TS濃度5%の濃縮汚泥を基質として, 高温55℃で嫌気性消化の連続実験を行い, 滞留時間 (SRT) を2.5日, 5日, 10日, 20日, 40日に変化させて, 物質分解におよぼす滞留時間の影響を検討した. 連続実験においてSRT10日で分解可能な物質 (滞留時間40日で分解された物質) の約80%が分解された. SRT10日におけるTS, VSおよびTotal-CODの除去率は, それぞれ40.6%, 55.3%, 61.9%, ガス生成倍率, ガス生成量はSRT10日でそれぞれ25.1 (L-ガス/L-投入汚泥), 600 (mL/g-投入VS) であった. また、各滞留時間で馴養された高温消化汚泥による濃縮汚泥の酸生成及びメタン生成の活性は, 3.61~9.82 (g-COD/L/日)で, いずれも馴養SRTの増大に伴い低下する傾向にあった.
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