの時間変化は簡便な式を用いて予測可能であることを示した.
  • 福田 文彦, 三田地 利之, 澁谷 啓
    2002 年2002 巻708 号 p. 69-78
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    再構成粘土の力学特性を調べる目的で一連の三軸圧縮試験を行った. 実験は等方正規圧密および等方過圧密粘土の平均有効主応力一定排水せん断試験, 等方正規圧密粘土の非排水せん断試験, 等方応力とせん断応力が複合した載荷履歴を与えた粘土の平均有効主応力一定排水せん断試験から構成されている. これまで弾-塑性状態にある粘土の間隙比, 平均有効主応力, 主応力差の間には一義的な関係が存在すると考えられてきたが, 実験からそのような関係を確認することはできなかった. 一方, 新たなひずみパラメータであるσ3軸を法線とする面の面積ひずみと平均有効主応力および主応力差の間に一義的な関係が存在しており, この関係にもとづいて粘土のいくつかの力学特性が説明できることを示した.
  • 小澤 一喜, 竹村 次朗, 日下部 治
    2002 年2002 巻708 号 p. 79-96
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    埋立廃棄物処分場では遮水工として, 粘土ライナーが広く用いられており, 粘土ライナーの性能評価についての透水性に関する研究は数多く報告されている. しかし, 粘土中の汚染物質の拡散に関して, 粘土の状態量と分子拡散係数との関係を明確にしたものは数少ない. 本研究では独自に開発したカラム試験器を用いて模擬汚染物質によるトレーサー透水試験を行い, 粘土の間隙比と分子拡散係数の関係について調べた. また, カラム試験器を用いた分子拡散係数の測定法の開発という観点から, カラム試験から得られた試験結果に含まれる誤差を数値解析を用いたシミュレーションにより定量的に評価し, 測定された分子拡散係数の精度についても併せて検討した.
  • 尾原 祐三, 前野 保一, 川野 龍一, 伊藤 文雄, 中原 史晴
    2002 年2002 巻708 号 p. 97-106
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ロックボルトおよびケーブルボルトの支保効果を検討する際, 岩盤, グラウト材, ボルトの付着特性を評価する必要がある. ボルトの付着特性は, 岩盤, グラウト材の強度およびボルトの表面形状に大きく影響されることが知られている. そこで, 本論文ではボルトの付着破壊メカニズムを明らかにするため, 室内引抜試験の供試体をX線CTスキャナにより画像撮影を行い, 内部で発生した破壊面を2次元および3次元的に可視化し, それらを基にボルトの付着破壊メカニズムを検討した.
  • 熊 潔, 望月 秋利, 馬 険峰, 平塚 正純
    2002 年2002 巻708 号 p. 107-116
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    土の塑性圧縮特性と塑性せん断特性を独立に扱うことのできる, 二重負荷型双曲線モデルを提案し, モデルの特性を遠心力場 (20, 40, 60, 80g) で行った砂地盤に対する支持力実験結果と比較・検討した. 解析による支持荷重~沈下量曲線は実験のそれらとほぼ一致し, また実験結果で見られた加速度に対する支持強度の傾向を解析で表現できた. しかし解析で得られたフーチング底面の土圧分布 (40g) は, 載荷初期の段階では実験結果と類似であるが, 荷重の増加につれてずれが生じ, 問題を残した. なお比較のため40gの実験を対象に, Duncan-Chang モデル,「単一負荷型双曲線モデル (弾性, 塑性せん断を考慮)」を用いて解析を行ったが, いずれも実験結果を説明できる十分な結果を得ることはできなかった.
  • 小林 泰三, 深川 良一, 松浦 敦
    2002 年2002 巻708 号 p. 117-131
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    特性曲線法を用いた静的コーン貫入試験の貫入メカニズム解析は, コーン表面を rough か smooth の2通りのみで評価していることが多く, また, ほとんどの場合, 軸対称条件下における Haar-Von Kármán の仮定を採用している. 本研究ではそれらの仮定の貫入抵抗算定値に及ぼす影響が極めて大きいことを指摘するとともに適用性を再検討し, より妥当性の高いコーン貫入理論を力学的, 数学的に明瞭な形で定式化した. また, 本論文では理論解析の応用として, 粘着力cとせん断抵抗角φの両者を有する地盤の表層を想定し, 異なる先端角を有するコーン (例えば30°と60°) を貫入することによって得られる2つの実測抵抗値から路床などの土構造物表層部におけるcとφを同時に推定するためのアイデアを提案した.
  • 小峯 秀雄, 緒方 信英
    2002 年2002 巻708 号 p. 133-144
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    高レベル放射性廃棄物の地層処分において, 処分孔や坑道を充填する緩衝材や埋戻し材には低透水性や膨潤性が要求されており, ベントナイトを用いた材料が有望である. 産業廃棄物処分場における遮水材としてもベントナイトを用いた材料が利用され始めている. 本研究では, 砂とベントナイトの配合割合が5~100%と広範囲に亘るベントナイト系緩衝材・埋戻し材の基本的な透水特性を調べるとともに, 乾燥密度の影響や最長120日間における透水係数の長期変化および膨潤変形前後での透水性の変化について実験的に調査した. また, 著者らが提案するパラメータ「モンモリロナイトの膨潤体積ひずみ」を用いて, 緩衝材・埋戻し材の透水特性を簡易に評価する方法を提案した.
  • 石田 毅, 水田 義明, 中山 芳樹, 山下 貢, 新宮 和喜
    2002 年2002 巻708 号 p. 145-159
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    水圧破砕は有用な地圧測定法であるが, 最大地圧の大きさを間接的にしか測定できない欠点を有している. 著者らは, 水圧破砕法の利点を有ししかも最大地圧を直接測定できる方法として, 任意の方向に亀裂面を造成できる乾式―面破砕法に着目し, 孔壁面に生じる応力状態と理論的な圧力-変位曲線を境界要素法解析で求めて, 室内実験の結果と比較した. その結果, 室内実験の測定値は一見妥当な結果を与えるが, これは亀裂位置に生じる2倍近い応力集中を無視していることが亀裂再開口圧を平均的に2倍程度大きく読み違えることで相殺されるためであり, 今後信頼性の高い手法に改善するためには, 亀裂の再開口を確実に検出する方法を見出す必要のあることがわかった.
  • 阿曽 沼剛, 三浦 清一, 八木 一善, 田中 洋行
    2002 年2002 巻708 号 p. 161-173
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    北海道 (3カ所) と鹿児島県 (1カ所) の代表的な火山灰地盤から, 不撹乱試料と乱した試料を採取し, それらの供試体について一連の繰返し三軸試験を行い, 火山灰質粗粒土の微小ひずみレベルにおける動的変形特性を調べた. 試験結果から, 粒子破砕が卓越する粒状体であるほどせん断剛性率Gの拘束圧依存性は大きく, 履歴減衰定数hでは小さくなることがわかった. また, このような火山性粗粒土のGに及ぼす間隙比の影響は, 豊浦砂やしらすに比べて小さなものとなる. 一方, 採取地点の原地盤で行われたサイスミックコーンから得たせん断剛性率と室内試験結果との比較から, 原位置火山灰土のGにはセメンテーション効果が確実に存在するものの, 室内試験によるその評価は不撹乱試料の質に強く依存することが示された.
  • 川口 貴之, 三田地 利之, 澁谷 啓, 佐野 信房
    2002 年2002 巻708 号 p. 175-186
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    室内において, 広範囲のひずみにおける粘性土供試体の変形挙動及び強度の測定が可能な高精度三軸試験システムを開発した. 本試験システムでは, 高精度位置決め機能を有するデジタルサーボモーターをパソコンを用いて自動制御することにより, 供試体に作用する軸変形量あるいは軸応力を時間に対して自在に変化させることができる. 加えて, 拘束圧の制御及びデータ収録機能を完全自動化することにより, K0圧密, 単調載荷圧縮・伸張試験 (強度試験), 繰返し載荷変形試験, 等の近年に相次いで基準化された各種の土質試験が本装置一台で実施可能となった. 本論文では, 開発したシステムのメカニカルな部分の特徴を詳述するとともに, 上述の各種試験を融合した試験例を示すことにより、本試験システムの多目的な性能の評価をしている.
  • 大津 宏康, 大西 有三, 西山 哲, 竹山 雄一郎
    2002 年2002 巻708 号 p. 187-198
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 筆者らの提案する斜面崩壊に伴う社会経済学損失を考慮した斜面リスク評価手法の, 急傾斜地での落石・岩盤崩落への適用性について検討を加えるものである. 具体的には, 一般道路に隣接する複数の不安定岩盤ブロックからなる斜面を対象として, DDA解析を用いたモンテカルロシミュレーションにより, 多様な崩落パターンが想定される場合の斜面リスク評価を実施した. この結果として, 本手法により算定される累積リスクを用いることで, 費用対効果を考慮した合理的な対策工を立案することが可能となることを明らかにした.
  • 山崎 浩之, 森川 嘉之, 小池 二三勝
    2002 年2002 巻708 号 p. 199-210
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    サンドコンパクションパイル工法は, 密度増加による代表的な液状化対策工法である. 同工法の設計, すなわち圧入率あるいは置換率 (以下本論文では圧入率とする) とよばれる砂杭面積の原地盤に対する占有率の設定は, 原地盤N値, 細粒分含有率, 改良目標N値を用いる設計法で行われることが多い. 本論文では, 港湾・空港において行われた同工法の液状化対策としての実績を集め, 圧入率と改良後の杭間N値を調べ, 既存の設計法の妥当性を検討した. その結果, 実測値は圧入率が同一であれば改良前の原地盤N値が小さい方がN値の増加が大きくなっていたが, 既存の設計法はこの傾向を逆に評価することがわかった. そこで, 同工法の改良メカニズムについて繰返しせん断効果を考慮した方法を導入し, 圧入率設定のための新しい方法を提案した.
  • 湯 恰新, 宮崎 良彦, 落合 英俊, 安福 規之, 大嶺 聖
    2002 年2002 巻708 号 p. 211-220
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    セメント混合による浚渫土砂の有効利用が図られている. 海上工事において固化処理土を海底に打設しなければならない場合が多い. しかし, 水中打設を正しく行わないと, 期待通りの固化強度が得られず, 周辺海域を汚濁させる恐れもある. 本文は, 著者らが実施してきた各種水中打設実験の結果を示すとともに, 材料分離を抑えるための施工上の工夫, 工事事例における汚濁拡散の観測結果を示し考察する. 結論として, 打設管を着底させ圧入方式で水中打設をすれば汚濁拡散は施工位置数メートルの局部範囲にとどまり, これ以外の一般工事海域での濁度とpHの変化は自然界の変動範囲を超えないことが判明した.
  • 藤原 身江子, 奥山 一典, 八木 則男, 森 忠次
    2002 年2002 巻708 号 p. 221-226
    発行日: 2002/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    成形可能な粘性土の湿潤密度を求める場合, 供試体の作製方法による成形精度の違いにより, 湿潤密度が異なる可能性がある. そこで本研究では, 質量と長さの測定誤差を吟味した上で, 供試体の形状誤差を検討し, 作製方法が粘性土の湿潤密度に及ぼす影響を明らかにすることを試みた. その結果, (1) 現行試験法に従って最小読取り値0.005cmのノギスにより求めた粘性土の湿潤密度の有効数字はせいぜい3桁である, (2) トリミング法で成形された供試体の形状誤差とチューブ法のそれは同程度であることが判明した.
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