繊維補強コンクリートの凍結融解作用による劣化のメカニズムを解明するために, (1) 相対動弾性係数の測定, (2) 剛性載荷曲げ強度試験, (3) 細孔径分布の測定, (4) 電子顕微鏡による観察を行った. その結果, 以下のことが明らかとなった.
ガラス, アラミドおよびビニロン繊維補強コンクリートでは, 凍結融解作用によりマトリックスコンクリート中にひびわれが発生し, 剛性低下を生じる. しかし, 繊維がそのひびわれの橋渡しとなることにより, 曲げ強度はあまり低下しない. 一方, 鋼繊維補強コンクリートは, 凍結融解作用によるマトリックスのひびわれ発生は少なく, 曲げ強度や剛性の低下も殆どない.
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