岩盤構造物の施工においては, 計測値を評価するための基準値が必要である. この基準値として, 著者の一人は先に限界ひずみを提案した. しかし, 岩盤は間隙水や温度変化などの環境の影響を受けるため, 限界ひずみを基準値として用いるには限界ひずみとこれらの要因との関係を明らかにしなければならない. そこで, 本研究では, まず三軸圧縮応力下における限界ひずみを定義し, さらに, 含水状態, 間隙水圧, および温度について限界ひずみに及ぼすそれらの影響を調べた. その結果, 限界ひずみは, これらの環境要因の変化に対してほとんど影響を受けない安定した基準値であることがわかった.
抄録全体を表示