土木学会論文集
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2002 巻, 721 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 大矢 暁
    2002 年2002 巻721 号 p. 1-11
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 丈晴, 河野 泰典, 荒木 義則, 中山 弘隆, 水山 高久, 古川 浩平
    2002 年2002 巻721 号 p. 13-25
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    1982年7月長崎災害は, 日本観測史上最も激しい集中豪雨により, 多数の土石流が発生した事例である. しかしながら隣接する渓流で土石流が発生していない場合もある等, 土石流の発生は誘因となる降雨に加えて素因となる地形の影響を受けている. 本研究では, ラフ集合を用いて土石流危険渓流の地形要因から, 土石流発生に関する重要要因を抽出した. また, ラフ集合におけるルールの領域を拡張させることで, 土石流ルールを新しく定義し, その有用性を検討した.
  • 北川 修三, 梶原 雄三, 進士 正人
    2002 年2002 巻721 号 p. 27-39
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    北陸新幹線飯山トンネルでは, 膨張性地山に対処するため, 施工時差をおいて支保を二度に分けて施工する多重支保工法を採用した. これは, 膨張性地山のトンネルではある程度坑壁の変位を許容した方が土圧は小さくなること, NATMでの支保は閉合した吹付けコンクリートが最も有効に働くこと, の2点を最大限生かそうとするものである. 施工ならびに計測の結果, たとえ一次支保が破壊しても閉合した薄肉の吹付けコンクリートを主要部材とした二次支保をその内側に施工することで十分変位の収束を図れることが確認できた. また, FEM解析により二次支保の設置時期について検討した結果, トンネル直径の3.5倍程度切羽から離して施工することが支保全体の健全性を保つうえで有効であるとの結論を得た.
  • 谷中 幸和, 坂本 光重, 廣田 昭二, 兼田 教一
    2002 年2002 巻721 号 p. 41-52
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    既設橋梁の塗替塗装は, 管理費の縮減・苦渋作業の解消・労働力の確保等より機械化が強く望まれているが本格的な実用例は皆無である. 機械化を阻む要因として, 複雑な橋梁構造・脆弱な作業足場・研削した塗料粉や塗料ミストの飛散等が挙げられる. これらの課題を解決するべく, 本州四国連絡橋の箱桁橋梁を対象に, 円柱状の回転ブラシ・塗装ロール・これらを支持するアーム付き台車を, 既設の作業車に搭載する塗装システムを開発した. 本システムを使用した大島大橋における実験工事によれば, 人力施工と同等以上の品質・人力の10倍の施工能率・塗料粉や塗料ミストの飛散は皆無であり塗替塗装の機械化に成功した.
  • 角江 俊昭, 石井 清, 吉越 洋
    2002 年2002 巻721 号 p. 53-68
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ダム基礎岩盤の透水性は, ルジオン試験により評価され, 1ルジオン≒1×10-5cm/sとして透水係数に換算されることが多い. しかしながらこの透水係数は, 試験時に岩盤内の流れが層流である場合に限り有効である. 開口割れ自を有する節理性岩盤においては, ルジオン試験時に乱流が発生しやすくその際得られるルジオン値は層流状態での換算ルジオン値に比べ過小評価される傾向がある. 本研究ではダム調整池からの浸透流に関する計測結果を踏まえ, 実岩盤での各種試験・調査による透水性評価や浸透流解析による検証を通じて以上の問題点を具体的に明らかにし, 層流状態での透水性評価について, 種々試験法の有効性, 適用性を示すものである.
  • 喜多 達夫, 谷口 裕史, 荒木 田憲, 長沢 教夫, 割田 巳好, 青山 昌二
    2002 年2002 巻721 号 p. 69-79
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    New PLS工法は, 山岳トンネル施工法の1つであり, 切羽前方に先受けおよび支保としての機能を有したコンクリートシェル (プレライニング) を構築した後, その内部を掘削する工法である. 本工法に用いるスリットコンクリートは, 切削スリット内に隙間なく充填させる充填性, 妻型枠から開放された時点での自立性および掘削時における支保工としての初期強度が要求される. これに対し, 急硬材, 凝結調整剤および液体急結剤の3種類の特殊混和材を用いた特殊コンクリートを適用した. 本報告では, スリットコンクリートの示方配合選定および温度変化に対する配合修正方法について実験的に検討した結果に加え, 実施工での品質管理試験結果について報告する.
  • 中川 浩二, 青木 宏一, 進士 正人, 廣井 和也, 嵯峨 正信, 岩井 勝彦
    2002 年2002 巻721 号 p. 81-93
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    II期線トンネルの支保設計を行うためには, 双設トンネルとして建設される高速道路トンネルの特徴を生かす設計手法の開発が望まれている. しかし, これまでの事例をみると, I期線の施工データを一部活用し, II期線の設計・施工を実施した事例は数例みられるが, 明確な設計手法として確立されたものはない. 本研究では, 蓄積された多くの双設トンネルの実施工データを比較し, 独自の定量化を試みることで, より合理的なII期線トンネルの支保設計の考え方の検討をした. その結果, II期線トンネルの支保設計は, I期線トンネルの施工支保ランクを基本とするものの, 若干軽めの支保規模を計画し, 情報化施工を実施することにより合理的な施工が考えられることを示した.
  • 南 邦明
    2002 年2002 巻721 号 p. 95-103
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    鋼橋の製作において, 製作の合理化に関する考え方の一つとして, 「補剛材の低減=製作の合理化」という考え方が定着しているが, 補剛材を手溶接で取り付けていた時代は妥当な考え方であった. しかし, 今日では, 垂直・水平補剛材の取り付けは, NCロボットで行われている. このため, ロボットによるパネル製作工程を明確にした上で, 合理化を検討しない限り, 補剛材の低減による製作の合理化効果を定量的に評価することはできない. 本論では, まずパネル製作工程を説明し, 次に, パネル製作ロボットを延べ9日間にわたり監視・計測して, 各作業工程に必要な時間を明示した. そして, 補剛材の低減が製作の合理化に及ぼす効果の定量的な評価手法を提案し, 最後に, パネル製作における合理的な生産計画法を示した.
  • 築嶋 大輔, 野澤 伸一郎, 高崎 秀明, 近藤 昭二, 高瀬 義行, 田中 良弘
    2002 年2002 巻721 号 p. 105-117
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    作業空頭が制限された空間での施工に適した場所打ち杭構造として, 軸方向鋼材に高強度でフレキシブルな曲げ性状を有するストランドを用いて, 軸方向鋼材の継ぎ足しを省略したストランド場所打ち杭を開発した. 空頭制限下で場所打ち杭を施工するJR秋葉原駅改良工事にストランド場所打ち杭を使用し, 設計・施工を検討して工期およびコストを従来工法と比較した. 設計においては, ストランド場所打ち杭の部材岡性とコンクリートとの付着を考慮した以外は, 鉄筋コンクリート杭を用いた場合とほぼ同様に設計した. また, 施工においては, 同程度の空頭制限下で施工された従来工法に比べ, 鋼材建て込み作業時間が大幅に短縮され, コストにおいても, 従来工法より割安となった.
  • 木村 定雄, 神田 大, 南木 聡明, 小泉 淳
    2002 年2002 巻721 号 p. 119-138
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文は洪積地盤中に構築されたシールドトンネルの計測結果に基づき, セグメントの設計法として全周地盤ばねモデルによる計算法が有用であることを述べたものである. セグメントの挙動は, それに作用する土水圧およびそれに生じる断面力を計測して把握した. 一方, すでに筆者らは自立性の高い地盤中のトンネルの覆工設計で用いる荷重系―構造系の相互作用モデルとして, 全周地盤ばねモデルが合理的であることを提案している. そこで, このモデルを用いて各種の要因を与えたセグメントの挙動に関する感度解析を行い, その結果と計測結果とを定量的に比較して, 本モデルの実務設計への適用性を検討した. その結果, 全周地盤ばねモデルがセグメントの挙動を概ね表現できることを明らかにした.
  • 米田 昌弘
    2002 年2002 巻721 号 p. 139-151
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    橋梁の製作費用や維持管理費用の削減を図るべく, 近年では2主桁橋をはじめとする少数主桁橋の建設が増加している. 少数主桁橋は構造減衰が小さく, その断面形状と相まって自動車が走行する25m/s~30m/s程度以下の風速域において, 渦励振が発生する可能性があると強く危惧されている. そこで, 本研究では, 自動車の固有振動数を計測し, 自動車の固有振動数とほぼ一致する少数主桁橋が実在することを明らかにした. また, 渦励振が発生した2主桁橋上を走行する自動車の動的応答解析を実施して自動車の走行性について考察するとともに, 渦励振が発生した橋梁上を走行する自動車の動的応答を推定できる設計用簡易評価式を提示した.
  • 高崎 英邦, 山口 真司, 湯浅 康尊, 礒部 猛也, 村上 清基, 三浦 哲也
    2002 年2002 巻721 号 p. 153-165
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    プロジェクトマネジメント (以下PM) は, プロジェクトの全体最適化や生産性向上を図る手法として, 国内外で精力的に研究開発が進められている. 本研究は, 一般論としてのPMから対象を絞り, 日本の建設産業に対応したPM体系を新たに構築することを目的としている. すなわち, 研究の背景とその必要性の検討を踏まえ, 建設プロジェクトの顧客および自体からの要求事項充足の原則のもとに, 理念と定義の設定, 建設PM構成と部位であるマネジメント要素の概念形成, さらにはその実行手順について提案した. この研究成果は, プロジェクトチームが実際のプロジェクトで意思決定や問題解決を図る際に、必要なPMに関する基礎知識として利用できる.
  • 木佐貫 徹, 西垣 誠, 野田 誠司, 山下 知之
    2002 年2002 巻721 号 p. 167-176
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    構造物の設計方法が, 設計耐用期間に構造物に求められている要求性能を保持すること目的とした性能照査型に移行しようとしている. このため, 地下構造物の設計では, 作用荷重としての設計耐用期間の設計地下水位が益々重要となってきている. 本論文は, 東京周辺地盤での公共観測結果を基に, 涵養源で特に降雨と地下水位の相関性を明らかにし, 再現確率降雨量を基に性能照査型設計法に適用できる設計地下水位設定方法を提案し考察したものである.
  • 佐藤 宏志, 向野 勝彦, 今野 勉, 辻本 和則, 小泉 淳
    2002 年2002 巻721 号 p. 177-191
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    シールド工事のコスト縮減や施工時の安全性の向上のために, 施工の自動化・省力化, 長距離掘進, 高速施工, 二次覆工の省略, 内面の平滑化などが求められている. 従来使用されてきたダクタイルセグメントは, 継手構造がボルト式であることから, これらの工法改良への対応には限界があった. 本論文は, ダクタイルセグメントを対象に, そのボルトに代わる新しい継手構造の開発とその実用化に関して述べたものである. 楔の原理を応用した新しい継手構造を持つセグメントは, 継手性能がボルト式継手と比べて高い性能を有しながら, セグメントのワンパス組立てが可能となった. さらに, 試験施工において, セグメントの組立て時間を大幅に短縮し, セグメントの自動組立てや組立てにおける省力が可能であることの目処が立った.
  • 大津 宏康, 尾ノ井 芳樹, 大本 俊彦, 大西 有三, 西山 哲, 黄瀬 周作
    2002 年2002 巻721 号 p. 193-205
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 民間資本活用方式 (PFI) による建設プロジェクトで議論される様々なリスク要因の内で, 地下の地盤・岩盤の幾何学的および力学的条件の不確実性に起因するリスク (以下地下リスクと称する) に着目し, その評価方法および分担方法について検討を加えるものである. 具体的には, 従来の建設請負契約での地下リスクの分担法について示すと共に, PFIでは地下リスクを請負者が負担する可能性があることを示した. また, 建設プロジェクトでの地下リスクを評価するためには, 地盤条件の変動に関する平均値および, そのまわりの変動幅を定量化する手法が不可欠であることを明らかにし, その手法としてのクリジング手法の適用性について, 実際のボーリングデータを用いて検討を加えた.
  • 青山 要, 宮森 建樹, 脇山 哲也, 菊池 大輔
    2002 年2002 巻721 号 p. 207-219
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    地中で改良材を攪拌混合した改良土の品質は, 事前の配合試験や改良後の強度試験等により評価しているのが一般的である. 同配合, 同量の改良材を土と攪拌しても, 土の粒度組成等により改良土の強度は異なり, 施工面ではワーカビリティ, すなわち土の混ざり具合 (攪拌不足) が異なり, 硬化後の強度のバラツキに影響を及ぼすことがある. 筆者らは, ワーカビリティの改善が硬化後の改良土の品質を向上させるものと考え, 特に改良対象土の粘土分の影響に着目して, 土の物理化学的特性と改良土の初期性状 (まだ固まらない改良土) のせん断強さとの相関を検討した. 特に土に含まれる粘土鉱物の種類や表面電荷との関係が大きいことが確認され, 改良材開発上の知見を得た.
  • 白倉 篤志, 中村 秀明, 宮本 文穂
    2002 年2002 巻721 号 p. 221-226
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    著者らは, これまで損傷要因間の関連を階層構造モデルで表し, この階層構造モデルを基に構造物の診断を行う「構造物維持管理支援システム」の開発を行ってきた. このシステムでは, これまでに階層構造モデルの自動描画手法を提案し, FSM法から階層構造モデルの構築と視覚的表示を可能とするプロセスの構築を行ってモデル作成の効率化を図ってきた. しかし, この方法においても, 各要因間の関連性の強さに関して全ケースの入力が必要であるという非効率的な問題を抱えていた. そこで本研究では, 階層構造モデル作成の効率化に対して検討を加えるため, ファジィ理論を導入した構造モデリング手法の1つであるFISM/fuzzyの適用を試み, アルカリ骨材反応による損傷を例にFSM法と比較・検討した.
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