土木学会論文集
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1997 巻, 568 号
選択された号の論文の22件中1~22を表示しています
  • 金折 裕司
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 1-12
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 大川 秀雄
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 13-20
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 谷 和夫, 上田 圭一, 阿部 信太郎, 仲田 洋文, 林 泰幸
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 21-39
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    1995年兵庫県南部地震の発生に伴って, 淡路島の北部西岸に野島地震断層が出現した. 基盤の断層運動によって, 未固結な表層地盤に形成される変形構造を解明することを目的として, 地表踏査, 測量, 物理探査を実施した. 本報告では, 地表面で観察された断裂構造の分析結果と, 地下レーダー探査によって推定された地盤内部の変形構造について記す.
  • 松田 博
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 41-48
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    兵庫県南部地震によって, ポートアイランドをはじめとして臨海部の埋立地においては広範囲にわたって噴砂がみられるとともに30~50cmあるいはそれ以上の地盤沈下が生じ, ライフライン等に著しい被害をもたらした. このような著しい沈下は, 表層部の埋立て土層の液状化に伴う沈下の影響が大きいと思われるが, 臨海部の人工島は粘土層上への埋立てによって築造されていることから, この粘土層の地震後沈下について検討を行った. その結果, 兵庫県南部地震によって, 粘土層内で発生した過剰間隙水圧の大きさとその消散に要する時間, さらに粘土層の沈下-時間関係について定性的傾向を知ることができた.
  • 神山 眞, 松川 忠司
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 49-66
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    1995年兵庫県南部地震で得られた強震記録を用いて最大地動ならびに地震波動特性が議論される. 特に, 地震波動特性の考察では地表で得られた強震記録のみならず, ポートアイランドで得られた鉛直アレー強震記録に対して, 非定常スペクトル解析, 相互相関解析など種々の解析が施される. 最初に, 最大地動の観点からは, 兵庫県南部地震はその地震規模に応じた平均的な地震であることが指摘される. 次に, ポートアイランドの鉛直アレー記録の解析から, ここでの強震動が実体波と表面波の混在した複雑な特性を有することが明らかにされる. このうち, 表面波は一般に存在する「後揺れ」部の長周期帯でなく, 周期0.5秒程度の短周期帯で主要動部において存在することが指摘される.
  • 大槙 正紀, 高木 伸雄, 藤井 照久, 若槻 好孝
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 67-78
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    1995年1月17日に阪神大震災が発生し, 阪神・淡路地区にある27の漁港が被害を受けた. 本論文は, 被害を受けたけい船岸の被害特性の分析結果および代表的な漁港における液状化解析結果を示した. 被害の特性は, 構造物の型式や方向性について地震の主要動と対比して行った. また, 液状化解析では従来の設計ガイドに基づいた一次元解析および実地震波を用いた一次元解析, 二次元有効応力解析を実際に被害を受けた漁港に対し行い, それぞれの解析結果を比較検討した.
  • 木村 嘉富, 前田 良刀, 松井 謙二, 横田 康行
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 79-87
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本文は, 杭基礎の弾性解析法 (変位法) を, 大変位領域まで適用できるように拡張した方法を提案し, 実杭による水平載荷試験に基づき, その妥当性を検証したものである.
    まず, 杭体の非線形性は, 杭頭が先に降伏するという前提のもと, 杭頭付近に杭径分の塑性ヒンジ領域 (Ls) を仮定し, 杭体降伏後のバネ定数K1*~K4*をLsの関数とする式を提案した. 次に, 地盤の非線形性は等価線形化法で表現できることを明らかにし, 地盤種別ごとに非線形係数yを提案した. おわりに, 上記の杭体および地盤の非線形性の考え方を用いて, 実杭による水平載荷試験による荷重H~変位δ関係を解析し, 本方法が軸力変動を考慮した杭ラーメン法と同程度の推定精度を有していることを明らかにした.
  • 阿部 博, 森 洋, 福武 毅芳, 藤川 智
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 89-99
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    兵庫県南部地震では淀川左岸部で大規模な堤防の陥没・崩壊が発生した. 堤体が最大3mも陥没したが, 幸いにも大阪市内への浸水を免れた. 東京都にも同様な構造の堤体があり, 発生が近いと言われている直下型地震を考えた耐震対策を必要としている現状がある. ここでは, 土構造物の液状化予測の一環として都が開発したシステム「TOTAL」を実際に被害を受けた淀川堤防に適用し, 解析結果から被害状況がどの程度把握出来るかを検討した. 解析から, 盛土直下を除く周辺地盤で液状化が発生し, 堤防被害が起きた可能性を示した. しかし, 自重解析による地震後変形量解析から得られた天端沈下量は, 実際の被害沈下量には及ばず, 解析手法として改良の余地があることも分かった.
  • 熊崎 幾太郎, 渡邊 英一, 古田 均, 近藤 寛通
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 101-111
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    従来の力学モデル (粘塑性モデル) を骨格とし, その物理的な意味を生かしつつ, 物性のファジイネスを考慮して, ファジィ推論ルールによる経験則の導入を行う. さらに, ファジィ推論ルールの最急降下学習則と組み合わせることにより, 精度の向上と現場ごとに異なる地盤変形特性への追従性を高める. これらにより,“従来の力学モデルの意味”,“ファジィ推論ルールによる経験則の導入”,“学習による精度の向上と追従性”という3つの条件の整合をとるための検討を行っている.
  • 横山 幸滿, 今泉 繁良, 上野 勝利, 水沼 孝恵
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 113-123
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    平成元年から同3年にかけて, 宇都宮市西郊の大谷石採取場で3,300m2にも及ぶ大規模な地下空洞陥没事故が発生し, その後引続き陥没事故が発生して社会的関心を集めた. 本論文ではまずはじめに大谷石の力学的性質, 特に一軸圧縮強度に及ぼす乾燥-湿潤履歴とクリープ破壊の影響を調べ, その後陥没のメカニズムについて検討し, 残柱の断面積と間隔について論じている. 更に陥没の発生日時と地球潮汐力との相関を調べ, 臨界状態にある空洞に対し地球潮汐力が陥没のトリガーの一つとなり得ることを述べている.
  • 横田 公忠, 矢田部 龍一, 八木 則男
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 125-132
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文は, 蛇紋岩地帯で発生している比較的緩傾斜の4箇所の地すべり地を対象として発生機構に対して鉱物学的・土質力学的検討を行ったものである. その結果, 蛇紋岩地帯の地すべり土塊は蛇紋岩の鉱物構成に起因し, 破砕作用を受けた場合は崩壊しやすく不安定土塊として形成される. また, 蛇紋岩地すべりでもすべり面の粘性土はクロライト, タルク, モンモリロナイト等の比較的せん断抵抗角の小さな粘土鉱物が主成分であることを明らかにし蛇紋岩地帯の地すべりの発生機構に検討を加えた.
  • 浜口 俊雄, 村上 章, 長谷川 高士
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 133-145
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    非定常な地下水流動平面モデルを考えた場合, 地下水の流動に応じて, 対象領域内における不透水性基盤層標高の高い周辺領域で地下水面の端部が移動する. 本論文は, 地下水深を表す変数を0-拡張することにより, 地下水貯留域の境界線となる地下水面端部の移動を表現し得る地下水モデルの定式化を行った. また, その定式に基づいた有限要素解析法を提案し, 解析例により本修正モデルの有効性を検証した. 続いて, 同モデルを拡張 Kalman フィルタ有限要素法による逆解析に応用し, 透水係数の同定を行った. さらに, 逆解析後の対象領域における揚水運営の一例として, 揚水限界基準を評価した揚水システムを提案し, 数値解析を通して, 本運営の特長を見い出した. 最後に, 以上の3項目に関する今後の検討課題についてまとめた.
  • 砂質地盤に対する運動量に基づく設計法
    大島 昭彦, 高田 直俊
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 147-159
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    重錘落下締固め工法の単点打撃における締固め半径を基に打撃点間隔を設定して, シリーズ施工をシミュレートした遠心模型実験を行った. 打撃後に測定したコーン貫入抵抗から求めた密度増加域によって打撃点間隔と改良深度の関係を求め, これらから打撃の重ね合わせ効果を調べた. 密度増加域は打撃点間隔が狭いほど深く, 同じ打撃点間隔でもシリーズ施工により改良深度が深くなった. 打撃の重ね合わせ効果によって, 対象領域の改良深度が単点打撃による深度以上に得られる最大の打撃点間隔を調べることによって, シリーズ毎の適切な打撃点間隔を決めた. 最後にこれらの結果を用いて, 砂質地盤に対する重錘運動量に茂基づく設計法を提案し, 現行の設計法と比較した.
  • 佐藤 正俊, 上田 稔, 長谷部 宣男, 近藤 寛通
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 161-173
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ダムなどの岩盤上や地下空洞などの岩盤内に建設される重要構造物の地震時挙動を把握するために, 地震応答解析が実施されている. この際構造物の挙動を正確にとらえるためには, 岩盤の地震波伝播速度を的確に評価する必要がある. 岩盤の波動伝播速度を求める原位置試験として弾性波探査試験や速度検層等がある. しかし, これらの試験から得られる波動伝播速度と実地震時の波動伝播速度の関係については明確ではない. そこで, 硬質岩盤での地震観測記録から地震波伝播速度を求め, 原位置における弾性波探査試験や速度検層による波動伝播速度との比較を行った. その結果, 両者には差異があり, その違いの程度は割れ目の量の多少により異なることが明らかとなった.
  • 川村 國夫, 村山 秀幸, 橋本 文作, 近藤 久善, 西川 幸成
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 175-185
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    長大な不連続性岩盤斜面の崩壊は, 経済性ばかりでなく社会的にも影響が大きく, その安定は重要な工学的課題となる. 本報告は, 不連続性岩盤斜面の実際の大崩壊例を取上げ, その原因や挙動を底面摩擦模型実験と個別要素法から検証し, 実際の崩壊予知に関する両方法の有効性や適用性について検討した. その結果, 幾つかの興味深い知見が得られ, とくに, 崩壊予知には, 上記両方法の併用が不可欠となることを提案した.
  • 石崎 仁, 中井 照夫
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 187-198
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    バーチカルドレーン工法ではドレーン材を杭状に配置する改良形式が用いられているが, この杭状改良が圧密促進効果に最も合理的な形式というわけではない. 本研究では, 粘土中に砂材を杭状および格子状に配置した複合地盤要素の圧密試験を行い, 低置換率では格子状改良の方が杭状改良より速く圧密が進行し, 高置換率では逆になるという現象や格子状改良は杭状改良より沈下量が小さいなどの結果を得た. 土の変形特性を考慮した構成式を用いて解析すれば, この圧密特性は妥当に予測できるものであり, 局部載荷を受ける複合地盤でも同様の現象が生ずることを示す. さらに, 種々の条件におけるシミュレーション結果より, 格子状改良の設計計算に関する簡便計算法を提案した.
  • 前野 祐二, 平田 登基男, 永瀬 英生
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 199-207
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    焼却灰は全国各地の焼却処理施設から排出され, 一般廃棄物として埋立処分されている. 国土の狭い我が国が, 焼却灰で埋立てられた跡地や焼却灰を有効利用することは不可欠なことである. そこで, 焼却灰を試料とした圧縮試験, 三軸試験, さらにセメント, 消石灰を用いて安定処理した焼却灰を試料とした突固めによる締固め試験, CBR試験, 一軸圧縮試験, 溶出試験を行った. これらの実験結果と従来からの研究を比較しながら, 焼却灰の土質力学特性, 安定処理した焼却灰の路床材, 路盤材への適用について検討した. その結果, 焼却灰は, 比較的大きな強度であることと, 安定処理した焼却灰は, 力学的には路床材, 路盤材に利用できることが明らかになった.
  • 関根 一郎, 西牧 均, 石垣 和明, 原 敏昭, 斎藤 章
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 209-219
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 岩石の比抵抗における表面伝導の影響について検討し, それを考慮した比抵抗と弾性波速度との関係式を提案する. 実施にあたっては, 比抵抗の異なる水中で飽和させた岩石の比抵抗を測定し, 間隙水の比抵抗に依存しない過剰導電現象について調べた. その現象は表面伝導に関係することを明らかにし, 表面伝導を考慮することにより, 比抵抗と弾性波速度とを関係付けられることを示した. これらの結果は, 近年, 建設プロジェクトの地盤調査に使われる機会が増加した電気探査, 電磁探査, 比抵抗トモグラフィー等の探査結果の解釈に有効であると考える.
  • 小川 憲保
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 221-226
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    マニュアルに従って施工された数多くの現場において, ストリップの表面形状, 垂直応力, 施工後の経過時間, ストリップ長, および盛土材などを変えて, ストリップの引抜き試験を行い, ストリップと盛土材との間に発生する垂直応力とせん断強度との関係を求めた. その結果, 両者の間にはクーロンの破壊規準式が成立することがわかった. また, リブ付きストリップと盛土材との間に発生するせん断強度は, 平滑ストリップと盛土材との間に発生するものより大きいことがわかった. さらにリブ付きストリップと盛土材との間に発生する摩擦角の正接 (tanφ) と壁面変位には負の相関があることがわかった.
  • 渡部 要一, 竹村 次朗, 木村 孟
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 227-240
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    軟弱粘土地盤中の杭基礎橋台背面に裏込めを施す場合の地盤の安定性や杭基礎橋台の変形挙動は, 粘土の非排水変形を対象として取り扱われることが多い. しかし, この種の問題では, 粘土地盤は裏込め築造とともに発生する即時変形後も応力一定の状態で生じる非排水クリープや圧密変形といった時間に依存した挙動が現れる. 本研究では, このような長期的に現れる現象が杭基礎の変形挙動に与える影響について調べるために, 裏込め築造後の長期挙動に着目した遠心模型実験ならびに有限要素解析を行った. これらの結果から, 軟弱層厚や杭先の拘束条件といった各種影響要因が軟弱地盤や杭基礎構造物の長期挙動に与える影響を明らかにした.
  • 澤井 廣之, 塩井 幸武, 吉田 好孝, 上原 精治, 境 友昭
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 241-248
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    比較的簡単な方法によって測定した打込み杭の杭頭変位あるいは速度波形をもとに波動理論によって杭の鉛直支持力を推定する方法を示す. 波動理論による杭の支持力管理方法では, 杭頭での力と速度の時間波形を必要とし, また, 支持力の解析に時間がかかることから簡単には適用し難い, という問題点があった. 本論では, 杭の貫入量が杭先端での粒子速度の時間積分となることを利用し, 杭頭変位あるいは, 杭頭での速度波形を手掛かりとして杭の鉛直支持力を推定する方法を (1) 杭頭での速度波形が得られている場合, (2) 杭の変位量と貫入量のみが測定されている場合, について示す. 実際に測定されたデータをもとに本論で示す方法を適用した結果, 実用的な精度で杭の動的貫入抵抗を推定できることが分かった.
  • 稲田 善紀, 野原 浩一, 上原 健, 松本 喬, 岡本 將昭, 宮村 長生
    1997 年 1997 巻 568 号 p. 249-258
    発行日: 1997/06/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    近年, 住宅地や既設構造物の近くにおいて岩盤を破砕する工事が多くなってきている. 振動をきらう場所において動的破砕による工法を採用することは困難であり, また従来の静的な破砕工法は孔周辺に等荷重をかけるためエネルギー的に無駄が生じたり, 亀裂の方向制御が困難であるなどの問題点がある. そこで筆者らはこれらの問題を解決する一つの方法として4方向に集中荷重を加圧できる油圧式の岩盤破砕機を試作した. この試作機を用いて, 効率的な岩盤破砕を行うための実験および理論解析を行い検討し, 考察した結果について述べる.
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