GPS (Global Positioning System: 汎地球測位システム) を用いるにあたっては, 観測点近傍の建物や立ち木などによって人工衛星からの電波の受信が妨げられるため, 測定に必要なデータをいかにして確保するかが問題になる. そこで, 本研究では, 測点の上空の障害物の位置を予め写真撮影によって記録する一方, 人工衛星の飛来位置を計算し, これらを照合することにより, それぞれの基線の測量についての経時的な受信可能衛星数を求めるシステムを開発した. このシステムを用いることで, 確実かつ効率的な測量計画をたてることができる.

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合成桁を斜張橋に適用した場合, 連続合成桁同様に負の曲げモーメント部の床版応力が問題となる. 本橋ではこの問題に対処するために, ケーブル張力を調整することによりプレキャストRC床版にプレストレスカを導入する方法を採用した. 合成桁斜張橋にプレキャスト床版を用いた形式, および上記の床版プレストレスの導入法は, わが国で初めての試みであり, 種々の施工試験や現場計測を実施し, 適用した設計法および施工法の妥当性を検証した.

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本論文では, 中央径間400mの長大トラス橋の生月大橋に, ふっ素樹脂塗装を全面採用するに当たっての施工性確認試験結果とそれに基づく施工基準, 管理基準及び施工結果について述べる. すなわち, ふっ素樹脂塗装は光沢保持性に秀れた塗料であるが, 従来の実績例は1橋当たりの塗装面積が数千m²であった. 生月大橋では, 約56,000m²という大面積に全面採用となるため, 各種施工性試験を行ない, ダレ限界, 塗装間隔等についての管理基準を定めている. 又実施工で良好な結果を得て, 今後長大橋に全面採用可能である事を示している.

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本研究では, 主として岩盤の大変形挙動解析に用いられている不連続変形法 (DDA) による倒壊シミュレーションを, 実存RC構造物の発破解体工事の倒壊設計に適用し, 適切と思われる解析結果を得た. 本手法により, 時系列的な構造系の変化すなわち倒壊過程および最終崩壊状況を予測し, 段発発破計画の設計資料としたので, その概要を報告する.

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コンクリート構造物の耐久性, 耐荷性を評価する際, その構成材料であるコンクリートの圧縮強度や鉄筋の位置, 本数, かぶり厚を調査することが重要である. 近年, これらの調査手段として, 各種の非破壊試験法が広く用いられている. 非破壊試験法は構造物を破壊することなく多くのデータを得ることができるという利点がある反面, 測定精度, 適用範囲等にいくつかの間題を残している. 本研究は, 現在実用化されている各種非破壊試験法のうち, 反発硬度法および超音波法との複合法によるコンクリートの圧縮強度の調査, 電磁誘導法, レーダー法, 超音波法による鉄筋探査, 超音波法によるひび割れ深さの調査および自然電位法による鉄筋の腐食状態の調査について, 実構造物に対する調査結果から, その適用性について検討をしたものである.

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近年長大化が著しい斜張橋の合理的な設計を行うには, その動的性質, 特に強風下での挙動について明らかにする必要がある. しかし, 架設後の橋梁について実測に基づく動特性と強風時挙動を併せて示している資料は少ない. 本報はフローティング形式の斜張橋に対して実施した起振機試験および台風時の応答観測結果を述べたものである.

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本研究は, コンクリート製砂防ダム袖部の耐土石流衝撃設計に資するため, まず袖部の模型実験として, 無筋, 単鉄筋, 複鉄筋の3タイプの断面を用いた片持ちスラブの静的実験を行った. その後, ゴムで加速する水平衝撃荷重載荷装置を開発し, これを用いて衝突実験を行った. その結果, 静的および動的現象における各タイプの異なった破壊状態を確認したが, 根元部における載荷面および裏面からのひびわれによる連結を終局限界状態として定義することにより, 断面の違いや静的または動的に左右されない共通した終局限界状態の定義が可能となった.

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鉄筋コンクリート部材の構成材料である鉄筋を, 炭素繊維を用いたCFRPに代替することにより, 耐久性, 耐候性に優れた部材を製作でき, かつ現場作業の省力化を図れる. 本研究では, 塩害の被害の起きた桟橋上部工にCFRPのプレキャスト部材を適用するための合成度の確認実験の結果について報告する. また, 設計・施工法の整備を進め, 実構造物への適用例について報告する.

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土石流危険渓流における渓流調査は, 全国的に実施され渓流の危険度が評価されている. しかし, この調査の後に多くの渓流で土石流が発生したが, その妥当性の検証は十分であるとは言い難い. 本研究では, 昭和57年7月に長崎地方で発生した土石流災害のうち, 最も被害の大きかった長崎市東部地方を対象とし, 現行の渓流危険度評価の検証を行うと共に素因である地形要因を用いて谷頭崩壊や土石流の発生状況に基づいた渓流の崩壊規模を評価する方法を提案した.

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NATM施工時における支保パターンの選定は, 従来より経験工学的な方法で行われていた. そこで, これらの判断過程を一種のパターン識別と考え, ニューラルネットワークを用いてモデル化した. そして, 支保パターン選定のためのネットワークモデルの構成や人力データの感度解析を行い, モデルの特性や有効性を検討した. さらに, ニューラルネットワークの判断過程を追跡し, モデルの検証を行った.

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数値解析を用いた地盤の温度制御システムを提案する. 本システムは, 地盤材料の熱伝導率の同定および地盤内の温度の制御解析から成る. 前者は非線形最小二乗法, 後者は最適制御理論に基づく解析手法を用いている. 本論文では, これらの手法の検証および確証を室内地温制御実験結果によって実施した. 検討の結果, 本手法により地盤材料の熱伝導率が定量的に推定され, 実際に地中の温度を最適に制御し得ることを確認した.

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第二国土軸に計画される海峡横断橋は, いずれも明石海峡大橋を超えるスパンを有し, かつ大水深・大深度に基礎を必要とするものばかりになるであろう. 本論文は, 耐震安定性が基礎の諸元決定に大きな影響を与えるため, 耐震対策の基本的な考え方を整理し, 耐震上望まれる基礎構造のコンセプトを導いたものである. その結果, 大水深下の基礎として, 躯体重量が従来の半分程度になる新しい基礎構造を考案でき,「プラットフォーム基礎」と名付けた. これは, 明石海峡大橋を実現させた調査・設計・施工の各技術とその延長上の数年の技術開発により, 実現可能と考えられる構造の基礎である.

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本研究は, 建設会社の工事管理において, 複数の工事を“全社的な”立場から管理する場合のリスクマネジメントに焦点をあてながら, 各々の工事に共通するリスク (工事の結果に不確実性をもたらす, 潜在的および偶発的なでき事) による工事費用のばらつきを推測するための手法を開発した. 本論文では、工事をワークパッケージで定義し, 過去の工事の原価管理データを用いた線形回帰モデルにより計算されるパラメーターである“ベータ”の概念により, 工事費用の共分散を求める手法を示した. 本研究の結果は, 会社全体の工事を管理する立場にある技術者が, 全社的な建設マネジメント戦略を計画, 実行する場合の有効な手段となるものと考えられる.

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